積の法則・和の法則

物を数えるときに使う考え方

先程の『整理して考えるということ』では、表や樹形図などを使って、情報を整理することを学んだ。このように整理してしまえば、理論的にはすべてのものの数を数えることができる。

しかし、表や樹形図を作成するにはあまりに数が大きすぎる場合があるので、表や樹形図を書かずとも、数を数えられるようにならなければいけない。

以下では、数を数えるときに使う、もっとも基本的な考え方である、積の法則と和の法則について確認する。これを応用すれば、表や樹形図を書かなくても、ものの数を数えることができるようになる。

吹き出し物を数えるときに使う考え方

ただし、これらの法則の背景に表や樹形図があるのだということは、忘れてはいけない。ただ闇雲に法則だけつかっても、何を数え上げているのかわからなければ本末転倒である。

積の法則

積の法則の例

積の法則の例

「3種類のケーキから1つ、2種類の飲み物から1つ選んで頼むケーキセットの決め方は何通りか」という問題は、次のように考えることができる。

まず、事柄A,Bを

  • A:ケーキを選ぶ
  • B:飲み物を選ぶ
とおくと、Aの方法3通りのそれぞれに対してBの方法2通りが決まるから、ケーキセットの決め方は \[3\times2=6通り\] と掛け算を使って計算できる。一般的には、次のようにまとめられる。

積の法則

2つの事柄A,Bについて、Aの起こり方が $a$ 通り、「そのそれぞれに対して」Bの起こり方が $b$ 通りあるとする。このときAとBがともに起こる場合は $a{\times}b$ 通りあり、これを積の法則 (multiplication law) という。

和の法則

和の法則の例

和の法則の例

「区別する大小2個のさいころを投げる場合、出た目の数の和が6の倍数となるのは何通りか」という問題は、次のように考えることができる。

まず、事柄A,Bを

  • A:出た目の数の和が6である
  • B:出た目の数の和が12である
とおくと、この2つの事柄が両方同時に起こることはないので、それぞれの事柄の起こる数 を足せばよく \[5+1=6通り\] と計算できる。

和の法則

2つの事柄A,Bについて、Aの起こり方が $a$ 通り、Bの起こり方が $b$ 通りあるとする。このとき、「Aであり、かつ、Bである」場合が「ないならば」AまたはBが起こる場合は $a+b$ 通りあり、これを和の法則 (sum law) という。