命題の「または」

命題の「または」

2つの命題 $p,q$ に対して、「$p,q$ の少なくとも一方は真である」という命題を
「$p$ または $q$ ($p$ or $q$)」
と表す。

吹き出し命題の「または」

命題「$p$ または $q$」は、日常で使う「または」の意味とは少々異なることに注意がいる。命題の「または」が“少なくとも一方は”という意味なのに対し、日常語での「または」では “どちらか一方”の意味で使われることが多い。論理学では「${p}\vee{q}$」と表し、日常語と区別している。

この新しい命題「$p$ または $q$」の真偽値表は、次のようになる。

$p$$q$$p$ または $q$

例えば、命題 $p,q$ をそれぞれ

  • $p:$「ペンギンは鳥類である」 (真)
  • $q:$「$2$ は $1$ より小さい」 (偽)
としたとき、「$p$ または $q$」つまり「ペンギンは鳥類であるか、または、$2$ は $1$ より小さい」の真偽は、$p,q$ のうち $p$ が真であるから、全体として真となる。

命題の「かつ」と「または」

次のそれぞれにおいて、「$p$ かつ $q$」と「$p$ または $q$」の真偽を答えよ。

    • $p:\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{2}{5}$
    • $q:\dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{3}=\dfrac{1}{6}$
    • $p:2^{16}=65536$
    • $q:2^{10}=1024$
    • $p:1+1=1$
    • $q:1\times1=2$

  1. $\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{5}{6}$ なので、命題 $p$ は偽であり、また、命題 $q$ は真である。よって

    「$p$ かつ $q$」は

    「$p$ または $q$」は

  2. 命題 $p$ は真であり、命題 $q$ も真である。よって

    「$p$ かつ $q$」は

    「$p$ または $q$」は

  3. 命題 $p$ は偽であり、命題 $q$ も偽である。よって

    「$p$ かつ $q$」は

    「$p$ または $q$」は