$180^\circ-\theta$ の三角比
図のように、単位円周上に角 $\theta$ の動径 $\text{OP}$ と角 $180^\circ-\theta(=θ'とする)$ の動径 $\text{OP'}$ をとる。
$180^\circ-\theta$ の三角比
点 $\text{P}$ の座標を $(x,y)$ とすると、点 $\text{P'}$ の座標は $(-y,x)$ となるから \[\sin\theta'=y=\sin\theta\] \[\cos\theta'=-x=-\cos\theta\] \[\tan\theta'=\dfrac{y}{-x}=-\dfrac{y}{x}=-\tan\theta\] と表すことができる。
ここで、$\theta'=180^\circ-\theta$ であるから、次のようにまとめることができる。
$180^\circ-\theta$ の三角比
角$\theta$ が $0^\circ\leqq\theta\leqq180^\circ$ の三角比において \[\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta\] \[\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta\] \[\tan(180^\circ-\theta)=-\tan\theta\] が成り立つ。
吹き出し$180^\circ-\theta$ の三角比
「$180^\circ-\theta$ の三角比は $\theta$ だけを使った三角比で表せる」ということを覚えておくのが大切であり、この式も暗記するようなものではない。やはり、必要なときに、上の図を描いて素早く導出できるようにしておけばよい。
これからも、$90^\circ\lt\theta\leqq180^\circ$ の三角比は、$0^\circ\lt\theta\leqq90^\circ$ の三角比になおして、その値を求めることができる。
$180^\circ-\theta$ の三角比の利用
次の式を満たすように $\fbox{A}$ の中に $90^\circ$ より小さい角を入れよ。
- $\sin100^\circ=\sin\fbox{A}$
- $\cos179^\circ=-\cos\fbox{A}$
- $\tan125^\circ=-\tan\fbox{A}$
- $\blacktriangleleft$ $\sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta$$\sin100^\circ=\sin(180^\circ-80^\circ)=\sin80^\circ$
- $\blacktriangleleft$ $\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta$$\cos179^\circ=\cos(180^\circ-1^\circ)=-\cos1^\circ$
- $\blacktriangleleft$ $\tan(180^\circ-\theta)=-\tan\theta$$\tan125^\circ=\tan(180^\circ-55^\circ)=-\tan55^\circ$