an=(等差数列の項)×(等比数列の項)の和
この (1) のように, (等差数列)×(等比数列) で表される数列の,初項から第 n 項までの和は次のように求めることができる.
STEP1
初項から第 n 項までの和 Sn を書き下す.
Sn=1+2⋅2+⋯+(n−1)⋅2n−2+n⋅2n−1⏟n個の項STEP2
この式の辺々を2倍(公比倍)した式を書く.
2Sn=1⋅2+2⋅22+⋯+(n−1)⋅2n−1+n⋅2n⏟n個の項STEP3
上の2つの式を並べる.このとき,下のように,2倍(公比倍)した式の方を右に1段ずらして書いておく.

STEP4
上の式から下の式を引く.

STEP5
このとき,必ず等比数列の和が現れるので,その部分を計算する.
−Sn=1+1⋅2+1⋅22+⋯+1⋅2n−2+1⋅2n−1⏟初項1公比2の等比数列−n⋅2n=1⋅(1−2n)1−2−n⋅2n=2n−1−n⋅2n=−(n−1)2n−1式全体に −1 を掛けて
Sn=(n−1)2n+1を得る.
解法をまとめておこう.
an=(等差数列の項)×(等比数列の項) の和の解法
STEP1:和を書き下す.
STEP2:和を公比倍したものを書く.
STEP3:上の2式をずらして並べる.
STEP4:項のかたまりを崩さないように差を取る.
STEP5:等比数列の和を見つけて計算し, Sn を求める.
等差 × 等比型数列の和~その1~
次の和 S を求めよ.
S=1+3⋅2+5⋅22+⋯+(2n−1)⋅2n−1公比を掛けて差をとると
S=1+3⋅2+5⋅22+⋯+(2n−1)⋅2n−12S=1⋅2+3⋅22+⋯+(2n−1)⋅2nより
−S= 1+2(2+22+⋯+2n−1)−(2n−1)⋅2n= 1+2⋅2(2n−1−1)2−1−(2n−1)⋅2n= 1+2⋅(2n−2)−(2n−1)⋅2n= −3−(2n−3)⋅2nよって, \boldsymbol{S=3+(2n-3)\cdot2^n} である.
等差 \times 等比型数列の和~その2~
次の和 S を求めよ.
S=1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1}x=1,x\neq1 で場合分けを行なう.
- x=1 のとき \begin{align} S&=1+2+3+\cdots+n\\ &=\boldsymbol{\frac{1}{2}n(n+1)} \end{align}
- x\neq1 のとき \begin{align} S&=1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1}\\ xS&=x+2x^2+\cdots+(n-1)x^{n-1}+nx^n \end{align}
より
\begin{align} (1-x)S&=1+(x+x^2+\cdots+x^{n-1})-nx^n\\ &=1+\frac{x(1-x^{n-1})}{1-x}-nx^n\\ \end{align}\blacktriangleleft 初項 x ,公比 x ,項数 n-1 の等比数列の和
よって
\begin{align} S&=\frac{1-nx^n}{1-x}+\frac{x(1-x^{n-1})}{(1-x)^2}\\ &=\frac{(1-nx^n)(1-x)+x(1-x^{n-1})}{(1-x)^2}\\ &=\boldsymbol{\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{(1-x)^2}} \end{align}