2次方程式の解の個数
解自体ではなく解の個数だけならば、判別式 $D$ を調べればよい。
2次方程式の判別式と解の個数
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解について
- $D=b^2−4ac\gt0$ のとき、解は2つ存在する。
$D=b^2−4ac=0$ のとき、解は1つ存在する。
このただ1つの解は重解 (multiple solution) とよばれる。
- $D=b^2−4ac\lt0$ のとき、解は存在しない。
吹き出し2次方程式の解の個数
$D=0$ のとき、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は \[x=\dfrac{-b+\sqrt{0}}{2a},~~\dfrac{-b-\sqrt{0}}{2a}\] であり、どちらも $x=-\dfrac{b}{2a}$ に等しい。本来2つあるはずの値が等しくなり、解が重なってしまったので、その解を重解とよぶのである。
2次方程式の解の個数の判別
2次方程式 $x^2-(k-1)x+\dfrac{1}{4}k^2+k+1=0$ の解の個数は、定数 $k$ の値によってどのように変わるか調べよ。
2次方程式 $x^2-(k-1)x+\dfrac{1}{4}k^2+k+1=0$ の判別式を $D$ とすると \begin{align} D&=\{-(k-1)\}^2-4\cdot1\cdot\left(\dfrac{1}{4}k^2+k+1\right)\\ &=k^2-2k+1-k^2-4k-4\\ &=-6k-3 \end{align}
$-6k-3\gt0$、つまり $k\lt-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D\gt0$ となり、方程式の解は2つ存在する。
$-6k-3=0$、つまり $k=-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D=0$ となり、方程式の解は1つ存在する。
$\blacktriangleleft$つまり重解をもつ$-6k-3\lt0$、つまり $k\gt-\dfrac{1}{2}$ のとき
$D\lt0$ となり、方程式の解は存在しない。
- $\boldsymbol{k\lt-\dfrac{1}{2}のとき2個}$
- $\boldsymbol{k=-\dfrac{1}{2}のとき1個}$
- $\boldsymbol{k\gt-\dfrac{1}{2}のとき0個}$
2次方程式の解の個数の判別($x$の係数が偶数の場合)
2次方程式 $3x^2-2(m+1)x+\dfrac{1}{3}m^2+m=0$ の解の個数は、定数 $m$ の値によってどのように変わるか調べよ。
2次方程式 $3x^2-2(m+1)x+\dfrac{1}{3}m^2+m=0$ の判別式を $D$ とすると \begin{align} \frac{D}{4}=&\{-(m+1)\}^2-3\cdot\left(\dfrac{1}{3}m^2+m\right)\\ =&m^2+2m+1-m^2-3m\\ =&-m+1 \end{align} $\blacktriangleleft$ $x$ の係数が偶数の場合の解の公式参照
$-m+1\gt0$、つまり $m\lt1$ のとき
$\dfrac{D}{4}\gt0$ となり、方程式の解は2つ存在する。
$-m+1=0$、つまり $m=1$ のとき
$\dfrac{D}{4}=0$ となり、方程式の解は1つ存在する。
$\blacktriangleleft$ 重解をもつ$-m+1\lt0$、つまり $m\gt1$ のとき
$\dfrac{D}{4}\lt0$ となり、方程式の解は存在しない。
- $\boldsymbol{m\lt1のとき2個}$
- $\boldsymbol{m=1のとき1個}$
- $\boldsymbol{m\gt1のとき0個}$