1次不等式と1次関数の関係

1次不等式と1次関数の関係について

1次方程式と1次関数でみたように1次方程式と1次関数の間に密接な関係があった。それと同じように、1次不等式と1次関数にも密接な関係がある。

1次不等式(1)の範囲

1次不等式(1)の範囲

たとえば、1次不等式 \[\dfrac{1}{2}x-1\gt0\tag{1}\label{1jifutosikito1jikansunokankeinituite}\] の解について考える。この1次不等式の「左辺を $y$ とおいた1次関数」 \[y=\dfrac{1}{2}x-1\] を考える。すると、不等式 $\eqref{1jifutosikito1jikansunokankeinituite}$ を解くためには \[\left(y=\dfrac{1}{2}x-1のグラフのy座標\right)\gt0\] となる $x$ の範囲を求めればよい。よって、右のグラフから $x\gt2$ である。

実際、この1次不等式を解いてみると \begin{align} \dfrac{1}{2}x-1\gt0 \Leftrightarrow&~\dfrac{1}{2}x\gt1\\ \Leftrightarrow&~x\gt2 \end{align} となり、確かに1次関数の $y$ が $0$ より大きくなる $x$ の範囲となっている。

1次方程式をグラフを使って解く

次の1次不等式をグラフを使って解け。

  1. $\dfrac{x}{3}-\dfrac{13}{3}\lt0$
  2. $-2x-8\leqq0$
  3. $\dfrac{2}{3}x-\dfrac{8}{3}\gt0$
  4. $-7x+2\geqq0$

  1. 1の図
    右図より、$\overbrace{\dfrac{x}{3}-\dfrac{13}{3}}^{yの値}\lt0$ となるのは $x\lt13$ のとき。よって、1次不等式 $\dfrac{x}{3}-\dfrac{13}{3}\lt0$ の解は \[\boldsymbol{x\lt13}\] となる。
  2. 2の図
    右図より、$\overbrace{-2x-8}^{yの値}\leqq0$ となるのは $x\geqq-4$ のとき、よって1次不等式 $-2x-8\leqq0$ の解は \[\boldsymbol{x\geqq-4}\] となる。
  3. 3の図
    右図より、$\overbrace{\dfrac{2}{3}x-\dfrac{8}{3}}^{yの値}\gt0$ となるのは $x\gt4$ のとき、よって1次不等式 $\dfrac{2}{3}x-\dfrac{8}{3}\gt0$ の解は \[\boldsymbol{x\gt4}\] となる。
  4. 4の図
    右図より、$\overbrace{-7x+2}^{yの値}\geqq0$ となるのは $x\leqq\dfrac{2}{7}$ のとき、よって1次不等式 $-7x+2\geqq0$ の解は \[\boldsymbol{x\leqq\dfrac{2}{7}}\] となる。

1次不等式の解

$a\gt0$ の場合の、1次不等式と1次関数の解の関係はつぎのようにまとめることができる。

$y=ax+b$ のグラフy=ax+bのグラフ
$ax+b=0$ の解$x=-\dfrac{b}{a}$
$ax+b\gt0$ の解$x\gt-\dfrac{b}{a}$
$ax+b\geqq0$ の解$x\geqq-\dfrac{b}{a}$
$ax+b\lt0$ の解$x\lt-\dfrac{b}{a}$
$ax+b\leqq0$ の解$x\leqq-\dfrac{b}{a}$