空間図形の表面積比と体積比

相似比が $m:n$ である、2つの相似な三角錐について、表面積比 $S:S'$ と体積比 $V:V'$ を考えてみよう。

空間図形の表面積比と体積比

空間図形の表面積比と体積比

右の図のように、2つの立体が相似ならば、対応する表面の図形も互いに相似である。

それゆえ、相似比が $m:n$ の図形の表面比は $S:S'=m^2:n^2$ となる。

また、左の三角推の底面積と高さを $T$、$h$ とすると、右の三角錐の底面積と高さは $T\times\dfrac{n^2}{m^2}$、$h\times\dfrac{n}{m}$ となるから \begin{align} V:V'=&\dfrac{1}{3}Th:\dfrac{1}{3}\times\dfrac{Tn^2}{m^2}\times\dfrac{hn^2}{m^2}\\ =&1:\dfrac{n^3}{m^3}\\ =&m^3:n^3 \end{align} となる。

また、一般の空間図形においても、次のことが成り立つ

相似な空間図形の表面積比と体積比

相似比が $m:n$ である2つの空間図形について

  1. それぞれの表面をなす図形は相似であり、その相似比は $m:n$ である。
  2. 表面積比は $m^2:n^2$ である。
  3. 体積比は $m^3:n^3$ である。

相似比と面積比・体積比

相似比と面積比・体積比

相似比と面積比・体積比

右図のような円錐 $\text{T}$ を切り、上にできた円錐を $\text{S}$ とする。

  1. $\text{S}$ と $\text{T}$ は相似である。相似比を求めよ。
  2. $\text{S}$ と $\text{T}$ の表面積比を求めよ。
  3. $\text{T}$ から $\text{S}$ を除いた図形を $\text{U}$ とする。$\text{S}$ と$\text{U}$ の体積比を求めよ。

  1. 母線の長さの比から、$\boldsymbol{3:5}$
  2. 1より、表面積比は $3^2:5^2=\boldsymbol{9:25}$
  3. 1より、$\text{S}$ と $\text{T}$ の体積比は $3^3:5^3=27:125$ つまり、$\text{S}$ と $\text{U}$ の体積比は $27:(125-27)=\boldsymbol{27:98}$

空間図形の表面積比と体積比

空間図形の表面積比と体積比

空間図形の表面積比と体積比

正四面体のそれぞれの辺の中点を結ぶと、正八面体ができる。このとき、つぎの問に答えよ。

  1. この正四面体と正八面体の表面積比を求めよ。
  2. この正四面体と正八面体の体積比を求めよ。

  1. まず、正四面体の1つの面も、正八面体の1つの面も正三角形であり、互いに相似である。相似比は $2:1$ であるから、面積比は $2^2:1^2=4:1$ である。

    正四面体の1つの面の面積を $S$ とすると、正四面体の表面積は $4S$、正八面体の表面積は $8\times\left(\dfrac{S}{4}\right)=2S$ である。

    よって、求める比は $4S:2S=\boldsymbol{2:1}$ である。

  2. 正八面体は、もとの正四面体から4つの小さい正四面体を除いたものである。

    もとの正四面体と小さい正四面体の相似比は $2:1$ だから、体積比は $2^3:1^3=8:1$、つまり、正四面体の体積を $V$ とすると小さい正四面体の体積は $\dfrac{V}{8}$。よって、正八面体の体積は $V-4\times\left(\dfrac{V}{8}\right)=\dfrac{V}{2}$ となり、求める比は $V:\dfrac{V}{2}=\boldsymbol{2:1}$ である。