条件の否定
否定の真理集合
条件の否定
条件 $p(x)$ に対して
「$p(x)$ ではない」
という主張は条件となり、条件 $p(x)$ の否定という。
条件 $p(x)$ の否定は、記号 $\overline{p(x)}$ で表すこともある。
条件の否定を表す図
いま、ある条件 $p(x)$ において、$x$ のとり得る範囲を考え、それを全体集合 $U$ とし、命題 $p(a)~\left(a{\in}U\right)$ が真となるような要素 $a$ の集合、つまり条件 $p(x)$ の真理集合を $P$ とする。
命題の否定でみたように、命題 $p(a)$ が偽のときに命題 $\overline{p(a)}$ は真になるので、条件 $\overline{p(x)}$ の真理集合は $P$ の補集合 $\overline{P}$ となる。
条件の否定
$x,y$ は実数とする。次の条件の否定を答えよ。
- $x=1$
- $x\geqq-2$
- $x+y\gt0$
- $x$ は無理数である
- 「$x$ は $1$ である」の否定は「$x$ は $1$ ではない」、よって \[\boldsymbol{x\neq{1}}\]
- 「$x$ は$-2$ 以上である」の否定は「$x$ は $-2$ 以上ではない」、つまり「$x$ は $-2$ より小さい」、よって \[\boldsymbol{x\lt-2}\]
- 「$x$ と $y$ を足したものは $0$ より大きい」の否定は「$x$ と $y$ を足したものは $0$ より大きくはない」、つまり「$x$ と $y$ を足したものは $0$ 以下である」、よって \[\boldsymbol{x+y\leqq0}\]
- 「$x$ は無理数である」の否定は「$x$ は無理数ではない」、つまり$\blacktriangleleft$ 無理数とは「有理数ではない数」、有理数とは「整数 $a$ と $0$ でない整数 $b$ によって $\dfrac{a}{b}$ の形で表せる数」である「$x$ は有理数である」