${\Sigma}k(k+1)$($1$~$n$項まで)の求め方
一般項 $a_n$ が
\[a_n=n(n+1)\]で与えられる数列は,具体的に書くと
\begin{array}{c} \boxed{1}&\boxed{2}&\boxed{3}&\boxed{4}&\boxed{5}&\\ 1\cdot2,&2\cdot3,&3\cdot4,&4\cdot5,&5\cdot6,&\cdots \end{array}となる.このように,『2 つの連続した数の積』で表される数列の,初項から第 $n$ 項までの和は次のような手順で求めることができる.
$\text{STEP}1$
$a_n=n(n+1)$ の2連続数に着目して, $n,n+1$ の $"続き"$ である $n+2$ を $a_n$ に掛けたものから, $n,n+1$ の $"1 つ前"$ である $n-1$ を $a_n$ に掛けたものを引く
\[\underbrace{n(n+1)}_{a_n}(n+2)-(n-1)\underbrace{n(n+1)}_{a_n}\]$\text{STEP}2$
共通因数 $n(n+1)$ のかたまりを崩さないようにまとめ, $n(n+1)$ について解く.
\begin{align} &\ n(n+1)(n+2)-(n-1)n(n+1)\\ =\ &n(n+1)\{(n+2)-(n-1)\}\\ =\ &3n(n+1) \end{align}よって
\begin{align} n(n+1)&=\frac{1}{3}\{n(n+1)(n+2)\\ &\qquad-(n-1)n(n+1)\} \end{align}$\text{STEP}3$
この関係式を利用して,初項から第 $n$ 項までの和を,具体的に書き出してみる.
\begin{align} &\sum_{k=1}^nk(k+1)\\ =&\sum_{k=1}^n\bigg[\dfrac{1}{3}\{k(k+1)(k+2)\\ &\qquad-(k-1)k(k+1)\}\bigg]\\ =&\dfrac{1}{3}\sum_{k=1}^n\{k(k+1)(k+2)-(k-1)k(k+1)\}\\ =&\dfrac{1}{3}\big[(1\cdot2\cdot3-0\cdot1\cdot2)\\ &\qquad+(2\cdot3\cdot4-1\cdot2\cdot3)\\ &\qquad+(3\cdot4\cdot5-2\cdot3\cdot4)+\cdots\\ &\qquad+\{(n-1)n(n+1)\\ &\qquad-(n-2)(n-1)n\}\\ &\qquad+\{n(n+1)(n+2)\\ &\qquad-(n-1)n(n+1)\}\big] \end{align}$\text{STEP}4$
相殺して消える部分ができるので,下のように消していくと,和が求まる.
以上,まとめておこう.
2連続数の積の数列の和
\[\sum_{k=1}^nk(k+1)=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)\]