重複組合せnHrの計算
区別する n 個のものから,繰り返し用いることを許して, r 個取り出して作る組の総数 nHr も,先程の例と同じように考えることができる.
まず,右図のように, r 個の ◯ と,( n 個の入る場所を作るための) n−1 個の“しきり” ∣ を並べる. こうしておいてから,区別しない r 個の ◯ と区別しない n−1 個の ∣ の計 r+n−1 個のものを並べたときの 『同じものを含む順列』を計算すればよいので
nHr=C(r, n−1)= r+n−1Crとなる.普通 nHr を計算するには,このように ◯ と ∣ の並べ方を考えて r+n−1Cr に帰着してから計算するとよい.
さて,ここでさらに r+n−1Cr の計算をすすめてみると
r+n−1Cr= (r+n−1)!(n−1)!r!= r個の積⏞(r+n−1)(r+n−2)⋯n(n−1)⋯2⋅1(n−1)⋯2⋅1⋅r!= r個の積⏞n(n+1)⋯(n+r−2)(n+r−1)r(r−1)⋯2⋅1つまり
nHr=r個の積⏞n(n+1)⋯(n+r−2)(n+r−1)r(r−1)⋯2⋅1と計算することもできる.この式は, nCr と比較すると覚えやすい.例えば
6C3=下がっていく→6⋅5⋅43⋅2⋅1, 6H3=上がっていく→6⋅7⋅83⋅2⋅1である.
以上,まとめると
重複組合せ nHr の計算
区別する n 個のものから,繰り返し用いることを許して, r 個取り出して作る組の総数 nHr は,同じものを含む順列の考え方で計算でき
nHr= C(r,n−1)= r+n−1Cr= r個の積⏞n(n+1)⋯(n+r−2)(n+r−1)r(r−1)⋯2⋅1となる.
重複組合せの計算練習
次の値を求めよ.
- 7H2
- 4H3
- 5H3
- 3H5
- 7H2= 7+2−1C2=8⋅72⋅1=28
- 4H3= 4+3−1C3=6⋅5⋅43⋅2⋅1=20
- 5H3= 5+3−1C3=7⋅6⋅53⋅2⋅1=35
- 3H5= 3+5−1C5=7⋅6⋅5⋅4⋅35⋅4⋅3⋅2⋅1=21
7H2=7⋅82⋅1 と計算してもよい
4H3=4⋅5⋅63⋅2⋅1 と計算してもよい
5H3=5⋅6⋅73⋅2⋅1 と計算してもよい
3H5=3⋅4⋅5⋅6⋅75⋅4⋅3⋅2⋅1 と計算してもよい