ベクトルの実数倍に関する計算法則
ベクトルの実数倍に関する計算法則
ベクトルの実数倍の結合法則
\[m(n\vec{a}) = (mn)\vec{a}\]ベクトルの実数倍に対する分配法則
\[(m + n)\vec{a} = m\vec{a} + n\vec{a}\]実数倍のベクトルに関する分配法則
\[m(\vec{a} + \vec{b}) = m\vec{a} + m\vec{b}\]
【証明】
たとえば右図のように,$3(2\vec{a})$ は $2\vec{a}$ の向きを変えずに大きさを $3$ 倍したベクトルであるが,これは $\vec{a}$ を向きを変えずに $6$ 倍したベクトルと等しい.つまり
\[3(2\vec{a})=6\vec{a}\]一般に,ベクトルの実数倍に関して
\[m(n\vec{a})=(mn)\vec{a}\]が成り立つ.これらは同じベクトルを表すため区別する必要がないので,括弧を省略して単に $mn\vec{a}$ と書くこともある.
たとえば右図のように,$(3+2)\vec{a}$ つまり $5\vec{a}$ は,$3\vec{a}$ と $2\vec{a}$ の和つまり $3\vec{a}+2\vec{a}$ と等しい.つまり
\[(3+2)\vec{a}=3\vec{a}+2\vec{a}\]一般に,ベクトルの実数倍に関して
\[(m+n)\vec{a}=m\vec{a}+n\vec{a}\]が成り立つ.
たとえば右下図のように,$\vec{a}=\overrightarrow{\text{OA}}$ と $\vec{b}=\overrightarrow{\text{OB}}$ で張られる平行四辺形 $\text{OACB}$ と,$2.5\vec{a}=\overrightarrow{\text{OD}}$ と $2.5\vec{b}=\overrightarrow{\text{OE}}$ で張られる平行四辺形 $\text{ODFE}$ を考える.
このとき,平行四辺形 $\text{OACB}$ と平行四辺形 $\text{ODFE}$ は相似な図形となり,その相似比は $1:2.5$ となるので
\[\overrightarrow{\text{OF}}=2.5\overrightarrow{\text{OC}}=2.5(\vec{a}+\vec{b})\]となる.また,ベクトルの和から
\[\overrightarrow{\text{OF}}=\overrightarrow{\text{OD}}+\overrightarrow{\text{OE}}=2.5\vec{a}+2.5\vec{b}\]でもあるから
\[2.5(\vec{a}+\vec{b})=2.5\vec{a}+2.5\vec{b}\]が成り立つ.
一般に,ベクトルの実数倍に関して
\[m(\vec{a}+\vec{b})=m\vec{a}+m\vec{b}\]が成り立つ.
ベクトルの和,差,実数倍
無題
右の図のようにベクトル$\vec{a},\vec{b},\vec{c}$ をおくとき,次のベクトルを作図せよ.
- $ −\dfrac{1}{2}\vec{a}$
- $ 2\vec{a} +\vec{c}$
- $ 2\vec{b} − 3\vec{c}$
- $ \vec{a} + \vec{b} +\vec{c}$
- 図示すると下図のようになる.
- 図示すると下図のようになる.
- 図示すると下図のようになる.
- 図示すると下図のようになる.