三角比の値
三角比の値
正接と正弦および余弦をまとめて、三角比 (trigonometric ratio) という。いろいろな角度に関する三角比の値を三角比の表にまとめてある。
この表よりたとえば、$\cos40^\circ$ の値は約 $0.766$、また $\sin{A}=0.97$ のときの $A$ の大きさは約 $76^\circ$ とわかる。
暗記三角比の値
次の問に答えよ。
- 3辺の長さが $1$、$2$、$\sqrt{3}$ の直角三角形を用い、$\sin30^\circ$、$\cos30^\circ$、$\tan30^\circ$ を求めよ。また、$\sin60^\circ$、$\cos60^\circ$、$\tan60^\circ$ を求めよ。
- 3辺の長さが $1$、$1$、$\sqrt{2}$ の直角三角形を用い、$\sin45^\circ$、$\cos45^\circ$、$\tan45^\circ$ を求めよ。
- 次の直角三角形より \begin{align} &\sin30^\circ=\boldsymbol{\dfrac{1}{2}}\\ &\cos30^\circ=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{3}}{2}}\\ &\tan30^\circ=\dfrac{1}{\sqrt{3}}=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{3}}{3}} \end{align} また、次の図のように向きを変えて \begin{align} &\sin60^\circ=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{3}}{2}}\\ &\cos60^\circ=\boldsymbol{\dfrac{1}{2}}\\ &\tan60^\circ=\dfrac{\sqrt{3}}{1}=\boldsymbol{\sqrt{3}} \end{align}
- 次の直角三角形より \begin{align} &\sin45^\circ=\dfrac{1}{\sqrt{2}}=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}\\ &\cos45^\circ=\dfrac{1}{\sqrt{2}}=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}\\ &\tan45^\circ=\dfrac{1}{1}=\boldsymbol{1} \end{align}
吹き出し三角比の値
上の例題で導いた $30^\circ$、$45^\circ$、$60^\circ$ は有名角といい、これらの三角比の値は、瞬時に引き出せるようにしておこう。
三角比どうしの関係
- $\angle\text{C}=90^\circ$ である直角三角形 $\text{ABC}$ について、次の問に答えよ。
- $\sin{A}=\dfrac{2}{3}$ であったとする。斜辺の長さが $c=3$ であるとき、他の2辺の長さを求めよ。
- a の三角形を利用して、$\cos{A}$、$\tan{A}$ の値を求めよ。
- 上の1 のやり方をまねて、次の問に答えよ。ただし、$0^\circ\lt{A}\lt90^\circ$ である。
- $\sin{A}=\dfrac{3}{5}$ のとき、$\cos{A}$、$\tan{A}$ の値を求めよ。
- $\cos{A}=\dfrac{1}{3}$ のとき、$\sin{A}$、$\tan{A}$ の値を求めよ。
- $\tan{A}=7$ のとき、$\cos{A}$、$\sin{A}$ の値を求めよ。
- 直角三角形 $\text{ABC}$ を図のように考える。 $\sin{A}$ の値は $\dfrac{a}{c}$ に等しく、$c=3$ より $a=2$。このとき、三平方の定理より $2^2+b^2=3^2$ であるから \[b=\sqrt{3^2-2^2}=\sqrt{5}\] である。よって、直角三角形 $\text{ABC}$ の他の2辺の長さは、$\boldsymbol{a=2}$、$\boldsymbol{b=\sqrt{5}}$ である。
- a で求めた値を書き込めば図のようになる。 これに $\cos$、$\tan$ の定義を用いれば \begin{align} &\boldsymbol{\cos{A}=\dfrac{\sqrt{5}}{3}}\\ &\tan{A}=\dfrac{2}{\sqrt{5}}=\boldsymbol{\dfrac{2\sqrt{5}}{5}} \end{align} である。
- $\sin{A}=\dfrac{3}{5}$ となる直角三角形の1つとして、次の図が考えられる。 このとき、底辺の長さを $x$ とすると、三平方の定理より $x^2+3^2=5^2$ であるから \[x=\sqrt{5^2-3^2}=4\] よって、$\boldsymbol{\cos{A}=\dfrac{4}{5}}$、$\boldsymbol{\tan{A}=\dfrac{3}{4}}$ となる。
- $\cos{A}=\dfrac{1}{3}$ となる直角三角形の1つとして、次の図が考えられる。 このとき、対辺の長さを $y$ とすると、三平方の定理より $1^2+y^2=3^2$ であるから \[y=\sqrt{3^2-1^2}=2\sqrt{2}\] よって、次のように求められる。 \begin{align} &\boldsymbol{\sin{A}=\dfrac{2\sqrt{2}}{3}}\\ &\tan{A}=\dfrac{2\sqrt{2}}{1}=\boldsymbol{2\sqrt{2}} \end{align}
- $\tan{A}=7$ となる直角三角形の1つとして、次の図が考えられる。 このとき、斜辺の長さを $z$ とすると、三平方の定理より $1^2+7^2=z^2$ であるから \[z=\sqrt{1^2+7^2}=5\sqrt{2}\] よって、次のように求められる。 \begin{align} &\cos{A}=\dfrac{1}{5\sqrt{2}}=\boldsymbol{\dfrac{\sqrt{2}}{10}}\\ &\sin{A}=\dfrac{7}{5\sqrt{2}}=\boldsymbol{\dfrac{7\sqrt{2}}{10}} \end{align}