階差型漸化式
次の問題について考えてみよう.
階差型漸化式~その1~
$a_1=1,a_{n+1}=a_n+n^2\quad(n\geqq1)$ で定まる数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を $n$ の式で表せ.
このようなタイプの漸化式は, $a_n$ を移項して
\begin{align} &a_{n+1}=a_n+n^2\\ \Leftrightarrow\ &a_{n+1}-a_n=n^2 \end{align}と変形すると,数列 $\{a_n\}$ の階差数列 $\{b_n\}$ の一般項が $b_n=n^2$ として与えられているものだと考えられる.
よって,階差数列の公式を利用してやれば, $n\geqq2$ で
\begin{align} a_n&=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\ &=1+\sum_{k=1}^{n-1}k^2\\ &=1+\frac{1}{6}(n-1)n(2n-1) \end{align}となる.また,この式の右辺の $n$ に1を代入すると,1となり $a_1$ に一致するから,この式は $n=1$ でも成立する.
以上から, $n\geqq1$ で $a_n=1+\dfrac{1}{6}(n-1)n(2n-1)$ となる.
吹き出し無題
ポイントは「階差数列の一般項が与えられている」と気づくことである.