数列の一般項
さきほどの例では,10日目にはいったい何円貯金しなければならないだろうか?
実際に数列を書き並べて
\begin{align} &\boxed1\ \boxed2\ \ \boxed3\ \boxed4\ \ \boxed5\ \boxed6\ \ \boxed7\ \boxed8\ \ \boxed9\ \boxed{10}\\ &\ 1\ ,\ 3\ ,\ 5\ ,\ 7\ , \ 9\ ,11,13,15,17,19 \end{align}とすれば,19円貯金しなければならないことがわかるが,これでは20日目や50日目の貯金額を知りたいときにかなり面倒である.
そこで,別の見方を考えてみよう.
たとえば,「日にち」と「貯金額」との対応を見たときに, $\boxed{1}\times2−1=1円$ , $\boxed{2}\times2−1=3円$ , $\boxed{3}\times2−1=5円,\cdots$ だから
\[(日にち)\times2−1=(貯金額)\]であることに気がつけば,10日目に貯金しなければならない金額 $a_{10}$ は
\[a_{10}=10\times2−1=19円\]と求めることができる.この方法を使えば,20日目の貯金額 $a_{20}$ は $a_{20}=20\times21=39円$ , 50日目の貯金額 $a_{50}$ は $a_{50}=50\times2−1=99円$ と簡単に求めることができる.
さらに, $n$ 日目の貯金額 $a_n$ は
\[a_n=n\times2−1=2n−1円\]と表すことができる.
このように,数列の第 $n$ 項( $n$ 日目の貯金額)が $n$ ( $n$ 日目)の式で表されているとき,その第 $n$ 項を一般項(general term)という.一般項が求まれば, $n$ に自然数を順次代入することによって,数列の各項を求めることができる.
数列の一般項
数列 $\{a_n\}$ の一般項が,次の式で与えられているとき,初項から第5項までを書き出せ.
- $a_n=2n$
- $a_n=2^n$
- $a_n=\dfrac{2n+1}{n}$
- $a_n=\dfrac{2^n}{n+1}$
-
\begin{align}
a_1&=2\cdot1=2\\
a_2&=2\cdot2=4\\
a_3&=2\cdot3=6\\
a_4&=2\cdot4=8\\
a_5&=2\cdot5=10
\end{align}
より, $\boldsymbol{2,4,6,8,10}$ である.
\begin{align} a_1&=2^1=2\\ a_2&=2^2=4\\ a_3&=2^3=8\\ a_4&=2^4=16\\ a_5&=2^5=32 \end{align}より, $\boldsymbol{2,4,8,16,32}$ である.
\begin{align} a_1&=\frac{2+1}{1}=3\\ a_2&=\frac{4+1}{2}=\frac{5}{2}\\ a_3&=\frac{6+1}{3}=\frac{7}{3}\\ a_4&=\frac{8+1}{4}=\frac{9}{4}\\ a_5&=\frac{10+1}{5}=\frac{11}{5} \end{align}より, $\boldsymbol{3,\dfrac{5}{2},\dfrac{7}{3},\dfrac{9}{4},\dfrac{11}{5}}$ である.
\begin{align} a_1&=\frac{2^1}{1+1}=1\\ a_2&=\frac{2^2}{2+1}=\frac{4}{3}\\ a_3&=\frac{2^3}{3+1}=2\\ a_4&=\frac{2^4}{4+1}=\frac{16}{5}\\ a_5&=\frac{2^5}{5+1}=\frac{16}{3} \end{align}より, $\boldsymbol{3,\dfrac{4}{3},2,\dfrac{16}{5},\dfrac{16}{3}}$ である.