関数の基本知識
関数とは何か
時間と水の量の関係の図
$3~l$ の水が入っている水槽の中に毎分 $2~l$ の割合で水を入れたとする。
水を入れてから経過した時間が$x$分とすると、水槽の中の水の量 $y~l$ は \[y=2x+3\] と計算することができる。
辺の長さと面積の関係
また、正方形の一辺の長さを $x~\text{cm}$ とすると、その面積 $y~\text{cm}^2$ は \[y=x^2\] と計算することができる。
このように、「$x$ の値を決めるとそれに応じて $y$ の値がただ1つだけ決まる」とき、$y$ は $x$ の関数 (function) であるという。
関数を説明する図
$y$ が $x$ の関数であるということを、一般的に \[y=f(x)\] などと表す。関数 $y=f(x)$ において、$x$ の値が $a$ であるとき、対応する $y$ の値を $f(a)$ で表し $f(a)$ を $x=a$ のときの関数 $f(x)$ の値という。
たとえば、$f(x)=2x^2−3x+4$ のとき \[f(1)=2\cdot 1^2-3\cdot 1+4=3\] \[f(a)=2\cdot a^2-3\cdot a+4=2a^2-3a+4\] である。
関数をグラフで表すということ
関数のグラフ
平面上に数直線を2本、直交するようにとると、その平面上の点 $\text{P}$ の位置は、右図のように実数の組 $(a,~b)$ で表すことができる。この組 $(a,b)$ を点 $\text{P}$ の座標 (coordinates) といい、$\text{P}(a,~b)$ と書く。
この直交する数直線のことを座標軸 (coordinateaxes) といい、座標軸の定められた平面を座標平面 (coordinateplane) という。
象限の位置の図
座標平面は、座標軸によって4つの部分に分けられる。これらを下図のように、それぞれ
- $x\gt0$、$y\gt0$ :第一
象限 (firstquadrant) - $x\lt0$、$y\gt0$ :第二象限 (secondquadrant)
- $x\lt0$、$y\lt0$ :第三象限 (thirdquadrant)
- $x\gt0$、$y\lt0$ :第四象限 (fourthquadrant)
次に、関数 $y=f(x)$ を座標平面に図示することを考えよう。
たとえば、関数 $y=x+2$ を図示するには、$y=x+2$ を満たす値の組 $(x,~y)$ を座標として座標平面上に点を打っていけばよい。
同様に、関数 $y=x^2$ を図示するには、$y=x^2$ を満たす値の組 $(x,~y)$ を座標として座標平面上に点を打っていけばよい。
一般に、関数 $y=f(x)$ において、$x$ の値とそれに対応する $y$ の値の組 $(x,~y)$ を座標とする点全体の作る座標平面上の図形を、関数 $y=f(x)$ のグラフ (graph) という。
例1)$y=x+2$のグラフ
例2)$y= x^2$のグラフ
定義域とは何か
数 $y=f(x)$ において、$x$ のとる値の範囲を、この関数の定義域 (domain) という。定義域をはっきりと示す場合には、関数とともに \[y=f(x)(a\leqq x\leqq b)\] などと書く。
$y=x+2$の定義域の図
たとえば、関数 $y=x+2$ において、$x$ のとる値の範囲、すなわち定義域を $-1\leqq x\leqq3$ とするとき \[y=x+2(-1\leqq x\leqq3)\] と表す。ただし、関数においてその定義域が特に示されていない場合には、その関数が意味を持つ範囲ですべての $x$ の値を考える。たとえば \[y=x+2\] とだけ書かれていた場合には、定義域はすべての実数であり、また \[y=\dfrac{1}{x}\] とだけ書かれていた場合には、$0$ での除法は意味をなさないので,定義域は $0$ 以外のすべての実数である。
値域と最大値・最小値
関数 $y=f(x)$ において、$x$ が定義域すべての値をとるときの $y$ のとる値の範囲を、この関数の値域 (range) という。
定義域と値域の関係の図
たとえば、関数 \[y=x+2(-1\leqq x\leqq3)\] の値域は、右のグラフからわかるように \[1\leqq y\leqq5\] となる。
このように、関数において、その値域に最も大きい値があるとき、その値をこの関数の最大値 (maximumvalue) といい、その値域に最も小さい値があるとき、その値をこの関数の最小値 (minimumvalue) という。