答えを推定してから数学的帰納法で証明する
「証明せよ」という問題でなくても,答えを予想できれば,それを証明することによって解答になる.
いろいろな数学的帰納法~その1~
漸化式
{a1=2an+1=2an1+an (n=1,2,⋯)で定められる数列の一般項 an を n の式で表せ.
漸化式 an+1=2an1+an に n=1 を代入すると
a2=2a11+a1=2⋅21+2=43また, n=2 を代入すると
a3=2a21+a2=2⋅431+43=87また, n=3 を代入すると
a4=2a31+a3=2⋅871+87=1615となるので
an=2n2n−1と推定できる.
以下,この推定が正しいことを数学的帰納法を用いて証明する.
- n=1 のとき a1=2121−1=2
- n=m のとき( m はある自然数とする) (2) が成り立つと仮定する,つまり am=2m2m−1
となるので,確かに (2) は成り立つ.
を仮定する.
このとき, (2) で n=m+1 とおいた場合の成立,つまり
am+1=2m+12m+1−1が成り立つのを以下に示す.
((4)の左辺)= am+1= 2am1+am∵よって, n=m のとき \eqref{ippankonokinoho3} が成り立つと仮定すれば, n=m+1 の場合も \eqref{ippankonokinoho3} が成り立つことがいえた.
1. 2. によって,数学的帰納法からすべての自然数 n について, \eqref{ippankonokinoho2} は成り立つ.
よって \eqref{ippankonokinoho1} の一般項は
\boldsymbol{a_n=\frac{2^n}{2^n-1}}