2次方程式と2次関数
2次関数$y=ax^2+bx+c$が与えられたとき、このグラフと2次方程式$ax^2+bx+c=0$の間には密接な関係がある。ここではまず2次方程式の解法について復習し、その解が2次関数とどのような関係にあるか考えていく。
2次方程式とは
2次方程式とは
$a\neq0$、$b$、$c$ を定数として \[ax^2+bx+c=0\] という形で表すことのできる方程式を2次方程式 (quadratic equation) という。
与えられた2次方程式を満たす $x$ の値を求めることを、その2次方程式を解くといい、 その $x$ の値を、その2次方程式の解とよぶ。
2次方程式の解法
因数分解を利用した解法
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の左辺が因数分解できる場合には、実数 $A$、$B$ についての積の性質 \[AB=0~\Longleftrightarrow~A=0~または~B=0\] をもちいて、次の例のように解くことができる。
なお、「または」はカンマ「$,$」で代用されることがある。
暗記2次方程式の解法(因数分解の利用)
2次方程式 $3x^2+2x-8=0$ を、因数分解を使って解くことを考えよう。
左辺を因数分解すると、2次方程式は \[\left(x+\fbox{A}\right)\left(\fbox{B}x-\fbox{C}\right)=0\] と変形できる。
一般に、実数 $P$、$Q$ について \[PQ=0~\Longleftrightarrow~P=0~または~Q=0\] が成り立つから、$P=x+\fbox{A}$、$Q=\fbox{B}x-\fbox{C}$ と考えれば \[x+\fbox{A}=0~または~\fbox{B}x-\fbox{C}=0\] が成り立つ。
この2つの式は、1次方程式であり、それぞれ解くと \[x=-\fbox{D}~,~x=\dfrac{\fbox{E}}{\fbox{F}}\] となり、これが2次方程式の解である。
$\fbox{A}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{4}$、$\fbox{D}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{E}=\boldsymbol{4}$、$\fbox{F}=\boldsymbol{3}$
2次方程式を解く(因数分解の利用)
次の2次方程式を解け。
- $x^2-2x-15=0$
- $x^2-8x+16=0$
- $12x^2-17x+6=0$
- $3x^2+2x-3=-2x+1$
- $\dfrac{1}{9}x^2+x+2=0$
- 左辺を因数分解して \[(x+3)(x-5)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-3~,~5}\]
- 左辺を因数分解して \[(x-4)^2=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=4}\]
- 左辺を因数分解して \[(4x-3)(3x-2)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=\dfrac{3}{4}~,~\dfrac{2}{3}}\]
- まず、式を整理すると $3x^2+4x-4=0$ となるので、左辺を因数分解して \[(x+2)(3x-2)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-2~,~\dfrac{2}{3}}\]
- 両辺を $9$ 倍すると $x^2+9x+18=0$ となるので、左辺を因数分解して \[(x+6)(x+3)=0~\Leftrightarrow~\boldsymbol{x=-6~,~-3}\]
吹き出し無題
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の左辺が因数分解できる場合はこの解法で解こう。因数分解の訓練にもなるし、複雑な計算なしに解くことができる。
2次方程式の解の公式による解法
2次方程式 $(x+2)^2=7$ は以下のように解くことができる。 \begin{align} &(x+2)^2=7\\ \Leftrightarrow~&x+2=\pm\sqrt{7}\\ &x=-2\pm\sqrt{7} \end{align} 一般に、$(x+p)^2=q$ の形 $(q\geqq0)$ の2次方程式は、上のようにして解くことができる。つまり、一般の2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ も、$(x+p)^2=q$ の形に変形できれば解ける。
では、どのように変形すれば $(x+p)^2=q$ という形になるのだろうか。それには、すでに学習した方法である『平方完成』(『$y=ax^2+bx+c$ のグラフ』を参照)を使う。
暗記平方完成を利用した2次方程式の解法
『2次方程式の解法』の例題では、因数分解を利用して解いた2次方程式 $3x^2+2x-8=0$ を、今度は平方完成を使って解いてみよう。
まず、$x^2$ の係数 $3$ によって $x^2$ と $x$ の項をくくると \[3\left\{x^2+\dfrac{\fbox{A}}{\fbox{B}}x\right\}-8=0\] $\dfrac{\fbox{A}}{\fbox{B}}\times\dfrac{1}{2}=\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}$ を利用して、中かっこ $\{~~\}$ の中を平方完成すると \begin{align} &3\left\{\left(x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}\right)^2-\left(\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}\right)^2\right\}-8=0\\ \Leftrightarrow~&3\left\{\left(x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}\right)^2-\dfrac{\fbox{E}}{\fbox{F}}\right\}-8=0\\ \Leftrightarrow~&3\left(x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}\right)^2-\dfrac{\fbox{G}}{\fbox{H}}-8=0\\ \Leftrightarrow~&\left(x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}\right)^2=\dfrac{\fbox{I}}{\fbox{J}} \end{align} 2乗して $\dfrac{\fbox{I}}{\fbox{J}}$ になるので、$x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}$ は $\dfrac{\fbox{I}}{\fbox{J}}$ の平方根であるから \begin{align} &x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}=\pm\sqrt{\dfrac{\fbox{I}}{\fbox{J}}}\\ \Leftrightarrow~&x+\dfrac{\fbox{C}}{\fbox{D}}=\pm\dfrac{\fbox{K}}{\fbox{L}}\\ \Leftrightarrow~&x=-\fbox{M}~,~~\dfrac{\fbox{N}}{\fbox{O}} \end{align} が解となる。
$\fbox{A}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{1}$、$\fbox{D}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{E}=\boldsymbol{1}$、$\fbox{F}=\boldsymbol{9}$、$\fbox{G}=\boldsymbol{1}$、$\fbox{H}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{I}=\boldsymbol{25}$、$\fbox{J}=\boldsymbol{9}$、$\fbox{K}=\boldsymbol{5}$、$\fbox{L}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{M}=\boldsymbol{2}$、$\fbox{N}=\boldsymbol{4}$、$\fbox{O}=\boldsymbol{3}$
以上のように、平方完成を利用すれば、一般の2次方程式を解くことができることがわかった。しかし、2次方程式を解くたびに平方完成を実行していたのでは大変なので、結果を公式化してみよう。
2次方程式の解の公式
$\bigcirc^2=3$ を満たす実数 $\bigcirc$ は、$\bigcirc=\pm\sqrt{3}$ であるが、$\bigcirc^2=-3$ を満たすような実数 $\bigcirc$ は存在しない。同様に、上の式変形での $\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2=\dfrac{b^2-4ac}{4a^2}$ において、右辺にある「$b^2-4ac$」の値が $0$ 以上ならば、この2次方程式は解をもつが、「$b^2-4ac$」の値が負ならば、この2次方程式は解をもたない。
この $b^2-4ac$ を2次方程式の判別式 (discriminant) といい、2次関数の場合と同じように $D$ で表す。
2次方程式の解の公式
$D=b^2-4ac\geqq0$ のとき、$ax^2+bx+c=0$ の解は \[x=\dfrac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\] である。
2次方程式を解く(解の公式の利用)
次の2次方程式を解け。
- $x^2+7x+2=0$
- $x^2+8x-3=0$
- $x^2-x-3=0$
- $x^2-4x+5=0$
- $4x^2+6x+1=0$
- $\dfrac{1}{6}x^2+\dfrac{1}{2}x-\dfrac{1}{3}=0$
- 解の公式より \begin{align} &x^2+7x+2=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{-7\pm\sqrt{7^2-4\cdot1\cdot2}}{2\cdot1}\\ &~=\boldsymbol{\dfrac{-7\pm\sqrt{41}}{2}} \end{align}
- 解の公式より \begin{align} &x^2+8x-3=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{-8\pm\sqrt{8^2-4\cdot1\cdot(-3)}}{2\cdot1}\\ &~=\dfrac{-8\pm2\sqrt{19}}{2}=\boldsymbol{-4\pm\sqrt{19}} \end{align}
- 解の公式より \begin{align} &x^2+x-3=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{1\pm\sqrt{(-1)^2-4\cdot1\cdot(-3)}}{2\cdot1}\\ &~=\boldsymbol{\dfrac{1\pm\sqrt{13}}{2}} \end{align}
- 解の公式より \begin{align} &x=\dfrac{4\pm\sqrt{(-4)^2-4\cdot1\cdot5}}{2\cdot1}\\ &~=\dfrac{4\pm\sqrt{-4}}{2} \end{align} $\sqrt{-4}$ が意味をもたないため、答えは解なし。
- 解の公式より \begin{align} &4x^2+6x+1=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{-6\pm\sqrt{6^2-4\cdot4\cdot1}}{2\cdot4}\\ &~=\dfrac{-6\pm2\sqrt{5}}{8} =\boldsymbol{\dfrac{-3\pm\sqrt{5}}{4}} \end{align}
- 方程式の両辺に $6$ を掛けて整理すると \[x^2+3x-2=0\] 解の公式より \begin{align} &x=\dfrac{-3\pm\sqrt{3^2-4\cdot1\cdot(-2)}}{2\cdot1}\\ &~=\boldsymbol{\dfrac{-3\pm\sqrt{17}}{2}} \end{align}
吹き出し無題
解の公式は暗記して、正確に使いこなせるようにしよう。
$x$の係数が偶数の場合の解の公式
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ において $b$ が偶数の場合を考えてみよう。$b=2b'$ とおいて、$ax^2+2b'x+c=0$ に解の公式を使うと次のようになる。
- 具体的な2次方程式 \begin{align} x^2+&8x+3=0\\ x=&\dfrac{-8\pm\sqrt{8^2-4\cdot1\cdot3}}{2}\\ =&\dfrac{-8\pm\sqrt{64-12}}{2}\\ =&\dfrac{-8\pm2\sqrt{13}}{2}\\ =&-4\pm\sqrt{13}\\ &\quad\blacktriangleleft 2で約分 \end{align}
- 一般の2次方程式 \begin{align} ax^2+&2b'x+c=0\\ x=&\dfrac{-2b'\pm\sqrt{(2b')^2-4ac}}{2a}\\ =&\dfrac{-2b'\pm\sqrt{4{b'}^2-4ac}}{2a}\\ =&\dfrac{-2b'\pm2\sqrt{{b'}^2-ac}}{2a}\\ =&\dfrac{-b'\pm\sqrt{{b'}^2-ac}}{a}\\ &\quad\blacktriangleleft 2で約分 \end{align}
$x$ の係数が偶数の場合の解の公式
$D\geqq0$ のとき、2次方程式 $ax^2+2b'x+c=0$ の解は \[x=\dfrac{-b'\pm\sqrt{{b'}^2-ac}}{a}\] である($D\lt0$ のときは解は存在しない)。
吹き出し無題
2次方程式 $ax^2+2b'x+c=0$ の判別式 $D$ は $D=(2b')^2-4ac=4(b'^2-ac)$ となるので、$D$ の符号だけ判断したいときには、$D/4=b'^2-ac$ を考えると計算が少し楽になる。
2次方程式を解く(解の公式の利用・$x$ の係数が偶数の場合)
次の2次方程式を解け。
- $x^2-6x+4=0$
- $\sqrt{2}x^2-4x-\sqrt{2}=0$
- $2(2-\sqrt{3})x^2+2(1-\sqrt{3})x+1=0$
- $x$ の係数が偶数の場合の解の公式より \begin{align} &x^2-6x+4=0\\ \Leftrightarrow~&x=3\pm\sqrt{(-3)^2-1\cdot4}=\boldsymbol{3\pm\sqrt{5}} \end{align} \begin{align} &\blacktriangleleft ax2+2b'x+c=0の解\\ &x=\dfrac{-{b'}\pm\sqrt{{b'}^2-ac}}{a} \end{align}
- 方程式の両辺に $\sqrt{2}$ を掛けて整理すると
\begin{align}
&2x^2-4\sqrt{2}x-2=0\\
\Leftrightarrow&x^2-2\sqrt{2}x-1=0
\end{align}
$\blacktriangleleft$ $x^2$ の係数は有理数にしておくとよい(解の分母を有理化しなくて済む)
$x$ の係数が偶数の場合の解の公式より \begin{align} x&=\sqrt{2}\pm\sqrt{(-\sqrt{2})^2-1\cdot(-1)}\\ &=\boldsymbol{\sqrt{2}\pm\sqrt{3}} \end{align} - 方程式の両辺に $2+\sqrt{3}$ を掛けて整理すると \begin{align} &2(4-3)x^2\\ &\quad+2(-1-\sqrt{3})x+(2+\sqrt{3})=0\\ \Leftrightarrow~&2x^2-2(1+\sqrt{3})x+2+\sqrt{3}=0 \end{align} $\blacktriangleleft$ まず $x^2$ の係数は有理数にしておくとよい(解の分母を有理化しなくて済む) $x$ の係数が偶数の場合の解の公式より \begin{align} x=&\bigg\{\left(1+\sqrt{3}\right)\pm\\ &\sqrt{\left\{-\left(1+\sqrt{3}\right)\right\}^2-2\cdot\left(2+\sqrt{3}\right)}\bigg\}\\ &\div2\\ =&\dfrac{1+\sqrt{3}\pm\sqrt{4+2\sqrt{3}-4-2\sqrt{3}}}{2}\\ =&\boldsymbol{\dfrac{1+\sqrt{3}}{2}} \end{align}
2次方程式の解の個数
解自体ではなく解の個数だけならば、判別式 $D$ を調べればよい。
2次方程式の判別式と解の個数
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解について
- $D=b^2−4ac\gt0$ のとき、解は2つ存在する。
$D=b^2−4ac=0$ のとき、解は1つ存在する。
このただ1つの解は重解 (multiple solution) とよばれる。
- $D=b^2−4ac\lt0$ のとき、解は存在しない。
吹き出し2次方程式の解の個数
$D=0$ のとき、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は \[x=\dfrac{-b+\sqrt{0}}{2a},~~\dfrac{-b-\sqrt{0}}{2a}\] であり、どちらも $x=-\dfrac{b}{2a}$ に等しい。本来2つあるはずの値が等しくなり、解が重なってしまったので、その解を重解とよぶのである。
2次方程式の解の個数の判別
2次方程式 $x^2-(k-1)x+\dfrac{1}{4}k^2+k+1=0$ の解の個数は、定数 $k$ の値によってどのように変わるか調べよ。
2次方程式 $x^2-(k-1)x+\dfrac{1}{4}k^2+k+1=0$ の判別式を $D$ とすると \begin{align} D&=\{-(k-1)\}^2-4\cdot1\cdot\left(\dfrac{1}{4}k^2+k+1\right)\\ &=k^2-2k+1-k^2-4k-4\\ &=-6k-3 \end{align}
$-6k-3\gt0$、つまり $k\lt-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D\gt0$ となり、方程式の解は2つ存在する。
$-6k-3=0$、つまり $k=-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D=0$ となり、方程式の解は1つ存在する。
$\blacktriangleleft$つまり重解をもつ$-6k-3\lt0$、つまり $k\gt-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D\lt0$ となり、方程式の解は存在しない。
- $\boldsymbol{k\lt-\dfrac{1}{2}のとき2個}$
- $\boldsymbol{k=-\dfrac{1}{2}のとき1個}$
- $\boldsymbol{k\gt-\dfrac{1}{2}のとき0個}$
2次方程式の解の個数の判別($x$の係数が偶数の場合)
2次方程式 $3x^2-2(m+1)x+\dfrac{1}{3}m^2+m=0$ の解の個数は、定数 $m$ の値によってどのように変わるか調べよ。
2次方程式 $3x^2-2(m+1)x+\dfrac{1}{3}m^2+m=0$ の判別式を $D$ とすると \begin{align} \frac{D}{4}=&\{-(m+1)\}^2-3\cdot\left(\dfrac{1}{3}m^2+m\right)\\ =&m^2+2m+1-m^2-3m\\ =&-m+1 \end{align} $\blacktriangleleft$ $x$ の係数が偶数の場合の解の公式参照
$-m+1\gt0$、つまり $m\lt1$ のとき
$\dfrac{D}{4}\gt0$ となり、方程式の解は2つ存在する。
$-m+1=0$、つまり $m=1$ のとき
$\dfrac{D}{4}=0$ となり、方程式の解は1つ存在する。
$\blacktriangleleft$ 重解をもつ$-m+1\lt0$、つまり $m\gt1$ のとき
$\dfrac{D}{4}\lt0$ となり、方程式の解は存在しない。
- $\boldsymbol{m\lt1のとき2個}$
- $\boldsymbol{m=1のとき1個}$
- $\boldsymbol{m\gt1のとき0個}$
2次方程式の解と因数分解
ここまで、2次方程式の解法が2つあることをみてきたが、その2つを見比べてみよう。
- 因数分解を利用した解法 \begin{align} &x^2-3x-18=0\\ &(x-6)(x+3)=0\\ &\quad\blacktriangleleft 左辺の因数分解\\ &x=6,-3\\ &\quad\blacktriangleleft 方程式の解 \end{align}
- 解の公式を用いた解法 \begin{align} &x^2-5x-3\\ &???\\ &\quad\blacktriangleleft 左辺の因数分解\\ &x=\dfrac{5\pm\sqrt{5^2-4\cdot 1\cdot(-3)}}{2}\\ &\quad=\dfrac{5\pm\sqrt{37}}{2}\\ &\quad\blacktriangleleft 方程式の解 \end{align}
一般に、2解
$=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta$ が成立する。ここで
\begin{align}
x^2+ax+b=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta
\end{align}
の係数を比較すると、次のようになる。
解と係数の関係
2次方程式 $x^2+ax+b=0$ に2解 $\alpha$、$\beta$ が存在するとき \[\alpha+\beta=-a~,~\alpha\beta=b\] が成立する。
吹き出し2次方程式の解と因数分解
解を足したら $x$ 係数にマイナスをつけたもの、解を掛けたら定数項になると覚えよう。
なお、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2解が $\alpha$、$\beta$ の場合には、この方程式全体を $a$ で割ることによって、$x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{c}{a}=0$ としてから考えればよい。つまり、$\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a}$、$\alpha\beta=\dfrac{c}{a}$ となる。
解と係数の関係
2次方程式 $2x^2+ax+b=0$ の2解が $x=\dfrac{1}{2}$、$-1$ であったとき、$a$、$b$ を求めよ。
$2x^2+ax+b=0$ の両辺を $2$ で割って、
\[x^2+\dfrac{a}{2}x+\dfrac{b}{2}=0\]
となる。この2次方程式の2解が $x=\dfrac{1}{2}$、$-1$ になるので
\[\dfrac{1}{2}+(-1)=-\dfrac{a}{2}~,~\dfrac{1}{2}\times(-1)=\dfrac{b}{2}\]
$\blacktriangleleft~-\dfrac{a}{2}$の符号に注意
これより、$\boldsymbol{a=1,~b=-1}$ である。
$\blacktriangleleft$実際に $2x^2+x-1=0$ を解いて確認しよう
2次方程式と2次関数の関係
2次関数から2次方程式を考える
2次関数 $f(x)=ax^2+bx+c$ において、2次関数の判別式 $D=b^2−4ac$ が $0$ 以上であれば、放物線 $y=f(x)$ が $x$ 軸と共有点をもつ。
$\blacktriangleleft$ 判別式 $D$ と放物線の関係このとき、「共有点の $x$ 座標」を求めることを考えてみよう。
たとえば、2次関数 $f(x)=x^2-x-2$ について、放物線 $y=f(x)$ と $x$ 軸の共有点の座標を求めてみよう。
$y=x^2-x-2$ のグラフ
$y=f(x)=x^2-x-2$ における判別式 $D$ の値は \begin{align} D=&1^2-4\times1\times(-2)\\ =&9>0 \end{align} と計算できるので、$y=f(x)$ のグラフは $x$ 軸と2つの共有点をもつのがわかる。
グラフと $x$ 軸との共有点
このグラフによる $x$ 軸との共有点の $y$ 座標は $0$ である。よって、共有点の $x$ 座標は \[x^2-x-2=0\] という2次方程式の解である。この方程式の解は、左辺を因数分解することにより \begin{align} &(x+1)(x-2)=0\\ \Leftrightarrow&x+1=0~,~x-2=0\\ \Leftrightarrow&x=-1~,~x=2 \end{align} と求めることができる。
つまり、$y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標は $-1$ と $2$ である。
暗記2次関数から2次方程式を考える
$y=x^2-3x-3$ のグラフ
グラフと $x$ 軸との共有点
2次関数 $f(x)=x^2-3x-3$ について、放物線 $y=f(x)$ と $x$ 軸の共有点の座標を求めたい。次の空欄に適当な数字を入れよ。
$y=f(x)=x^2-3x-3$ における判別式 $D$ の値は \[D=\fbox{A}\gt0\] と計算できるので、$y=f(x)$ のグラフは $x$ 軸と2つの共有点をもつのがわかる。
このグラフによる $x$ 軸との共有点の $y$ 座標は $\fbox{B}$ である。よって、共有点の $x$ 座標は \[x^2-3x-3=\fbox{B}\] という2次方程式の解である。
この式は簡単には因数分解できないので、解の公式を用いて解を求める。
$\blacktriangleleft$2次方程式の解の公式参照\[x=\dfrac{\fbox{C}\pm\sqrt{\fbox{A}}}{\fbox{D}}\] すなわち、$y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標は $\dfrac{\fbox{C}-\sqrt{\fbox{A}}}{\fbox{D}}$ と $\dfrac{\fbox{C}+\sqrt{\fbox{A}}}{\fbox{D}}$ である。
$\fbox{A}=\boldsymbol{21}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{0}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{3}$、$\fbox{D}=\boldsymbol{2}$
$\blacktriangleleft~\fbox{A}$の計算 $D=(-3)^2-4\cdot1\cdot(-3)=21$
$\blacktriangleleft~\fbox{C}$、$\fbox{A}$、$\fbox{D}$の計算 $x=\dfrac{-(-3)\pm\sqrt{21}}{2\cdot1}=\dfrac{3\pm\sqrt{21}}{2}$
放物線と $x$ 軸との共有点
グラフと $x$ 軸との共有点
判別式 $D$ が $0$ 以上である2次関数
\[y=\color{red}{ax^2+bx+c}\]
のグラフと $x$ 軸 $(y=0)$ との共有点の $x$ 座標は
2次方程式
\[\color{red}{ax^2+bx+c}=0\]
の解である。
放物線と $x$ 軸との共有点を調べる
次の放物線の、$x$ 軸との共有点の数を調べよ。また、$x$ 軸との共有点があれば、その共有点の座標を求めよ。
- $y=x^2-x-1$
- $y=-4x^2+4x-1$
- $y=x^2-x+1$
判別式を $D$ とすると \[D=(-1)^2-4\cdot(-1)=5\gt0\] なので、$\boldsymbol{x}$軸と2つの共有点をもつ。
また \begin{align} &x^2-x-1=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{1\pm\sqrt{5}}{2} \end{align} $\blacktriangleleft$ 2次方程式の解の公式
だから、このグラフと $x$ 軸の共有点の座標は$\boldsymbol{\left(\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}~,~0\right)}、\boldsymbol{\left(\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}~,~0\right)}$となる。判別式を $D$ とすると \[\dfrac{D}{4}=2^2-(-4)\cdot(-1)=0\] $\blacktriangleleft$ または$D=4^2-4\cdot(-4)\cdot(-1)=0$
なので、$\boldsymbol{x}$軸と1つの共有点をもつ(接する)。また \begin{align} &-4x^2+4x-1=0\\ \Leftrightarrow~&4x^2-4x+1=0\\ \Leftrightarrow~&(2x-1)^2=0\\ \Leftrightarrow~&x=\dfrac{1}{2} \end{align} だから、このグラフと $x$ 軸の共有点の座標は$\boldsymbol{\left(\dfrac{1}{2}~,~0\right)}$となる。
判別式を $D$ とすると \[D=(-1)^2-4=-3\lt0\] なので、$\boldsymbol{x}$軸と共有点をもたない。
$x$ 軸と接するための条件
2次関数 $y=4x^2+2(k-1)x-k+4$ のグラフが $x$ 軸と接するように、定数 $k$ の値を定めよ。
2次関数 $y=4x^2+2(k-1)x-k+4$ の判別式を $D$ とすると
\begin{align}
\dfrac{D}{4}=&(k-1)^2-4(-k+4)\\
=&k^2-2k+1+4k-16\\
=&k^2+2k-15
\end{align}
$\blacktriangleleft$ または $D=4k^2+8k-60$
放物線が $x$ 軸と接するのは $D=0$ のときであるから
$\blacktriangleleft$ 判別式 $D$ と放物線の関係参照
\begin{align}
&k^2+2k-15=0\\
\Leftrightarrow~&(k+5)(k-3)=0\\
\therefore~&\boldsymbol{k=-5~,~3}
\end{align}
\begin{align}
{\blacktriangleleft}&k=-5\rightarrow~y=2\left(x-\frac{3}{2}\right)^2\\
&k=3~\rightarrow~y=2\left(x+\frac12\right)^2
\end{align}
になる
2次関数の決定において、$x$ 軸との共有点がわかっている場合を考えてみよう。
放物線 $y=ax^2+bx+c$ と $x$ 軸との交点の $x$ 座標が $-3$、$1$ であったとする。このとき、放物線と $x$ 軸との共有点で学んだように、$ax^2+bx+c=0$ の解も $-3$、$1$ である。
さらに、解と係数の関係で学んだことを用いると「方程式 $ax^2+bx+c=0$」と「方程式 $(x+3)(x-1)=0$」は一致している。$x^2$ の係数をあわせて、$ax^2+bx+c=a(x+3)(x-1)$ とわかる。
2次関数の決定($x$ 軸との交点の座標が与えられた場合)
グラフと $x$ 軸との交点の座標が $(-1,~0)$、$(2,~0)$ であり、点 $(1,~-2)$ を通る2次関数の式を求めよ。
$x$ 軸との交点の $x$ 座標が $-1$、$2$ なので、求める2次関数は \[y=a(x+1)(x-2)\tag{1}\label{2jikansukara2jihotesikiwokangaeru}\] とおける。
また、この2次関数は $(1,~-2)$ を通るので,$\eqref{2jikansukara2jihotesikiwokangaeru}$より \[-2=a(1+1)(1-2)\] を得る。これより、$a=1$ となるので、求める2次関数は $y=(x+1)(x-2)$、つまり \[\boldsymbol{y=x^2-x-2}\] となる。
2次方程式から2次関数を考える
次は、2次関数から2次方程式を考えてみよう。「放物線と $x$ 軸との共有点」を逆に考えれば、次のことがわかる。
2次方程式の解をグラフに表す
グラフと $x$ 軸との共有点
判別式 $D$ が $0$ 以上である2次方程式 \[\color{red}{ax^2+bx+c}=0\] の解は、2次関数 \[y=\color{red}{ax^2+bx+c}\] のグラフと $x$ 軸との「共有点の $x$ 座標」に表れる。
この事実について、もう少し深く考察してみよう。
たとえば、2次方程式 \[4x^2-12x+9=0\tag{1}\label{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru1}\] の解について考える。 ここで、上の2次方程式の左辺を $y$ とおいた2次関数 \[y=4x^2-12x+9\tag{2}\label{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru2}\] のグラフと、$x$ 軸との交点の $x$ 座標は、方程式 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru1}$ の解と一致する。
なぜなら、この $x$座標は、2次関数の式 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru2}$ に $y=0$ を代入した \[4x^2-12x+9=0\] を解くことによって求められるからである。
グラフと $x$ 軸との共有点
いま、この2次関数 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru2}$ の判別式 $D$ は \begin{align} D=&(-12)^2-4\times4\times9\\ =&144-144=0 \end{align} となるので、この放物線は $x$ 軸と1つの共有点をもつ。
実際、この2次方程式を因数分解してみると \begin{align} &4x^2-12x+9=0\\ \Leftrightarrow~&(2x-3)^2=0\\ \Leftrightarrow~&2x-3=0 \end{align} より、$x=\dfrac{3}{2}$ となり、これが $x$ 軸との交点の $x$ 座標となっている。
暗記2次方程式から2次関数を考える
2次方程式から2次関数を考える
次の空欄に適当な数字または文字を入れよ。
2次方程式 \[x^2-4x+5=0\tag{3}\label{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru3}\] の解について考える。
ここで、上の2次方程式の「左辺を $y$ とおいた2次関数」 \[\fbox{A}=x^2-4x+5\tag{4}\label{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru4}\] のグラフと、$x$ 軸との交点の $x$ 座標は、方程式 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru3}$ の解と一致する。
なぜなら、この $x$ 座標は、2次関数の式 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru4}$ に $\fbox{A}=\fbox{B}$ を代入した \[x^2-4x+5=\fbox{B}\] を解くことによって求めるからである。
いま、この2次関数 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru4}$ の判別式 $D$ は \[D=\fbox{C}\lt0\] となるので、この放物線は $x$ 軸と共有点をもたない。
実際、2次方程式 $\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru3}$ の判別式も \[D=\fbox{C}\lt0\] となり、$\eqref{2jihotesikikara2jikansuwokangaeru3}$を満たす実数 $x$ は存在しないことがわかる。
$\fbox{A}=\boldsymbol{y}$、$\fbox{B}=\boldsymbol{0}$、$\fbox{C}=\boldsymbol{-4}$
${\blacktriangleleft}~\fbox{C}$ の計算
\[D=(-4)^2-4\cdot1\cdot5=16-20=-4\]
以上のことから、次のことがまとめられる。
「2次方程式の解」と「2次関数のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標」の対応
グラフと $x$ 軸との共有点
2次方程式 \[\color{red}{ax^2+bx+c}=0\] の解は、この式の左辺を $y$ とおいた2次関数 \[y=\color{red}{ax^2+bx+c}\] のグラフと $x$ 軸との交点の $x$ 座標と一致する。
判別式 $D=b^2-4ac$ の符号と、2次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフと $x$ 軸との位置関係、および2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解の個数について、次のようにまとめられる。
「2次方程式の解」と「2次関数のグラフと $x$ 軸との共有点の $x$ 座標」の対応の表
連立方程式と関数
曲線の交点
放物線 $y=x^2-4x+5$ と直線 $y=2x-3$ の交点の座標 $(x,~y)$ は \begin{align} &y=x^2-4x+5\tag{1}\label{kyokusennokouten1}\\ &y=2x-3\tag{2}\label{kyokusennokouten2} \end{align} を同時に満たす $(x,~y)$ であり、連立方程式 $\eqref{kyokusennokouten1}$、$\eqref{kyokusennokouten2}$ を解けば求められる。
$y=x^2-4x+5$ と $y=2x-3$ のグラフ
$\eqref{kyokusennokouten1}$ を $\eqref{kyokusennokouten2}$ の左辺に代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-4x+5=2x-3\\ \Leftrightarrow~&x^2-6x+8=0\\ \therefore~~&x=2,~4 \end{align} となる。そこで $y$ を求めれば
- $x=2$ のとき $\eqref{kyokusennokouten2}$ より $y=1$
- $x=4$ のとき $\eqref{kyokusennokouten2}$ より $y=5$
放物線と直線・放物線の交点
放物線 $C:y=x^2-2x+3$ について
- 直線 $L_1:y=-x+5$ との交点を求め、$C$ と $L_1$ のグラフを描け。
- 放物線 $C_1:y=-x^2-x+6$ との交点を求め、$C$ と $C_1$ のグラフを描け。
- 直線 $L_2:y=-2x-k$ との共有点が1つであるように、$k$ の値を定めよ。また、そのときの $C$ と $L_2$ のグラフを描け。
- 放物線 $C_2:y=3x^2+2ax+a+4$ との共有点が1つであるように、$a$ の値を定めよ。また、そのときの $C$ と $C_2$ のグラフを描け。
$C$ と $L_1$ の交点の座標は、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-x+5 \end{cases} の解に一致する。
$y=-x+5$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-2x+3=-x+5\\ \Leftrightarrow~&x^2-x-2=0\\ \therefore~~&x=2,~-1 \end{align}
となる。$y=-x+5$ に代入して $y$ を求めれば- $x=-1$ のとき $y=6$
- $x=2$ のとき $y=3$
グラフは。右図のようになる。
$C$ と $C_1$ の交点の座標は、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-x^2-x+6 \end{cases} の解に一致する。
$y=-x^2-x+6$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-2x+3=-x^2-x+6\\ \Leftrightarrow~&2x^2-x-3=0\\ \therefore~~&x=\dfrac{3}{2},~-1 \end{align}
となる。$y=-x^2-x+6$ によって $y$ を求めれば- $x=\dfrac{3}{2}$ のとき $y=\dfrac{9}{4}$
- $x=-1$ のとき $y=6$
グラフは、右図のようになる。
2つのグラフの共有点が1つであるには、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-2x-k \end{cases} の解が重解であればよい。
$y=-2x-k$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入して \begin{align} &x^2 -2x+3 =-2x-k\\ \Leftrightarrow~&x^2+3+k=0 \end{align} となる。$x^2+3+k=0$ の判別式を $D$ が $0$ となればよいので、
${\blacktriangleleft}~x$ の係数は $0$ である。 \begin{align} &\dfrac{D}{4}=0^2-1\cdot(3+k)=0\\ \therefore~~&\boldsymbol{k=-3} \end{align} このとき、直線 $L_2$ を表す式は $y=-2x+3$ となる。また、$C$ と $L_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-2x+3 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(0,~3)$。
つまり、グラフは右図のようになる。
2つのグラフの共有点が1つであるには、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2+2ax+a+4 \end{cases} の解が重解であればよい。
$y=3x^2+2ax+a+4$ の左辺へ $y=x^2-2x+3$ を代入して \begin{align} &x^2-2x+3=3x^2+2ax+a+4\\ \Leftrightarrow~&2x^2+(2a+2)x+a+1=0 \end{align} となる。$2x^2+(2a+2)x+a+1=0$ の判別式を $D$ が $0$ となればよいので、 \begin{align} &\dfrac{D}{4}=(a+1)^2-2\cdot(a+1)=0\\ &a^2-1=0\\ \therefore~~&\boldsymbol{a=1,~-1} \end{align}
$a=1$ のとき
放物線 $C_2$ を表す式は $y=3x^2+2x+5$ となる。$C$ と $C_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2+2x+5 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(-1,~6)$。グラフは、右図のようになる。
$a=-1$ のとき
放物線 $C_2$ を表す式は $y=3x^2-2x+3$ となる。$C$ と $C_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2-2x+3 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(0,~3)$。グラフは、右図のようになる。
放物線と直線、放物線と放物線の共有点が1点のとき、その2つのグラフはその点で接するといい、その共有点を接点という。
たとえば上の例題の3では、直線 $L_2$ と放物線 $C$ は接していて、その接点は $(0,~3)$ である。