階差型漸化式の解法

階差型漸化式~その2~

$a_1=1,a_{n+1}=a_n+3n^2+n\quad(n\geqq1)$ で定まる数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を $n$ の式で表せ.

漸化式 $a_{n+1}=a_n+3n^2+n$ を変形すると

\begin{align} &a_{n+1}=a_n+3n^2+n\\ \Leftrightarrow\ &a_{n+1}-a_n=3n^2+n \end{align}

$\blacktriangleleft$ 階差型漸化式の特徴は, $a_{n+1}$ と $a_n$ の係数が等しいことにある

となるので,数列 $\{a_n\}$ の階差数列 $\{b_n\}$ とすれば

\[b_n=a_{n+1}-a_n=3n^2+n\]

であることがわかる.

ここで, $n\geqq2$ のとき

$\blacktriangleleft$ 階差数列の公式は, $n\geqq2$ でないと使えない

\begin{align} a_n&=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\ &=1+\sum_{k=1}^{n-1}(3k^2+k)\\ &=1+\frac{3}{6}(n-1)n(2n-1)+\frac{1}{2}(n-1)n\\ &=1+\frac{1}{2}(n-1)n\{(2n-1)+1\}\\ &=1+(n-1)n^2 \end{align}

$\blacktriangleleft$ 階差数列の一般項

この式の右辺の $n$ に1を代入すると,1となり,これは $a_1$ に一致する.

$\blacktriangleleft$ $n=1$ でもあてはまるか代入してチェックする

したがって,求める一般項は

\[\boldsymbol{a_n=1+(n-1)n^2}\]

階差型漸化式の解法

$\text{STEP}1$

漸化式 $a_{n+1}=a_n+f(n)$ を次のように変形する.

\[a_{n+1}-a_n=f(n)\]

$\text{STEP}2$

このとき,式 $f(n)$ は数列 $\{a_n\}$ の階差数列の一般項となっているので,階差数列の公式を用いて $a_n$ を求める.

\[a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\]

$\text{STEP}3$

$n=1$ での成立を忘れずにチェックして完成.