2円の関係
2円の位置関係(円の方程式)
2円の位置関係
2円の位置関係は,2円の半径と中心間の距離で決まり,以下の5つの状態がある.
2円の位置関係
2円の半径を$r_1,~r_2~(r_1 < r_2)$,中心間の距離を$d$とすると,以下のようになる.
2円の図 | |
2円の位置関係 | 離れている |
2円の共有点の個数 | 0個 |
2円の中心間の距離$d$ | $d > r1 + r2$ |
2円の図 | |
2円の位置関係 | 外接している |
2円の共有点の個数 | 1個(外接) |
2円の中心間の距離$d$ | $d = r1 + r2$ |
2円の図 | |
2円の位置関係 | 交わっている |
2円の共有点の個数 | 2個 |
2円の中心間の距離$d$ | $d < r1 + r2$ |
2円の図 | |
2円の位置関係 | 内接している |
2円の共有点の個数 | 1個(内接) |
2円の中心間の距離$d$ | $d > r2 − r1$ |
2円の図 | |
2円の位置関係 | 一方が他方を含む |
2円の共有点の個数 | 0個 |
2円の中心間の距離$d$ | $d > r2 − r1$ |
2円の関係
円$C_1$は$A$を中心とした半径$2$の円,円$C_2$は$B$を中心とした半径$5$の円とする.
$AB = 10$のとき,円$C_1$と$C_2$はどんな位置関係にあるか. また,$AB = 6$のとき,$AB = 2$のときはどうか.
$C_1$と$C_2$が外接するとき線分$AB$の長さを求めよ.また,内接するときはどうか.
$C_1$が$C_2$に含まれるための,線分$AB$の長さの条件を求めよ.
$AB = 10$のときは
共有点がなく
,$AB = 6$のときは
2点で交わり
,$AB = 2$のときは
円$C_1$が円$C_2$に含まれている.
外接のときは$AB = 7$,内接のときは$AB = 3$.
線分$AB$の長さが,内接するときより短ければよいので, $(0<)\boldsymbol{\text{AB}<3}$.
2円の共通接線
2円の共通接線
2円の共通接線の本数は,2円の位置関係によって異なる.
2円の共通接線
共通接線の本数 | 4本 | 2円と共通接線の図 |
2円の位置関係 | 離れている |
共通接線の本数 | 3本 | 2円と共通接線の図 |
2円の位置関係 | 外接している |
共通接線の本数 | 2本 | 2円と共通接線の図 |
2円の位置関係 | 交わっている |
共通接線の本数 | 1本 | 2円と共通接線の図 |
2円の位置関係 | 内接している |
共通接線の本数 | 0本 | 2円と共通接線の図 |
2円の位置関係 | 一方が他方を含む |
共通接線の方程式を求めるには,問題を図示し,図形的に考えることが不可欠である.
2円の共通接線
2つの円$C_1:(x+1)^2 +(y+1)^2=4,C_2:(x_2)^2 +(y-2)^2=1$がある. この2円に対し,共通内接線$l$,共通外接線$L$を考え, 2本ある$L$の交点を$P$とする.
共通内接線$l$の方程式を求めよ.
$P$の座標を求めよ.
共通外接線$L$の傾きを求めよ.
次の図のようにして,
2本の$l$は軸に平行な直線と分かり,その方程式は$\boldsymbol{x=1,~y=1}$である.
次の図のように, 2円の中心を$A,B$, 2接点を$S,T$とする. このとき,$\triangle{PSA}\backsim\triangle{PTB}$ であり,その相似比は$SA:TB = 2:1$.
よって,$AP:PB = 2:1$であるから,$ B$は線分の$AP$の中点となる.$P(a,~b)$とおけば
\begin{align} &\left(\dfrac{-1+a}{2},\dfrac{-1+b}{2}\right)=(2,~2)\\ &~~\Leftrightarrow~~(a,~b)=(5,~5) \end{align}よって,$\boldsymbol{P(5,~5)}$である.
$L$の傾きを$m$とおく.$L$は$P$を通るので
\begin{align} &y-5=m(x-5)~~\\ \Leftrightarrow&~~mx - y -5m +5=0 \end{align}が$L$の方程式となる. この直線と$B$の距離が,円$C_2$の半径$1$に等しくなればよいので
\begin{align} &\dfrac{|m\cdot 2 -2 -5m +5|}{\sqrt{m^2+1}}=1\\ \Leftrightarrow~&|-3m+3|=\sqrt{m^2+1}\\ \Leftrightarrow~&(3m-3)^2=m^2+1\\ \Leftrightarrow~&4m^2 -9m +4=0\\ &\therefore ~~\boldsymbol{m=\dfrac{9 \pm\sqrt{17}}{8}} \end{align}
2円の交点を通る円
2つの図形の交点を通る図形の方程式は,交点の座標を求めることなく得ることができる場合がある.それを次の例題で確認しよう.
2円の交点を通る円
2円$x^2+y^2+2x-9=0$ $\tag{1}\label{2ennokoutenwotooruen1}$と$x^2+y^2-6x-4y+3=0$ $\tag{2}\label{2ennokoutenwotooruen2}$について次の問に答えよ.
2円の共有点を通る直線の方程式を求めよ.
2円の共有点と点$(1,~-4)$を通る円の方程式を求めよ.
kを定数として
\begin{align} &k(x^2+y^2+2x-9)\\ &+x^2+y^2-6x-4y+3=0 \end{align} $\tag{3}\label{2ennokoutenwotooruennokaitou}$とすると,方程式$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$は,2つの円$\eqref{2ennokoutenwotooruen1}$,$\eqref{2ennokoutenwotooruen2}$の交点を通る図形を表す.
←理由は下の本文参照
$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$が直線を表すのは$k = − 1$のときなので,$\boldsymbol{2x+y-3=0}$となる.
←$k = − 1$とすると2次の項が打ち消しあって,1次の項つまり直線の方程式が残る
$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$が$(1,~-4)$を通るとき
\begin{align} &k(1+16+2-9)\\ &+1+16-6+16+3=0\\ \Leftrightarrow~&k=-3 \end{align}よって,求める方程式は$\boldsymbol{x^2+y^2+6x+2y-15=0}$となる.
無題
【解答の編集】
上の例題の2つの図形$\eqref{2ennokoutenwotooruen1}$と$\eqref{2ennokoutenwotooruen2}$の交点,すなわち方程式$\eqref{2ennokoutenwotooruen1}$と$\eqref{2ennokoutenwotooruen2}$を同時に満たす$(x,~y)$の値は$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$を満たす.これより,$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$は$\eqref{2ennokoutenwotooruen1}$と$\eqref{2ennokoutenwotooruen2}$の交点を通る方程式であることがわかる.
さらに,$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$を整理することにより,$k\neq-1$の場合には
\begin{align} &k(x^2+y^2+2x-9)\\ &+x^2+y^2-6x-4y=0\\ \Leftrightarrow~&(1+k)x^2+(1+k)y^2\\ &+(2k-6)x-4y-9k+3=0\\ \Leftrightarrow~&x^2+y^2+\dfrac{2k-6}{1+k}x\\ &-\dfrac{4}{1+k}y+\dfrac{3-9k}{1+k}=0 \end{align}と円の方程式〜標準形〜となり,円を表すことがわかる.
$\eqref{2ennokoutenwotooruennokaitou}$の$k$の値を変化させたときの図形を図に示した.