連立方程式と関数
曲線の交点
放物線 $y=x^2-4x+5$ と直線 $y=2x-3$ の交点の座標 $(x,~y)$ は \begin{align} &y=x^2-4x+5\tag{1}\label{kyokusennokouten1}\\ &y=2x-3\tag{2}\label{kyokusennokouten2} \end{align} を同時に満たす $(x,~y)$ であり、連立方程式 $\eqref{kyokusennokouten1}$、$\eqref{kyokusennokouten2}$ を解けば求められる。
$y=x^2-4x+5$ と $y=2x-3$ のグラフ
$\eqref{kyokusennokouten1}$ を $\eqref{kyokusennokouten2}$ の左辺に代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-4x+5=2x-3\\ \Leftrightarrow~&x^2-6x+8=0\\ \therefore~~&x=2,~4 \end{align} となる。そこで $y$ を求めれば
- $x=2$ のとき $\eqref{kyokusennokouten2}$ より $y=1$
- $x=4$ のとき $\eqref{kyokusennokouten2}$ より $y=5$
放物線と直線・放物線の交点
放物線 $C:y=x^2-2x+3$ について
- 直線 $L_1:y=-x+5$ との交点を求め、$C$ と $L_1$ のグラフを描け。
- 放物線 $C_1:y=-x^2-x+6$ との交点を求め、$C$ と $C_1$ のグラフを描け。
- 直線 $L_2:y=-2x-k$ との共有点が1つであるように、$k$ の値を定めよ。また、そのときの $C$ と $L_2$ のグラフを描け。
- 放物線 $C_2:y=3x^2+2ax+a+4$ との共有点が1つであるように、$a$ の値を定めよ。また、そのときの $C$ と $C_2$ のグラフを描け。
$C$ と $L_1$ の交点の座標は、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-x+5 \end{cases} の解に一致する。
$y=-x+5$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-2x+3=-x+5\\ \Leftrightarrow~&x^2-x-2=0\\ \therefore~~&x=2,~-1 \end{align}
となる。$y=-x+5$ に代入して $y$ を求めれば- $x=-1$ のとき $y=6$
- $x=2$ のとき $y=3$
グラフは。右図のようになる。
$C$ と $C_1$ の交点の座標は、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-x^2-x+6 \end{cases} の解に一致する。
$y=-x^2-x+6$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入してこれを解くと \begin{align} &x^2-2x+3=-x^2-x+6\\ \Leftrightarrow~&2x^2-x-3=0\\ \therefore~~&x=\dfrac{3}{2},~-1 \end{align}
となる。$y=-x^2-x+6$ によって $y$ を求めれば- $x=\dfrac{3}{2}$ のとき $y=\dfrac{9}{4}$
- $x=-1$ のとき $y=6$
グラフは、右図のようになる。
2つのグラフの共有点が1つであるには、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-2x-k \end{cases} の解が重解であればよい。
$y=-2x-k$ の左辺に $y=x^2-2x+3$ を代入して \begin{align} &x^2 -2x+3 =-2x-k\\ \Leftrightarrow~&x^2+3+k=0 \end{align} となる。$x^2+3+k=0$ の判別式を $D$ が $0$ となればよいので、
${\blacktriangleleft}~x$ の係数は $0$ である。 \begin{align} &\dfrac{D}{4}=0^2-1\cdot(3+k)=0\\ \therefore~~&\boldsymbol{k=-3} \end{align} このとき、直線 $L_2$ を表す式は $y=-2x+3$ となる。また、$C$ と $L_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=-2x+3 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(0,~3)$。
つまり、グラフは右図のようになる。
2つのグラフの共有点が1つであるには、連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2+2ax+a+4 \end{cases} の解が重解であればよい。
$y=3x^2+2ax+a+4$ の左辺へ $y=x^2-2x+3$ を代入して \begin{align} &x^2-2x+3=3x^2+2ax+a+4\\ \Leftrightarrow~&2x^2+(2a+2)x+a+1=0 \end{align} となる。$2x^2+(2a+2)x+a+1=0$ の判別式を $D$ が $0$ となればよいので、 \begin{align} &\dfrac{D}{4}=(a+1)^2-2\cdot(a+1)=0\\ &a^2-1=0\\ \therefore~~&\boldsymbol{a=1,~-1} \end{align}
$a=1$ のとき
放物線 $C_2$ を表す式は $y=3x^2+2x+5$ となる。$C$ と $C_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2+2x+5 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(-1,~6)$。グラフは、右図のようになる。
$a=-1$ のとき
放物線 $C_2$ を表す式は $y=3x^2-2x+3$ となる。$C$ と $C_2$ の共有点は、再び連立方程式 \begin{cases} y=x^2-2x+3\\ y=3x^2-2x+3 \end{cases} を解いて $(x,~y)=(0,~3)$。グラフは、右図のようになる。
放物線と直線、放物線と放物線の共有点が1点のとき、その2つのグラフはその点で接するといい、その共有点を接点という。
たとえば上の例題の3では、直線 $L_2$ と放物線 $C$ は接していて、その接点は $(0,~3)$ である。