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book: 数学III
chapter: 微分積分の基盤
section: 実数の連続性
source: 吉江弘一 自筆原稿（~/text/math/20_suu3bisekibun/subsection_files/jissuu_no_renzokusei.tex）の変換
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# 数学III 微分積分の基盤 — 実数の連続性

## 実数の連続性

$a$ と $b$ が等しくないとき、$\dfrac{a+b}{2}$ は $a$ と $b$ の間の数になる。つまり、数と数の間にはいくつでも数が作れる。それゆえ、例えば有理数を考えたとき、およそ数直線上の数は有理数で埋め尽くされそうなものだが、そうでない。有理数は、数の基本となる性質である四則（加法、減法、乗法、除法）と大小関係を満たすが、これだけでは、扱う数に「穴」があり、数学的な分析に支障をきたす。そこで**連続性**というものを考え、きちんと扱える数（実数）を定める。

### 上界・下界、上限・下限

**定義：上界と下界**

全体集合を $U$、その部分集合を $S$、$a,~b$ を $U$ の要素とする。

1. $S$ に属するすべての数 $x$ について、$x\leqq a$ が成り立つとき、$a$ を $S$ の**上界**（じょうかい）という。また、このような $a$ が存在するとき、$S$ は**上に有界**であるという。
2. $S$ に属するすべての数 $x$ について、$x\geqq b$ が成り立つとき、$b$ を $S$ の**下界**（かかい）という。また、このような $b$ が存在するとき、$S$ は**下に有界**であるという。

$S$ が、上に有界かつ下に有界なとき、$S$ は**有界**であるという。

たとえば $S=\{1,~2,~3\}$ とすると、$3$ や $4$ や $10$ は上界であり、$3$ は上限である。

**定義：上限と下限**

1. $S$ が上界をもつとき、その上界の中で最小のものが存在するなら、それを $S$ の**上限**といい、$\sup{S}$ と書く。
2. $S$ が下界をもつとき、その下界の中で最大のものが存在するなら、それを $S$ の**下限**といい、$\inf{S}$ と書く。

**問題：上限と下限、最大値と最小値**

全体集合を $U$ とする。以下の集合 $S$ について、最大値と最小値が存在するならば求めよ。また、上限と下限が存在するならば求めよ。

1. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\lt4,~x\in\mathbb{Q}\}$
2. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\leqq4,~x\in\mathbb{Q}\}$
3. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\lt3,~x\in\mathbb{Q}\}$
4. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\leqq3,~x\in\mathbb{Q}\}$

**解答**（上限と下限、最大値と最小値の解答）

1. 最大値も最小値も存在しない。また、$\sup{S}=2$、$\inf{S}=-2$ となる。
2. 最大値は $2$、最小値は $-2$ となる。また、$\sup{S}=2$、$\inf{S}=-2$ となる。
3. 最大値も最小値も存在しない。また、$\sup{S}=\sqrt{3}$、$\inf{S}=-\sqrt{3}$ となる。
4. 最大値も最小値も存在しない。また、$\sup{S}=\sqrt{3}$、$\inf{S}=-\sqrt{3}$ となる。

上の問題からわかるように、有理数の集合 $\mathbb{Q}$ の部分集合には、上限や下限は存在するが、最大値や最小値は存在しないものがあることがわかる。最大値・最小値は集合に含まれる要素の中での最大・最小の値だが、上限・下限は集合に含まれなくても「境界」として集合に最も近いところで存在できる。

### 実数の連続性

**問題：実数の連続性**

全体集合を $U$ とする。以下の集合 $S$ について、上限と下限が存在するならば求めよ。

1. $U=\mathbb{Q}$、$S=\{x \mid x^2\lt3,~x\in U\}$
2. $U=\mathbb{Q}$、$S=\{x \mid x^2\leqq3,~x\in U\}$
3. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\lt3,~x\in U\}$
4. $U=\mathbb{R}$、$S=\{x \mid x^2\leqq3,~x\in U\}$

**解答**（実数の連続性の解答）

1. 上限も下限も存在しない。
2. 上限も下限も存在しない。
3. $\sup{S}=\sqrt{3}$、$\inf{S}=-\sqrt{3}$。
4. $\sup{S}=\sqrt{3}$、$\inf{S}=-\sqrt{3}$。

上の問題の（1）、（2）では、集合 $S$ は上にも下にも有界であるにもかかわらず、全体集合を有理数 $\mathbb{Q}$ とすると、$S$ の上限・下限は $\mathbb{Q}$ の中に存在しない。その理由は、$S$ の境界となる数が $\pm\sqrt{3}$ であり、これらが有理数ではないからである。

このことは、有理数全体 $\mathbb{Q}$ には数直線上の「穴」があることを示している。そこで、このような穴をもたない数の体系として実数 $\mathbb{R}$ を考える。

実数全体 $\mathbb{R}$ では、空でない有界な集合に対して上限・下限が必ず存在する。この性質を「実数の連続性」といい、次の公理として述べる。

**定理：実数の連続性の公理〈Weierstrassの公理〉**

$S$ を空でない実数の部分集合とする。

1. $S$ が上に有界なとき、$S$ の上限が存在する。
2. $S$ が下に有界なとき、$S$ の下限が存在する。

「実数の連続性の公理」を認めることで、以下に示す重要な性質や定理を導くことができる。

### 実数の性質

**定理：アルキメデスの原理**

任意の正の実数 $a$ と、任意の実数 $b$ に対して、$an\gt b$ となるような自然数 $n$ が存在する。

【証明】

背理法で示す。すべての自然数 $n$ について $an\leqq b$ を仮定すると、集合 $S=\{an \mid n\in\mathbb{N}\}$ は空でなく、上に有界なので、「実数の連続性の公理」より、$S$ の上限 $\alpha$ が存在する。

$\alpha$ は $S$ の上限だから、任意の自然数 $n$ に対し $na\leqq\alpha$ が成り立つ。よって、任意の正の数 $\varepsilon$ に対し $\alpha-\varepsilon\lt na$ を満たす自然数 $n$ が存在する（そうでないと、$\alpha-\varepsilon$ が上界となり、$\alpha$ が上限であることと矛盾する）。

ここで、$\varepsilon=a$ のとき
\begin{align}
&\alpha-a\lt na\\
\Leftrightarrow~&\alpha\lt(n+1)a
\end{align}
となるが、$n+1$ は自然数なので、$\alpha$ が集合 $S$ の上限であることと矛盾する。

「アルキメデスの原理」の応用例として次がある。

**定理：ガウス記号**

任意の実数 $a$ に対して、以下の式を満たす整数 $n$ がただ1つ存在する。
\[n\leqq{a}\lt n+1\]
この整数 $n$ を $[a]$ と書き「ガウス $a$」と読む。

【証明】

「アルキメデスの原理」で、$a$ を $1$、$n$ を $m$、$b$ を $-a$ とすれば
\[m\gt-a\]
となる自然数 $m$ が存在する。

いま、$m$ を1つ決め、集合 $A$ を以下のように定める。
\[A=\{k \mid k\gt m+a,~k\in\mathbb{N}\}\]
再び「アルキメデスの原理」より、$k\gt m+a$ を満たす自然数 $k$ が存在するので、$A$ は空ではない。空でない自然数の部分集合は最小の要素をもつので、$A$ の最小の要素を $l$ とすると、$l$ の定義より
\[0\lt m+a\lt l\]
だから、$l-1$ は整数で
\[l-1\leqq m+a\lt l\]
が成り立つ（そうでないと、$l-1\gt m+a$ となり、$l-1$ は正の整数なので $A$ の要素となる。これは、$l$ が $A$ の最小の要素であることに矛盾する）。よって
\[l-m-1\leqq a\lt l-m\]

ここで、$l-m-1$ は整数なので、$n=l-m-1$ とおけば $n+1=l-m$ でもあり、$n\leqq{a}\lt n+1$ がいえる。

また、整数 $p$ も $p\leqq a\lt p+1$ を満たすとする。$n\lt p$ ならば、$n+1\leqq p\leqq a\lt n+1$ となり矛盾する。$p\lt n$ の場合も同様に矛盾するので、$p=n$ である。

数学では、式や数値の大きさがどれくらいの範囲にあるか不等式で示すことを**評価する**という。ガウス記号で表された式について評価する際、次の不等式をよく使う。

**定理：ガウス記号の性質**

ガウス記号について、次のことがいえる。
\[x-1\lt[x]\leqq x\]

【証明】

定義より $[x]\leqq x\lt[x]+1$ なので、これを変形すると
\[x-1\lt[x]\leqq x\]

任意の異なる2つの実数について、それがどんなに近くとも、その間に有理数が存在する。これを有理数の**稠密性**（ちゅうみつせい）という。

**定理：有理数の稠密性**

任意の実数 $a,~b~(a\lt b)$ に対して、次の式を満たす有理数 $x$ が存在する。
\[a\lt x\lt b\]

【証明】

（方針：$a\lt\dfrac{n}{m}\lt b~\Leftrightarrow~am\lt n\lt bm$ となる整数 $n$ と自然数 $m$ の存在を示せばよい。）

実数 $b-a\gt0$ に対して、「アルキメデスの原理」より
\begin{align}
&m(b-a)\gt1\\
\Leftrightarrow~&ma+1\lt mb
\end{align}
となる自然数 $m$ が存在する。また、「ガウス記号」より
\begin{align}
&n-1\leqq{ma}\lt n\\
\Leftrightarrow~&ma\lt n\leqq ma+1
\end{align}
となる整数 $n$ が存在する。以上より
\begin{align}
&ma\lt n\leqq{ma+1}\lt mb\\
\therefore~&ma\lt n\lt mb\\
\Leftrightarrow~&a\lt\dfrac{n}{m}\lt b
\end{align}
となる。したがって、$x=\dfrac{n}{m}$ とおけば、$x$ は有理数であり $a\lt x\lt b$ となる。

これより、任意の実数 $\alpha$ に対し
\[\alpha-\dfrac{1}{n}\lt q_n\lt\alpha\]
となる有理数の数列 $q_n$ を作ることができる。

**定理：$n$乗根**

任意の正の実数 $a$ と自然数 $n$ について、$a$ の $n$ 乗根 $a^{\frac{1}{n}}$ が存在する。ここで、$a$ の $n$ 乗根とは、$n$ 乗して $a$ になる正の実数のこととする。

【証明】

（方針：$x^n\lt a$ を満たす正の数 $x$ 全体の集合を考え、その上限 $\alpha$ が $a$ の $n$ 乗根であることを示す。）

以下では、差の因数分解より、正の数 $\gamma$ に対して $\varepsilon\gt0$ を十分小さくとれば、$(\gamma+\varepsilon)^n$ や $(\gamma-\varepsilon)^n$ を $\gamma^n$ にいくらでも近づけられることを用いる。ただし、$(\gamma-\varepsilon)^n$ を扱うときは $0\lt\varepsilon\lt\gamma$ とする。

$a=1$ のときは、$n$ 乗根は $1$ で自明である。

i）$a\gt1$ のとき

集合 $A$ を次のように定める。
\[A=\{x \mid x\gt0,~x^n\lt a\}\]
$1^n=1\lt a$ なので、$1\in A$ であり、$A$ は空ではない。

また、「アルキメデスの原理」より
\[M\gt a\]
を満たす自然数 $M$ が存在する。$a\gt1$ より $M\gt1$ なので、この $M$ について $M^n\gt a$ である。

任意の $x\in A$ について、$x^n\lt a\lt M^n$ である。$x$、$M$ は正なので、「$n$ 乗の不等式の大小」より $0\lt x\lt M$ となり、$A$ は有界である。

空でない有界な集合は、「実数の連続性の公理」より、上限が存在する。その上限を $\alpha$ とおく（以下、$\alpha^n=a$ であることを示す）。$1\in A$ より、$\alpha\geqq1$ である。

ア）$\alpha^n\lt a$ とすると
\[(\alpha+\varepsilon)^n\lt a\]
となる正の数 $\varepsilon$ をとれるが、このとき
\[\alpha+\varepsilon\in A,\quad \alpha+\varepsilon\gt\alpha\]
となり、$\alpha$ が上限であることと矛盾する。

イ）$\alpha^n\gt a$ とすると
\[(\alpha-\varepsilon)^n\gt a\]
となる正の数 $\varepsilon~(0\lt\varepsilon\lt\alpha)$ をとれるが、このとき任意の $x\in A$ について
\[x^n\lt a\lt(\alpha-\varepsilon)^n\]
である。よって、「$n$ 乗の不等式の大小」より
\[x\lt\alpha-\varepsilon\]
となる。よって、$\alpha-\varepsilon$ は $A$ の上界となるが、$\alpha-\varepsilon\lt\alpha$ なので、$\alpha$ が上限であることと矛盾する。

よって、「三分法則」より $\alpha^n=a$ であり、この $\alpha$ が $a$ の $n$ 乗根となる。

ii）$0\lt a\lt1$ のとき

集合 $B$ を次のように定める。
\[B=\{x \mid x\gt0,~x^n\lt a\}\]
$0\lt\dfrac{a}{2}\lt1$ であり、
\[\left(\dfrac{a}{2}\right)^n\leqq\dfrac{a}{2}\lt a\]
だから、$\dfrac{a}{2}\in B$ であり、$B$ は空ではない。

任意の $x\in B$ について、$x\geqq1$ のときは $x^n\geqq1$ となり、$x$ は $B$ の要素にはならない。よって、$0\lt x\lt1$ となり $B$ は有界とわかる。

空でない有界な集合は、「実数の連続性の公理」より上限が存在する。その上限を $\beta$ とおく（以下、$\beta^n=a$ であることを示す）。$\dfrac{a}{2}\in B$ より、$\beta\geqq\dfrac{a}{2}\gt0$ である。

ア）$\beta^n\lt a$ とすると
\[(\beta+\varepsilon)^n\lt a\]
となる正の数 $\varepsilon$ をとることができるが、このとき
\[\beta+\varepsilon\in B,\quad \beta+\varepsilon\gt\beta\]
となり、$\beta$ が上限であることと矛盾する。

イ）$\beta^n\gt a$ とすると
\[(\beta-\varepsilon)^n\gt a\]
となる正の数 $\varepsilon~(0\lt\varepsilon\lt\beta)$ をとることができるが、このとき任意の $x\in B$ について
\[x^n\lt a\lt(\beta-\varepsilon)^n\]
である。よって、「$n$ 乗の不等式の大小」より
\[x\lt\beta-\varepsilon\]
となる。よって、$\beta-\varepsilon$ は $B$ の上界となるが、$\beta-\varepsilon\lt\beta$ なので、$\beta$ が上限であることと矛盾する。

よって、「三分法則」より $\beta^n=a$ であり、この $\beta$ が $a$ の $n$ 乗根となる。

最後に一意性を示す。正の実数 $r,~s$ が $r^n=s^n=a$ を満たすとする。「$n$ 乗の不等式の大小」より $r\leqq s$ かつ $s\leqq r$ となるので、$r=s$ である。したがって、$a$ の正の $n$ 乗根はただ1つである。
