ボールと箱のモデル1

$_{5}\mathrm{P}_{3}$ の定義は

「区別する5個のものから3個とりだして1列に並べるときの並べ方の総数」

であったが,これは以下に示すボールと箱のモデルを使って

「区別する3個のボールを,区別する5個の箱に多くても1個配る場合の総数」

といいかえることができる.

準備として,ボールは区別するので番号をつけ,それを①,②,③とし, 箱も区別するので番号をつけ,それを

としておく.

まず,ボール①を箱に配ることを考えると,箱は5つあるので5通りの場合がある.

次に,ボール②を箱に配ることを考えると,すでにボール①は箱に配られていて 残りの箱は4つあるので,4通りの場合がある.

さらに,ボール③を箱に配ることを考えると,すでにボール①と②は 箱に配られていて残りの箱は3つあるので,3通りの場合がある.

以上から,ボールの箱への配り方は $5\times4\times3$ 通りあり,これは $_{5}\mathrm{P}_{3}$ と一致する.

一般に,次のようにまとめることができる.

順列 $_{n}\mathrm{P}_{r}$ のボールと箱のモデル

順列 $_{n}\mathrm{P}_{r}$ はボールと箱のモデルを用いて

「区別する $r$ 個のボールを,区別する $n$ 個の箱に高々1個配る場合の総数」

と考えることができる.