数学I 第4章 論理と集合 — 条件と真理集合
「1 は 2 より小さい」(真)のような、単発の命題ではなく、「x は2 より小さい」のように、x の値が決まって初めて真か偽かが決まる、いわば“穴の空いた命題”をここでは考える。
条件と真理集合について
条件とは何か
例えば、ある数 x を含む事柄 p(x) を「 2x²-7x+3 の値は 0 である」、つまり
p(x):2x²-7x+3=0
としてみよう。
x の値が決まらないと、p(x) の真偽も決まらないので、p(x) は命題ではない。しかし、例えば x に 1 を代入したもの、つまり p(1) は
p(1):「2・1²-7・1+3-2=0である」
となり偽と決まるので命題である。また、x に 3 を代入したもの、つまり p(3) は
「である」p(3):「2・3²-7・3+30=0である」
となり真と決まるので、これもやはり命題である。このように
§
定理1変数・条件
x の内容が決まれば命題となる事柄 p(x) のことを、x を変数 (variable)とする条件 (condition)という。
変数は1つとは限らず、複数ある場合もある。例えば
「はより大きい数である」p(x,y):「xはyより大きい数である」
は、2つの変数 x,y が確定して初めて命題となる。以下では、簡単のため、変数が1つの条件について説明していくが、変数がいくつかある条件でも基本的には同じである。
真理集合とは何か
条件を考える場合には、その条件がもつ変数のとりうる範囲を、全体集合(全体集合と補集合参照)としてあらかじめ決めておく必要がある。このもとで、次のような集合を定義する。
§
定義2真理集合
全体集合を U とするとき、U の要素 x のうち p(x) が真となるもの全体の集合を、p(x) の真理集合 (truth set) という。
例えば、条件 p(x) を、先程と同じ
p(x):2x²-7x+3=0
として、p(x) の真理集合を求めてみる。
全体集合が実数全体の場合には、2次方程式を考えて
2x²-7x+3=0 ⇔ (2x-1)(x-3)=0 ⇔ x=1/2, 3
の2つが p(x) を真とする x の値である。つまり、条件 p(x) の真理集合 P は
P={1/2, 3}
となる。また、全体集合が自然数全体の場合には、1/2 は除外されるので、真理集合 P は
P={3}
となる。
問題1条件と真理集合
条件を p(x)、全体集合を U とするとき、真理集合 P を求めよ。
- U=N p(x):-2≦x≦2
- U=Z p(x):-2≦x≦2
- U=R p(x):-2≦x≦2
記号 N、Z、R については、集合の表し方参照。
解答を見る
自然数 (N) のうち、条件 p(x) を満たすものは x=1, 2 である。
よって、 P={1, 2} となる。
整数 (Z) のうち、条件 p(x) を満たすものは x=-2, -1, 0, 1, 2 である。
よって、 P={-2, -1, 0, 1, 2} となる。
実数 (R) のうち、条件 p(x) を満たすものは -2≦x≦2 を満たす実数 x である。
よって、 P={x|-2≦x≦2} となる。
最終更新: 2026-08-12
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