複2次式の因数分解について
複2次式の因数分解について
簡単のため、複2次式 $ax^4+bx^2+c$ を $a\left(x^4+\dfrac{b}{a}x^2+\dfrac{c}{a}\right)$ と変形し、$\dfrac{b}{a}=A$、$\dfrac{c}{a}=B$ とおいた \[x^4+Ax^2+B\tag{1}\label{fuku2jisikinoinsubunkainituite}\] という複2次式の因数分解について考える
- $x^2=X$ とおく方法で因数分解できる条件 \begin{align} &x^4+Ax^2+B\\ =&X^2+AX+B\\ =&\left(X+\dfrac{A}{2}\right)^2-\dfrac{A^2}{4}+B\\ =&\left(X+\dfrac{A}{2}\right)^2-\dfrac{A^2-4B}{4} \end{align} より、$A^2-4B\geqq0$ ならば ${\bigcirc}^2-{\triangle}^2$ タイプの因数分解が可能となる。
- $x^4$ と $B$ に着目する方法で因数分解できる条件 \begin{align} &x^4+Ax^2+B\\ =&x^4+B+Ax^2 \end{align} ここで、$B\gt0$ ならば \begin{align} =&\left(x^2+\sqrt{B}\right)^2-2\sqrt{B}x^2+Ax^2\\ =&\left(x^2+\sqrt{B}\right)^2-\left(2\sqrt{B}-A\right)x^2 \end{align} また、$2\sqrt{B}-A\gt0$ となるのは \begin{align} &2\sqrt{B}{\gt}A\\ \Leftrightarrow&(A\lt0)または(A\geqq0かつ4B{\gt}A^2)\\ \Leftrightarrow&(A\lt0かつ(A^2-4B\geqq0\\ &\qquadまたはA^2-4B\lt0))\\ &\qquadまたは(A\geqq0かつA^2-4B\lt0) \end{align} のときであるから、条件を整理すると \begin{align} &(B\gt0かつA\lt0かつ(A^2-4B\geqq0\\ &\qquadまたはA^2-4B\lt0)) \end{align} または \[(B\gt0かつA\geqq0かつA^2-4B\lt0)\] のときである。
$A^2-4B\geqq0$ のときは、$x^2=X$ とおくことにより因数分解でき、$A^2-4B\lt0$ のときは $x^4$ と $B$ に着目して変形することにより因数分解できる。特に、$A^2-4B\geqq0$ かつ $A\lt0$ かつ $B\geqq0$ のときには、どちらの方法でも因数分解できる。
となる。