ボールと箱のモデル2

無題

無題

例えば, $_{5}\Pi_{3}$ の定義は

「区別する5個のものから,繰り返し用いることを許して,3個とりだして1列に並べるときの並べ方の総数」

であったが,これはボールと箱のモデルを使って

「区別する3個のボールを,区別する5個の箱に配る(何個でもよい)場合の総数」

といいかえることができる.それには,次のように考えるとよい.

準備として,ボールは区別するので番号をつけ,それを①,②,③とし, 箱も区別するので番号をつけ,それをとしておく.

まず,ボール①を箱に配ることを考えると,箱は5つあるので5通りの場合がある.

次に,ボール②を箱に配ることを考えると,箱には何個でもボールを入れてよいので,このときも5通りの場合がある.

さらに,ボール③を箱に配ることを考えると,同じように5通りの場合がある.

以上から,ボールの箱への配り方は $5\times5\times5$ 通りあり,これは $_{5}\Pi_{3}$ と一致する.

一般に,次のようにまとめることができる.

重複順列 $_{n}\Pi_{r}$ のボールと箱のモデル

重複順列 $_{n}\Pi_{r}$ はボールと箱のモデルを用いて

「区別する $r$ 個のボールを,区別する $n$ 個の箱に配る(何個でもよい)場合の総数」

と考えることができる.

重複順列~その2~

4桁の電話番号は0000から9999まで10000通りある. このうち,0007や3556のように同じ数字が連続しているものは何通りあるか. また,数字の1と6の両方を含むものは何通りあるか.

10000通りの電話番号を全体集合 $U$ として, $X$ を

\[X:同じ数字が連続しているもの\]

とおく.まず $\overline{X}$ ,すなわち同じ数字が連続していないものについて考える.

左から順に数字を並べたとき,はじめの数字はなんでもよいので10通りあり, 左から2番目の数字は今並べた数字とは同じにならないようにするため9通りある. 左から3番目,4番目も同様に9通りあるので

\[n(\overline{X})=10\times9^3=7290\]

よって

\begin{align} n(X)=&\ n(U)-n(\overline{X})\\ =&\ 10000-7290\\ =&\ \boldsymbol{2710} \end{align}
$\blacktriangleleft$ 補集合の要素の個数

通り

また

\[A:数字の1を含む\] \[B:数字の6を含む\]

とおくと, $\overline{A}$ ,すなわち数字の1を含まないものは $9^4$ 通りあり, $\overline{B}$ ,すなわち数字の6を含まないものも同様に $9^4$ 通りあり, $\overline{A}\cap\overline{B}$ ,すなわち数字の1と6を含まないものは $8^4$ 通りあるので

\begin{align} n(A\cap{B}) =&\ n(U)-n(\overline{A\cap{B}})\\ =&\ n(U)-n(\overline{A}\cup\overline{B}) \\ =&\ n(U)-\\ &\left\{n(\overline{A})+n(\overline{B})-n(\overline{A}\cap{\overline{B}})\right\}\\ =&\ 10000-(9^4+9^4-8^4)\\ =&\ \boldsymbol{974} \end{align}
$\blacktriangleleft$ 補集合の要素の個数

$\blacktriangleleft$ ド・モルガンの法則

$\blacktriangleleft$ 包含と排除の原理

通り