互いに素な数の性質

互いに素な数の性質

互いに素な数については,次のような性質がある.

互いに素な数の性質

$a,b$ が互いに素であるとき,

$bc$ が $a$ で割り切れるならば, $c$ が $a$ で割り切れる.

が成り立つ.ただし, $c$ は整数である.

【証明】

$a$ と $b$ は互いに素であるから,最大公約数と最小公倍数の積より, $a$ と $b$ の最小公倍数は $ab$ である.

$bc$ は $b$ の倍数であり,仮定より $a$ の倍数でもあるから, $ab$ の公倍数である.

公倍数は最小公倍数の倍数より, $bc$ は $ab$ の公倍数である.すなわち,適当な整数 $m$ を使って

\[bc = abm\]

と表せる.この両辺を $b$ で割って, $c=am$ ,すなわち $c$ は $a$ で割り切れる.