等比数列の漸化式に帰着させる(3項間)
漸化式
\[a_{n+1}=3a_n+2\tag{1}\label{touhisuretunikityaku1}\]において注目すべきは $a_n$ の係数(=3)である.具体的に数列を書き並べていくと,数列 $\{a_n\}$ は約3倍ずつ増えていっていることがわかるだろう.
しかしさきほど述べたように,純粋に3倍されているわけではないので等比数列ではない.原因は漸化式 $\eqref{touhisuretunikityaku1}$ で定数(=2)が加えられているためである.そこで,この定数をうまく消去して,最終的に等比数列の性質から一般項を求める方針で考えてみよう.
定数(=2)を消去するために, $a_{n+1}$ と $a_n$ を $x$ に置きなおした等式を考える.
\[x=3x+2\tag{2}\label{touhisuretunikityaku2}\]$\eqref{touhisuretunikityaku1}$ と $\eqref{touhisuretunikityaku2}$ の式を並べて引き算する.
\begin{array}{c} &a_{n+1}&=&3a_n&+&2\\ -)&x&=&3x&+&2\\\hline &a_{n+1}-x&=&3(a_n-x) \end{array}これで定数部分を消去することができた.
また, $a_n-x=b_n$ と置きなおすと, $b_{n+1}=3b_n$ となることからもわかるように,等比数列の漸化式に帰着することができた.