1次方程式と1次関数

ここでは、1次方程式$ax+b=0$と1次関数$y=ax+b$のグラフとの間の関係について考えていこう。また、3つの文字の連立1次方程式についても学ぶ。

1次方程式の解法

1次方程式の解法

1次方程式の定義とその解

$a\neq0$、$b$ を定数として \[ax+b=0\] という形で表される方程式を、$x$ についての1次方程式 (linear equation) という。
1次方程式の解は $x=-\dfrac{b}{a}$ である。

「1次」という言葉のつかない、単なる方程式 $ax+b=0$ の解は、$a=0$ の場合も考えるため、次のようになる。

方程式$ax+b=0$の解

方程式 $ax+b=0$ の解は

  1. $a\neq0$ のときは、1次方程式なので $\boldsymbol{x=-\dfrac{b}{a}}$
  2. $a=0$ のときは、方程式 $0\cdot{x}=b$ を考え
    1. $b=0$ のとき
      方程式は $0\cdot{x}=0$ となり解はすべての実数
    2. $b\neq0$ のとき
      方程式は $0\cdot{x}=b$ となり解は存在しない

1次方程式と1次関数の関係

1次方程式と1次関数の関係

$y=\dfrac{3}{2}x-2$のグラフ
$y=\dfrac{3}{2}x-2$のグラフ

1次関数 $y=\dfrac{3}{2}x-2$ において、このグラフと $x$ 軸との共有点を考える。

共有点の $y$ 座標は $0$ であるから、共有点の $x$ 座標は \[\dfrac{3}{2}x-2=0\] という1次方程式の解として求めることができる。

この方程式の解は、次のような式変形を行い \begin{align} &\dfrac{3}{2}x-2=0\\ \Leftrightarrow~&\dfrac{3}{2}x=2\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{4}{3}\\ \end{align} と求めることができる。

つまり、$y=\dfrac{3}{2}x-2$ のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標は $\dfrac{4}{3}$ である。

以上のことは、次のようにまとめられる。

1次関数のグラフと $x$ 軸との共有点

1次関数
$y=$$ax+b$
のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標は、1次方程式
$ax+b$$=0$
の解である。

暗記1次方程式と1次関数の関係

次の文章の四角の中に適当な数字を入れよ。

1次関数 $y=-\dfrac{1}{2}x-1$ において、このグラフと $x$ 軸との共有点を考える。共有点の $y$ 座標は $\fbox{A}$ であるから、共有点の $x$ 座標は \[-\dfrac{1}{2}x-1=\fbox{A}\] という1次方程式の解として求めることができる。

この方程式の解は、$x$ について解くことにより \begin{align} &-\dfrac{1}{2}x-1=\fbox{A}\\ \Leftrightarrow~&-\dfrac{1}{2}x=\fbox{B}\\ \Leftrightarrow~&x=\fbox{C} \end{align} と求めることができる。

つまり、$y=-\dfrac{1}{2}-1$ のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標は $\fbox{C}$ である。

$\fbox{A}=\boldsymbol{0}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{1}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{-2}$