2次方程式の解と因数分解
ここまで、2次方程式の解法が2つあることをみてきたが、その2つを見比べてみよう。
- 因数分解を利用した解法 \begin{align} &x^2-3x-18=0\\ &(x-6)(x+3)=0\\ &\quad\blacktriangleleft 左辺の因数分解\\ &x=6,-3\\ &\quad\blacktriangleleft 方程式の解 \end{align}
- 解の公式を用いた解法 \begin{align} &x^2-5x-3\\ &???\\ &\quad\blacktriangleleft 左辺の因数分解\\ &x=\dfrac{5\pm\sqrt{5^2-4\cdot 1\cdot(-3)}}{2}\\ &\quad=\dfrac{5\pm\sqrt{37}}{2}\\ &\quad\blacktriangleleft 方程式の解 \end{align}
一般に、2解
$=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta$ が成立する。ここで
\begin{align}
x^2+ax+b=x^2-(\alpha+\beta)x+\alpha\beta
\end{align}
の係数を比較すると、次のようになる。
解と係数の関係
2次方程式 $x^2+ax+b=0$ に2解 $\alpha$、$\beta$ が存在するとき \[\alpha+\beta=-a~,~\alpha\beta=b\] が成立する。
吹き出し2次方程式の解と因数分解
解を足したら $x$ 係数にマイナスをつけたもの、解を掛けたら定数項になると覚えよう。
なお、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2解が $\alpha$、$\beta$ の場合には、この方程式全体を $a$ で割ることによって、$x^2+\dfrac{b}{a}x+\dfrac{c}{a}=0$ としてから考えればよい。つまり、$\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a}$、$\alpha\beta=\dfrac{c}{a}$ となる。
解と係数の関係
2次方程式 $2x^2+ax+b=0$ の2解が $x=\dfrac{1}{2}$、$-1$ であったとき、$a$、$b$ を求めよ。
$2x^2+ax+b=0$ の両辺を $2$ で割って、
\[x^2+\dfrac{a}{2}x+\dfrac{b}{2}=0\]
となる。この2次方程式の2解が $x=\dfrac{1}{2}$、$-1$ になるので
\[\dfrac{1}{2}+(-1)=-\dfrac{a}{2}~,~\dfrac{1}{2}\times(-1)=\dfrac{b}{2}\]
$\blacktriangleleft~-\dfrac{a}{2}$の符号に注意
これより、$\boldsymbol{a=1,~b=-1}$ である。
$\blacktriangleleft$実際に $2x^2+x-1=0$ を解いて確認しよう