Σの性質
Σの性質
Σ を導入した理由は,数列の和を簡単に取り扱うためであった.つまり,
3+1,6+4,9+9,⋯,3n+n2のような等差数列でも等比数列でもない数列についても和を考えやすくするためである.その際,よく利用される Σ の計算法則があるので,まずはその計算法則を確認しよう. Σ 記号に関して,次のことが成り立つ.
Σ 記号の性質
- n∑k=1(ak+bk)=n∑k=1ak+n∑k=1bk
- n∑k=1cak=cn∑k=1ak(cは定数)
【証明】
-
n∑k=1(ak+bk)= (a1+b1)+(a2+b2)+(a3+b3)+⋯+(an−1+bn−1)+(an+bn)= (a1+a2+a3+⋯+an−1+an) (b1+b2+b3+⋯+bn−1+bn)= n∑k=1ak+n∑k=1bk
n∑k=1cak= ca1+ca2+ca3+⋯+can−1+can= c(a1+a2+a3+⋯+an−1+an)= cn∑k=1ak
吹き出し無題
これらは,それぞれ
- Σ 記号は和のところで分配できる
- Σ 記号内の実数倍は Σ 記号の ˙表˙に˙出˙る
と意味をもたせて覚えるとよい.
この性質を利用すると,数列 (1) の第 n 項までの和は
n∑k=1(3k+k2)=3n∑k=1k+n∑k=1k2と簡単にすることができる.
あとは n∑k=1k や n∑k=1k2 がわかれば,数列 (1) の和を求めることができるわけであるが,これら n∑k=1k や n∑k=1k2 については次の Σ 記号の公式 でまとめて学習することにしよう.