平面図形の計量
ここではまず、三角形の形状や大きさが決まるための条件を整理し、その後、今まで学んできたことの実地訓練として、平面図形の具体的な計量を行う。このセクションの終わりには、平面図形に関する有名な定理も紹介する。
三角形の決定
三角形の合同
2つの図形が合同 (congruence) であるとは、2つの図形が空間的な回転・平行移動によって完全に重なることを意味する。
2つの三角形の場合は、3辺と3つの内角がすべて一致すれば合同である。2つの三角形の間に、三角形の合同条件 (conditions of congruence)
- 1辺とその両端の角が等しい(2角
夾 辺相等) - 2辺とその間の角が等しい(2辺
夾 角相等) - 3辺が等しい(3辺相等)
三角形の決定条件
三角形の3辺と3つの内角が決まった値をもつとき、この三角形は決定しているという。
たとえば、三角形の3つの内角が $40^\circ$、$60^\circ$、$80^\circ$ と与えられても、辺の長さはわからないので、この三角形は決定しない。しかし、さらにどこか1辺の長さが与えられれば、この三角形は決定する。
三角形を決定するための条件は、上の合同条件1~3に対応して、3つの場合がある。
- 1辺とその両端の角が与えられた場合
- 2辺とその間の角が与えられた場合
- 3辺が与えられた場合
- 2辺とその間でない角が与えられた場合 でも、三角形を決定する場合がある。
たとえば、aの条件で三角形を2つ描けば、その2つの三角形は合同条件1によって合同である。b、cも同様である。
また、常にではないが
a. 1辺とその両端の角が与えられた場合
- $A=60^\circ$、$B=75^\circ$、$\text{AB}=2$ である三角形において、$C$、$a$、$b$ を求めよ。
- $A=60^\circ$、$B=45^\circ$、$\text{AB}=2$ である三角形において、$C$、$a$、$b$ を求めよ。
- 三角形の内角の和は $180^\circ$ なので
\[C=180^\circ-(60^\circ+75^\circ)=\boldsymbol{45^\circ}\]
また、正弦定理 $\dfrac{a}{\sin{A}}=\dfrac{c}{\sin{C}}$ を用いて
\begin{align}
a=&\dfrac{c\sin{A}}{\sin{C}}\\
=&\dfrac{2\sin60^\circ}{\sin45^\circ}\\
=&\dfrac{2\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}}{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}\\
=&\dfrac{2\sqrt{3}}{\sqrt{2}}=\boldsymbol{\sqrt{6}}
\end{align}
$\blacktriangleleft$ 有理数どうしの比の値また、点 $\text{B}$ からみる第1余弦定理 $b=a\cos{C}+c\cos{A}$ を用いて \[b=\sqrt{6}\cos45^\circ+2\cos60^\circ=\boldsymbol{\sqrt{3}+1}\] 【別解: $75^\circ$ の三角比($15^\circ$ とその周辺の三角比)を覚えている場合】
正弦定理 $\dfrac{b}{\sin{B}}=\dfrac{c}{\sin{C}}$ より \begin{align} b&=\dfrac{2\sin75^\circ}{\sin45^\circ}\\ &=\dfrac{2\cdot\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}\\ &=\boldsymbol{\sqrt{3}+1} \end{align} - 三角形の内角の和は $180^\circ$ なので
\[C=180^\circ-(60^\circ+45^\circ)=\boldsymbol{75^\circ}\]
また、正弦定理 $\dfrac{a}{\sin{A}}=\dfrac{b}{\sin{B}}$ を用いて
\begin{align}
&\dfrac{a}{\sin{60^\circ}}=\dfrac{b}{\sin{45^\circ}}\\
\Leftrightarrow~&\dfrac{a}{\dfrac{\sqrt{3}}{2}}=\dfrac{b}{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}\\
\Leftrightarrow~&a=\dfrac{\dfrac{\sqrt{3}}{2}}{\dfrac{\sqrt{2}}{2}}b=\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}b\\
&a=\dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{2}}b\tag{1}\label{sankakkeinoketteijoken1}
\end{align}
また、点 $\text{C}$ からみる第1余弦定理 $c=a\cos{B}+b\cos{A}$ を用いて
\begin{align}
&2=b\cos60^\circ+a\cos45^\circ\\
\Leftrightarrow~&2=\dfrac{b}{2}+\dfrac{\sqrt{2}a}{2}\\
\Leftrightarrow~&4=b+\sqrt{2}a\\
&4=b+\sqrt{2}a\tag{2}\label{sankakkeinoketteijoken2}
\end{align}
$\eqref{sankakkeinoketteijoken1}$ を $\eqref{sankakkeinoketteijoken2}$ に代入して
\begin{align}
&4=b+{\sqrt{2}}\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{{\sqrt{2}}}b\\
\Leftrightarrow~&4=\left(1+\sqrt{3}\right)b\\
\Leftrightarrow~&b=\dfrac{4}{1+\sqrt{3}}=\boldsymbol{2\sqrt{3}-2}
\end{align}
$\eqref{sankakkeinoketteijoken1}$ に代入して、$\boldsymbol{a=3\sqrt{2}-\sqrt{6}}$ となる。
【別解: $75^\circ$ の三角比($15^\circ$ とその周辺の三角比)を覚えている場合】
正弦定理 $\dfrac{a}{\sin{A}}=\dfrac{b}{\sin{B}}=\dfrac{c}{\sin{C}}$ より \begin{align} a=&\dfrac{c\sin{A}}{\sin{C}}=\dfrac{2\sin60^\circ}{\sin75^\circ}=\dfrac{2\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}}{\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}\\ =&\dfrac{4\sqrt{3}}{\sqrt{6}+\sqrt{2}}=\boldsymbol{3\sqrt{2}-\sqrt{6}}\\ b=&\dfrac{c\sin{B}}{\sin{C}}=\dfrac{2\sin45^\circ}{\sin75^\circ} =\dfrac{2\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}}{\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}\\ =&\dfrac{4\sqrt{2}}{\sqrt{6}+\sqrt{2}}=\boldsymbol{2\sqrt{3}-2} \end{align}
b. 2辺とその間の角が与えられた場合
- $A=45^\circ$、$b=\sqrt{6}$、$c=\sqrt{3}+1$ である三角形において、$a$、$B$、$C$ を求めよ。
- $A=75^\circ$、$b=\sqrt{6}$、$c=2$ である三角形において、$a$、$B$、$C$ を求めよ。ただし、$\cos75^\circ=\dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$ である。
点 $\text{A}$ からみる余弦定理 $a^2=b^2+c^2-2bc\cos{A}$ を用いて
\begin{align} a^2=&\sqrt{6}^2+\left(\sqrt{3}+1\right)^2\\ &\qquad-2\sqrt{6}\left(\sqrt{3}+1\right)\cos45^\circ\\ =&6+4+2\sqrt{3}-2\sqrt{6}\left(\sqrt{3}+1\right)\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}\\ =&10+2\sqrt{3}-2\sqrt{3}\left(\sqrt{3}+1\right)=4 \end{align} より、$\boldsymbol{a=2}$となる。また、点 $\text{B}$ からみる余弦定理 $b^2=c^2+a^2-2ca\cos{B}$ を用いて
$\blacktriangleleft$ 正弦定理を用いた場合は \begin{align} \sin{B}=&\dfrac{b\sin{A}}{a}=\dfrac{\sqrt{6}\sin45^\circ}{2}\\ =&\dfrac{\sqrt{6}\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}}{2}=\dfrac{\sqrt{3}}{2} \end{align} より、$B=60^\circ$ または $120^\circ$ となり、$B$ が1つに定まらない。\begin{align} \cos{B} =&\dfrac{c^2+a^2-b^2}{2ca}\\ =&\dfrac{\left(\sqrt{3}+1\right)^2+2^2-\left(\sqrt{6}\right)^2}{2\left(\sqrt{3}+1\right)\cdot2}\\ =&\dfrac{4+2\sqrt{3}+4-6}{4\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{2\left(\sqrt{3}+1\right)}{4\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{1}{2} \end{align} より、$\boldsymbol{B=60^\circ}$ となる。三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(45^\circ+60^\circ)=\boldsymbol{75^\circ}\]
点 $\text{A}$ からみる余弦定理 $a^2=b^2+c^2-2bc\cos{A}$ を用いて
\begin{align} a^2=&\sqrt{6}^2+2^2-2\sqrt{6}\cdot2\cos75^\circ\\ =&10-2\sqrt{6}\cdot2\cdot\dfrac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}\\ =&10-\sqrt{6}\left(\sqrt{6}-\sqrt{2}\ \right)\\ =&4+2\sqrt{3}\\ =&\left(\sqrt{3}+1\right)^2 \end{align}$\blacktriangleleft$ 2重根号参照より、$\boldsymbol{a=\sqrt{3}+1}$ となる。また、点 $\text{B}$ からみる余弦定理 $b^2=c^2+a^2-2ca\cos{B}$ を用いて
$\blacktriangleleft$ 正弦定理を用いた場合は \begin{align} \sin{B}=&\dfrac{b\sin{A}}{a}=\dfrac{\sqrt{6}\sin75^\circ}{\sqrt{3}+1}\\ =&\dfrac{\sqrt{6}\cdot\dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}{\sqrt{3}+1}=\dfrac{\sqrt{3}}{2} \end{align} より、$B=60^\circ$ または $120^\circ$ となるが、$B=120^\circ$とすると、三角形の内角の和が $180^\circ$ であることに矛盾するので、$B=60^\circ$ とわかる。\begin{align} \cos{B}=&\dfrac{2^2+\left(\sqrt{3}+1\right)^2-\left(\sqrt{6}\right)^2}{2\cdot2\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{2\left(\sqrt{3}+1\right)}{4\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{1}{2} \end{align} より、$\boldsymbol{B=60^\circ}$ となる。三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(75^\circ+60^\circ)=\boldsymbol{45^\circ}\]
c. 3辺が与えられた場合
- $a=2$、$b=\sqrt{6}$、$c=\sqrt{3}+1$ である三角形において、$A$、$B$、$C$ を求めよ。
- $a=2$、$b=\sqrt{6}+\sqrt{2}$、$c=\sqrt{6}+\sqrt{2}$ である三角形において、$A$、$B$、$C$ を求めよ。
点 $\text{A}$ からみる余弦定理 $a^2=b^2+c^2-2bc\cos{A}$ を用いて
\begin{align} \cos{A}=&\dfrac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\\ =&\dfrac{\left(\sqrt{6}\ \right)^2+\left(\sqrt{3}+1\right)^2-2^2}{2\cdot\sqrt{6}\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{6+4+2\sqrt{3}-4}{2\left(3\sqrt{2}+\sqrt{6}\right)}\\ =&\dfrac{6+2\sqrt{3}}{2\left(3\sqrt{2}+\sqrt{6}\right)}\\ =&\dfrac{3+\sqrt{3}}{3\sqrt{2}+\sqrt{6}}\\ =&\dfrac{\left(3+\sqrt{3}\right)\left(3\sqrt{2}-\sqrt{6}\right)}{18-6}\\ =&\dfrac{9\sqrt{2}-3\sqrt{6}+3\sqrt{6}-3\sqrt{2}}{12}\\ =&\dfrac{6\sqrt{2}}{12}\\ =&\dfrac{\sqrt{2}}{2} \end{align}$\blacktriangleleft$ もし $\dfrac{3+\sqrt{3}}{3\sqrt{2}+\sqrt{6}}=\dfrac{3+\sqrt{3}}{\sqrt{2}\left(3+\sqrt{3}\right)}$ に気がつけば計算は易しくなるよって、$\boldsymbol{A=45^\circ}$ となる。また、点 $\text{B}$ からみる余弦定理 $b^2=c^2+a^2-2ca\cos{B}$ を用いて \begin{align} \cos{B}=&\dfrac{c^2+a^2-b^2}{2ca}\\ =&\dfrac{\left(\sqrt{3}+1\right)^2+2^2-\left(\sqrt{6}\ \right)^2}{2\left(\sqrt{3}+1\right)\cdot2}\\ =&\dfrac{4+2\sqrt{3}+4-6}{4\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{2\left(\sqrt{3}+1\right)}{4\left(\sqrt{3}+1\right)}\\ =&\dfrac{1}{2} \end{align} より、$\boldsymbol{B=60^\circ}$ となる。
三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(45^\circ+60^\circ)=\boldsymbol{75^\circ}\]
点 $\text{A}$ からみる余弦定理 $a^2=b^2+c^2-2bc\cos{A}$ を用いて
\begin{align} \cos{A}&=\dfrac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\\ &=\big\{\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)^2\\ &\qquad\quad+\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)^2-2^2\big\}\\ &\qquad\div\left\{2\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)\right\}\\ &=\dfrac{2\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)^2-4}{2\left(\sqrt{6}+\sqrt{2}\right)^2}\\ &=\dfrac{2\left(8+4\sqrt{3}\right)-4}{2\left(8+4\sqrt{3}\right)}=\dfrac{3+2\sqrt{3}}{4+2\sqrt{3}}\\ &=\dfrac{\left(3+2\sqrt{3}\right)\left(4-2\sqrt{3}\right)}{16-12}\\ &=\dfrac{12-6\sqrt{3}+8\sqrt{3}-12}{4}=\dfrac{\sqrt{3}}{2} \end{align} より、$\boldsymbol{A=30^\circ}$ となる。ここで、$b=c=\sqrt{6}+\sqrt{2}$ より $\triangle\text{ABC}$ は二等辺三角形であるから、$B=C$ なので \[B=C=\dfrac{180^\circ-A}{2}=\boldsymbol{75^\circ}\]
2辺とその間でない角が与えられた場合
2辺とその間でない角が与えられた場合は、三角形がただ1つ決定するとは限らない。
たとえば、$b$、$c$ と $B$ が与えられている場合を考えてみよう。
$B$ を鋭角としたとき、$b$ の値によって次の4つの場合があるとわかる。このとき、点 $\text{A}$ を中心とする半径 $b$ の円を考えるとわかりやすい。
- $\boldsymbol{c\leqq{b}}$ の場合
$\triangle\text{ABC}$ は1つだけ存在する。 - $\boldsymbol{c\sin{B}{\lt}b{\lt}c}$ の場合
2つの $\triangle\text{ABC}$ が存在する。 - $\boldsymbol{c\sin{B}=b}$ の場合
$\triangle\text{ABC}$ は1つだけ存在する。
このとき、$\triangle\text{ABC}$ は $C=90^\circ$ の直角三角形となる。 - $\boldsymbol{b{\lt}c\sin{B}}$ の場合
このような三角形は存在しない。
d. 2辺とその間でない角が与えられた場合
- $A=30^\circ$、$a=\sqrt{2}$、$b=2$ である三角形において、$B$、$C$、$c$ を求めよ。
- $A=45^\circ$、$a=2$、$b=\sqrt{2}$ である三角形において、$B$、$C$、$c$ を求めよ。
- 正弦定理 $\dfrac{a}{\sin{A}}=\dfrac{b}{\sin{B}}$ を用いて
\[\sin{B}=\dfrac{2\sin30^\circ}{\sqrt{2}}=\dfrac{2\cdot\dfrac{1}{2}}{\sqrt{2}}=\dfrac{\sqrt{2}}{2}\]
より、$\boldsymbol{B=45^\circ}$ または $\boldsymbol{135^\circ}$ となる。
- $B=45^\circ$ のとき
$\blacktriangleleft$ このときは、次の図のようになっている。三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(30^\circ+45^\circ)=\boldsymbol{105^\circ}\] また、点 $\text{C}$ からみる第1余弦定理 $c=b\cos{A}+a\cos{B}$ より \begin{align} c=&2\cos30^\circ+\sqrt{2}\cos45^\circ\\ =&2\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\sqrt{2}\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2} =\boldsymbol{\sqrt{3}+1} \end{align}
- $B=135^\circ$ のとき
$\blacktriangleleft$ このときは、次の図のようになっている。三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(30^\circ+135^\circ)=\boldsymbol{15^\circ}\] また、点 $\text{C}$ からみた第1余弦定理 $c=b\cos{A}+a\cos{B}$ より \begin{align} c=&2\cos30^\circ+\sqrt{2}\cos135^\circ\\ =&2\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}+\sqrt{2}\cdot\left(-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\right)\\ =&\boldsymbol{\sqrt{3}-1} \end{align}
- $B=45^\circ$ のとき
正弦定理 $\dfrac{a}{\sin{A}}=\dfrac{b}{\sin{B}}$を用いて
\begin{align} \sin{B}=\dfrac{\sqrt{2}\sin45^\circ}{2} =\dfrac{\sqrt{2}\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}}{2}=\dfrac{1}{2} \end{align} より、$B=30^\circ$ または $150^\circ$ となるが、$B=150^\circ$ のときは、$A+B=45^\circ+150^\circ\gt180^\circ$ となって不適。よって、$\boldsymbol{B=30^\circ}$ となる。
三角形の内角の和は $180^\circ$ なので \[C=180^\circ-(45^\circ+30^\circ)=\boldsymbol{105^\circ}\] また、点 $\text{C}$ からみる第1余弦定理 $c=b\cos{A}+a\cos{B}$ より \begin{align} c=&\sqrt{2}\cos45^\circ+2\cos30^\circ\\ =&\sqrt{2}\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}+2\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}\\ =&\boldsymbol{1+\sqrt{3}} \end{align}
四角形の計量
四角形の計量
四角形 $\text{ABCD}$ において、$\text{AB}=5$、$\text{BC}=8$、$\text{CD}=5$、$\angle\text{ABC}=60^\circ$、$\angle\text{CAD}=45^\circ$ のとき、次の問に答えよ。
- $\text{AC}$ の長さを求めよ。
- $\text{AD}$ の長さを求めよ。
- 四角形 $\text{ABCD}$ の面積を求めよ。
- $\triangle\text{ABC}$ に点 $\text{B}$ からみる余弦定理
\begin{align}
\text{AC}^2=&\text{AB}^2+\text{BC}^2\\
&\qquad-2\cdot\text{AB}\cdot\text{BC}\cos{\angle\text{ABC}}
\end{align}
を用いて
$\blacktriangleleft$ 2辺とその間の角が与えられている\begin{align} \text{AC}^2=&5^2+8^2-2\cdot5\cdot8\cos60^\circ\\ =&25+64-80\cdot\frac{1}{2}=49 \end{align} よって、$\boldsymbol{\text{AC}=7}$ である。
- $\triangle\text{CAD}$ に点 $\text{A}$ からみる余弦定理
\begin{align}
\text{DC}^2=&\text{AD}^2+\text{AC}^2\\
&\qquad-2\cdot\text{AD}\cdot\text{AC}\cos{\angle\text{CAD}}
\end{align}
を用いて
$\blacktriangleleft$ 2辺とその間でない角が与えられている\begin{align} &5^2=\text{AD}^2+7^2-2\cdot\text{AD}\cdot7\cos45^\circ\\ \Leftrightarrow~&25=\text{AD}^2+49-2\cdot7\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2}\text{AD}\\ \Leftrightarrow~&\text{AD}^2-7\sqrt{2}\text{AD}+24=0 \end{align} 2次方程式の解の公式より \begin{align} \text{AD}=&\dfrac{7\sqrt{2}\pm\sqrt{\left(7\sqrt{2}\ \right)^2-4\cdot24}}{2}\\ =&\dfrac{7\sqrt{2}\pm\sqrt{98-96}}{2}=\dfrac{7\sqrt{2}\pm\sqrt{2}}{2}\\ =&\boldsymbol{3\sqrt{2}}または\boldsymbol{4\sqrt{2}} \end{align}
$\triangle\text{ABC}$ の面積を $S_1$、$\triangle\text{CAD}$ の面積を $S_2$ とすると \begin{align} S_1=&\dfrac{1}{2}\cdot\text{AB}\cdot\text{BC}\sin\angle\text{ABC}\\ =&\dfrac{1}{2}\cdot5\cdot8\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}=10\sqrt{3}\\ S_2=&\dfrac{1}{2}\text{AC}\cdot\text{AD}\sin\angle\text{CAD}\\ =&\dfrac{1}{2}\cdot7\cdot\text{AD}\cdot\dfrac{\sqrt{2}}{2} \end{align} つまり、$\text{AD}=3\sqrt{2}$ のときは $S_2=\dfrac{21}{2}$、$\text{AD}=4\sqrt{2}$ のときは $S_2 = 14$。
四角形 $\text{ABCD}$ の面積は $S_1+S_2$ に等しいので、 \[\text{AD}=3\sqrt{2}のときは\boldsymbol{10\sqrt{3}+\dfrac{21}{2}}\] \[\text{AD}=4\sqrt{2}のときは\boldsymbol{10\sqrt{3}+14}\] が求める答えになる。
この問では図のように2つの場合がある。
平面図形におけるいくつかの定理
二等辺三角形を分割する線の長さ
ここでは、平面図形に関して覚えておくべき定理を紹介する。三角形の決定条件を頭に浮かべながら、以下の例題を見てみよう。
二等辺三角形を分割する線の長さ
二等辺三角形を分割する線の長さ
右図のような二等辺三角形 $\text{ABC}$ において次の問に答えよ。ただし $b{\gt}c$ とする。
- $\text{AD}$ の長さを求めよ。
- $\cos\angle\text{ABD}$ の値を求めよ。
- $\angle\text{ABD}=\angle\text{ACD}=\theta$ とおき、$\text{AD}=x$ とおく。$\triangle\text{ABD}$ に点 $\text{B}$ からみる余弦定理を用いると \[\cos\theta=\dfrac{a^2+b^2-x^2}{2ab}\tag{1}\label{nitohensankakkeiwobunkatusurusennonagasa1}\] $\triangle\text{ACD}$ に点 $\text{C}$ からみる余弦定理を用いると \[\cos\theta=\dfrac{a^2+c^2-x^2}{2ac}\tag{2}\label{nitohensankakkeiwobunkatusurusennonagasa2}\] $\eqref{nitohensankakkeiwobunkatusurusennonagasa1}$、$\eqref{nitohensankakkeiwobunkatusurusennonagasa2}$ より \begin{align} &\dfrac{a^2+b^2-x^2}{2ab}=\dfrac{a^2+c^2-x^2}{2ac}\\ \Leftrightarrow~&c(a^2+b^2-x^2)=b(a^2+c^2-x^2)\\ \Leftrightarrow~&(b-c)x^2=ba^2+bc^2-ca^2-cb^2\\ \Leftrightarrow~&(b-c)x^2=a^2(b-c)-bc(b-c)\\ \Leftrightarrow~&(b-c)x^2=(a^2-bc)(b-c) \end{align} $b{\gt}c$ より $b{\neq}c$ なので、両辺を $(b-c)$ で割って \begin{align} &x^2=a^2-bc\\ \therefore~~&\boldsymbol{x=\sqrt{a^2-bc}} \end{align}
- 1で求めた $x=\sqrt{a^2-bc}$ を $\eqref{nitohensankakkeiwobunkatusurusennonagasa1}$ に代入して
$\blacktriangleleft$ 別解として、以下のように補助線を引いて、導くこともできる。\begin{align} \cos\theta=&\dfrac{a^2+b^2-(a^2-bc)}{2ab}=\dfrac{b^2+bc}{2ab}\\ =&\boldsymbol{\dfrac{b+c}{2a}} \end{align}
角の2等分線の定理
角の2等分線の定理
角の2等分線の定理
$\triangle{\text{ABC}}$ において、$\angle{\text{A}}$ の2等分線と辺 $\text{BC}$ との交点を $\text{D}$ とするとき \[\text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{DC}\] が成り立つ。
角の2等分線の定理
角の2等分線の定理
次の図の $\triangle\text{ABC}$ において、点 $\text{D}$ は $\angle\text{A}$ の二等分線と辺 $\text{BC}$ との交点である。このとき、線分 $\text{BD}$ の長さを求めよ。
$\text{BD}=x$ とおくと、角の二等分線の定理より、 \begin{align} &\text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{DC}\\ &5:4=x:(18-x)\\ &4x=5(18-x)\\ &9x=90\\ &x=10\\ \therefore~&\boldsymbol{\text{BD}=10} \end{align}
三角形の外角の二等分線と比
三角形の外角の二等分線と比
$\triangle{\text{ABC}}$ において、$\angle{\text{A}}$ の外角の二等分線と辺 $\text{BC}$ の延長線との交点を $\text{D}$ とするとき \[\text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{DC}\] が成り立つ。
三角形の外角の二等分線と比
三角形の外角の二等分線と比
次の図の $\triangle\text{ABC}$ において、点 $\text{D}$ は $\angle\text{A}$ の外角の二等分線と半直線 $\text{BC}$ との交点である。このとき、線分 $\text{CD}$ の長さを求めよ。
$\text{CD}=x$ とおくと、外角の二等分線の定理より、 \begin{align} &\text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{DC}\\ &7:5=(6+x):x\\ &7x=5(6+x)\\ &2x=30\\ &x=15\\ \therefore~&\boldsymbol{\text{CD}=15} \end{align}
四角形の対角線と面積
暗記四角形の対角線と面積
四角形の対角線と面積
2つの対角線の長さが $a$、$b$ で、そのなす角が $\theta$ である、図のような四角形の面積 $S$ を求めよ。
$\triangle\text{ABP}$、$\triangle\text{BCP}$、$\triangle\text{CDP}$、$\triangle\text{DAP}$ の面積を、それぞれ $S_1$、$S_2$、$S_3$、$S_4$ とおくと \begin{align} S_1=&\dfrac{1}{2}\text{AP}\cdot\text{BP}\sin\theta\\ &\blacktriangleleft 三角形の面積参照\\ S_2=&\dfrac{1}{2}\text{BP}\cdot\text{CP}\sin(180^\circ-\theta)\\ =&\dfrac{1}{2}\text{BP}\cdot\text{CP}\sin\theta\\ &\blacktriangleleft 180^\circ-\thetaの三角比\\ S_3=&\dfrac{1}{2}\text{CP}\cdot\text{DP}\sin\theta\\ S_4=&\dfrac{1}{2}\text{DP}\cdot\text{AP}\sin(180^\circ-\theta)\\ =&\dfrac{1}{2}\text{DP}\cdot\text{AP}\sin\theta \end{align} となるから \begin{align} S=&S_1+S_2+S_3+S_4\\ =&\dfrac{1}{2}(\text{AP}\cdot\text{BP}+\text{BP}\cdot\text{CP}\\ &\qquad+\text{CP}\cdot\text{DP}+\text{DP}\cdot\text{AP})\sin\theta\\ =&\dfrac{1}{2}\{\text{BP}\cdot(\text{AP}+\text{CP})\\ &\qquad+\text{DP}\cdot(\text{CP}+\text{AP})\}\sin\theta\\ =&\dfrac{1}{2}\left(\text{AP}+\text{CP}\right)\left(\text{BP}+\text{DP}\right)\sin\theta\\ =&\dfrac{1}{2}\text{AC}\cdot\text{BD}\sin\theta=\frac{1}{2}ab\sin\theta \end{align}
四角形の対角線と面積
四角形の対角線と面積
図のような四角形の2つの対角線の長さが $a$、$b$、そのなす角が $\theta$ のとき、この四角形の面積 $S$ は \[S=\dfrac{1}{2}ab\sin\theta\] となる。
三角形の面積と内接円の半径
暗記三角形の面積と内接円の半径
三角形の面積と内接円の半径
三角形の3つの辺すべてに接する円を、その三角形の内接円 (inscribed circle) という。1つの三角形に対し、内接円は1つに定まる。
$b=4$、$c=5$、$A=60^\circ$ である $\triangle\text{ABC}$ について、内接円の半径を $r$ とする。
- $a$ の値を求めよ。
- $\triangle\text{ABC}$ の面積を求めよ。
- $\triangle\text{ABC}$ の内接円の半径を求めよ。
- 点 $\text{A}$ からみる余弦定理より \begin{align} a^2=&b^2+c^2-2ab\cos{A}\\ =&4^2+5^2-2\cdot4\cdot5\cos{60^\circ}\\ =&16+25-40\times\dfrac{1}{2}=21 \end{align} よって、$\boldsymbol{a=\sqrt{21}}$ である。
- $\blacktriangleleft$ 三角形の面積参照\begin{align} S=&\dfrac{1}{2}bc\sin{A}\\ =&\dfrac{1}{2}\cdot4\cdot5\sin{60^\circ}\\ =&\boldsymbol{5\sqrt{3}} \end{align}
- $\blacktriangleleft$ それぞれ、$\text{AB}$、$\text{BC}$、$\text{CA}$ を底辺とみて、内接円の半径を高さにとった内接円の中心を $\text{I}$ とすると、$\triangle\text{ABI}$、$\triangle\text{BCI}$、$\triangle\text{CAI}$ の面積はそれぞれ $\dfrac{1}{2}cr$、$\dfrac{1}{2}ar$、$\dfrac{1}{2}br$ となるから、$\triangle\text{ABC}$ の面積 $S$ は \begin{align} S=&\dfrac{1}{2}ar+\dfrac{1}{2}br+\dfrac{1}{2}cr\\ =&\dfrac{1}{2}r(a+b+c)\tag{3}\label{sankakkeinomensekitonaisetuennohanke} \end{align} とも表せる。よって2と $\eqref{sankakkeinomensekitonaisetuennohanke}$ より \begin{align} r=&\dfrac{2S}{a+b+c}\\ =&\dfrac{2\cdot5\sqrt{3}}{\sqrt{21}+4+5}\\ =&\dfrac{10\sqrt{3}}{\sqrt{21}+9}\\ =&\boldsymbol{\dfrac{3\sqrt{3}-\sqrt{7}}{2}} \end{align}
三角形の面積と内接円の半径
三角形の面積と内接円の半径
三角形の面積 $S$ は、内接円の半径 $r$ を用いて \[S=\dfrac{1}{2}r(a+b+c)\] と表すことができる。ここで $a$、$b$、$c$ は各辺の長さを表す。
円に内接する四角形
円に内接する四角形
円に内接する四角形
円に内接する四角形 $\text{ABCD}$ において、$\text{AB}=4$、$\text{BC}=5$、$\text{CD}=3$、$\text{DA}=3$ とする。
- $A+C=180^\circ$ を示せ。
- $\cos{A}=-\cos{C}$ を示せ。
- 対角線 $\text{BD}$ の長さを求めよ。
- 四角形 $\text{ABCD}$ の面積を求めよ。
円に内接する四角形
- $\blacktriangleleft$ 正弦定理の証明の中で、別の方法で証明した。中心角は円周角の2倍なので
- $A$ は図の $\dfrac{1}{2}\alpha$ と等しく、
- $C$ は図の $\dfrac{1}{2}\beta$ と等しい。
- 1より、$A=180^\circ-C$ であるので
$\blacktriangleleft$ $180^\circ-\theta$ の三角比参照\[\cos{A}=\cos{(180^\circ-A)}=-\cos{C}\]
- $\triangle\text{ABD}$ に点 $\text{A}$ からみる余弦定理を用いて \begin{align} \text{BD}^2&=4^2+3^2\\ &\qquad-2\cdot4\cdot3\cos{A}\\ &=25-24\cos{A}\tag{1}\label{enninaisetusurusikakkei1} \end{align} $\triangle\text{CBD}$ に点 $\text{C}$ からみる余弦定理を用いて \begin{align} \text{BD}^2&=5^2+3^2\\ &\qquad-2\cdot5\cdot3\cos{C}\\ &=34-30\cos{C}\tag{2}\label{enninaisetusurusikakkei2} \end{align} $\eqref{enninaisetusurusikakkei1}$、$\eqref{enninaisetusurusikakkei2}$、$\cos{A}=-\cos{C}$ より \begin{align} &25-24\cos{A}=34+30\cos{A}\\ \Leftrightarrow~&\cos{A}=-\dfrac{9}{54}=-\dfrac{1}{6} \end{align} これを $\eqref{enninaisetusurusikakkei1}$ に代入して \[\text{BD}^2=25-24\cdot\left(-\dfrac{1}{6}\right)=29\] $\text{BD}\gt0$ であるので、$\boldsymbol{\text{BD}=\sqrt{29}}$ と分かる。
- $\sin{A}=\sqrt{1-\cos^2{A}}=\dfrac{\sqrt{35}}{6}$ より
$\blacktriangleleft$ 三角形の面積参照\begin{align} \triangle\text{ABD}=\dfrac{1}{2}\cdot4\cdot3\cdot\dfrac{\sqrt{35}}{6}=\sqrt{35} \end{align}$\blacktriangleleft$ $180^\circ-\theta$ の三角比参照また、$\sin{C}=\sin{(180^\circ-A)}=\sin{A}$ より$\blacktriangleleft$ 三角形の面積参照\begin{align} \triangle\text{CBD}=\dfrac{1}{2}\cdot5\cdot3\cdot\dfrac{\sqrt{35}}{6}=\dfrac{5}{4}\sqrt{35} \end{align} よって、求める面積は $\sqrt{35}+\dfrac{5}{4}\sqrt{35}=\boldsymbol{\dfrac{9}{4}\sqrt{35}}$
トレミーの定理
暗記トレミーの定理
トレミーの定理
図のように、四角形 $\text{ABCD}$ が円に内接している。$\text{AB}=a$、$\text{BC}=b$、$\text{CD}=c$、$\text{DA}=d$ とするとき、以下の式を示せ。
- $(ad+bc)\text{BD}^2=(ab+cd)(ac+bd)$
- $\text{AC}\cdot\text{BD}=ac+bd$
- $\triangle\text{ABD}$ に点 $\text{A}$ からみる余弦定理を用いると \begin{align} &\cos\angle\text{BAD}\\ &\quad=\dfrac{a^2+d^2-{\text{BD}}^2}{2ad}\tag{1}\label{toremi-noteiri1} \end{align} $\triangle\text{CBD}$ に点 $\text{C}$ からみる余弦定理を用いると \begin{align} &\cos\angle\text{BCD}\\ &\quad=\dfrac{b^2+c^2-{\text{BD}}^2}{2bc}\tag{2}\label{toremi-noteiri2} \end{align} $-\cos\angle\text{BAD}=\cos\angle\text{BCD}$ であるので、$\eqref{toremi-noteiri1}$ $\eqref{toremi-noteiri2}$ より \begin{align} &-\dfrac{a^2+d^2-{\text{BD}}^2}{2ad}\\ &\qquad=\dfrac{b^2+c^2-{\text{BD}}^2}{2bc}\\ \Leftrightarrow~&bc({\text{BD}}^2-a^2-d^2)\\ &\qquad=ad(b^2+c^2-{\text{BD}}^2)\\ &\blacktriangleleft 両辺に2adbcをかけた\\ \Leftrightarrow~&(ad+bc){\text{BD}}^2\\ =&ad(b^2+c^2)+bc(a^2+d^2)\\ =&ab(bd+ac)+cd(ac+bd)\\ =&(ab+cd)(ac+bd) \end{align}
- $\cos\angle\text{ABC}=-\cos\angle\text{ADC}$ より \[-\dfrac{a^2+b^2-\text{AC}^2}{2ab}=\dfrac{c^2+d^2-\text{AC}^2}{2cd}\] 1と同じように整頓すれば \begin{align} &(ab+cd)\text{AC}^2\\ &\qquad=cd(a^2+b^2)+ab(c^2+d^2)\\ \Leftrightarrow~&(ab+cd)\text{AC}^2\\ &\qquad=(ad+bc)(ac+bd) \end{align} これと1の結果より \begin{align} &(ad+bc)\text{BD}^2\times(ab+cd)\text{AC}^2\\ &\quad=(ab+cd)(ac+bd)\\ &\qquad\times(ad+bc)(ac+bd)\\ &\blacktriangleleft 左辺どうし、右辺どうしを掛け合わせた\\ \Leftrightarrow~&\text{BD}^2\cdot \text{AC}^2=(ac+bd)^2\\ \therefore~&\text{BD}\cdot\text{AC}=(ac+bd) \end{align}