等式の数学的帰納法
ここでは,数学的帰納法を利用して等式を証明する.
基本的な数学的帰納法~その1~
すべての自然数 n において
n∑k=1k(k+1)=13n(n+1)(n+2)を証明せよ
- n=1 のとき (左辺)=1∑k=1k(k+1)=1⋅2=2(右辺)=13⋅1⋅2⋅3=2
- n=m のとき( m はある自然数とする) (1) が成り立つと仮定する,つまり m∑k=1k(k+1)=13m(m+1)(m+2)
ととなるので,確かに (1) は成り立つ.
を仮定する.
このとき, (1) で n=m+1 とおいた等式
m+1∑k=1k(k+1)=13(m+1)(m+2)(m+3)が成り立つのを以下に示す.
仮定 (2) を使えるような形にするため m∑k=1k(k+1) をくくり出す
((3)の左辺)=m+1∑k=1k(k+1)=1⋅2+2⋅3+3⋅4+⋯+m(m+1)+(m+1)(m+2)=m∑k=1k(k+1)+(m+1)(m+2)=13m(m+1)(m+2)+(m+1)(m+2) ∵(2)=(m+1)(m+2)(13m+1)↑共通因数(m+1)(m+2)でくくった=(m+1)(m+2)m+33=13(m+1)(m+2)(m+3)=((3)の右辺)よって, n=m のとき (1) が成り立つと仮定すれば, n=m+1 の場合も (1) が成り立つことがいえた.
1. 2. によって,数学的帰納法からすべての自然数 n について, (1) は成り立つ.