$y=a(x-p)+q$ のグラフ

最後に、$y=a(x-p)$ の右辺に $q$ を加えた \[y=a(x-p)+q\] という形をした1次関数のグラフについて考えてみよう。

$y=2(x-3)+1$ のグラフ

$y=2(x-3)+1$ のグラフ

たとえば $y=2(x-3)+1$ のグラフについて考えてみよう。これは、$y=2x$ のグラフを $x$ 軸方向に $3$ 平行移動した \[y=2(x-3)\] のグラフを、さらに $y$ 軸方向に $1$ 平行移動した \[y=2(x-3)+1\] のグラフを表している。

また、$y=2(x-3)+1$ のグラフは、原点より $x$ 軸方向に $3$ 大きく、$y$ 軸方向に $1$ 大きい点 $(3,~1)$ を通ることがわかる。

$y=a(x-p)+q$ のグラフ

$y=a(x-p)+q$ のグラフは、$y=ax$ のグラフを
「$x$ 軸方向に $p$ だけ平行移動し、$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動」
した直線である。また、このグラフは $(p,~q)$ を通る。

また、$y=2(x-3)+1$ は、計算によって $y=2x-5$ や $y=2\left(x-\dfrac{5}{2}\right)$ とも表せるので、$y=2x$ を $y$ 軸方向に $-5$ 平行移動したものともいえるし、$x$ 軸方向に $\dfrac{5}{2}$ 平行移動したものともいえる。このことを、上のグラフで確認しておくこと。

「1次関数 $y=ax+b$ のグラフ」のことを
「直線 $y=ax+b$」
ということがある。このときの $y=ax+b$ は、直線の方程式 (equation of line) といわれる。

1次関数のグラフ

次の1次関数のグラフはすべて、$y=2x$ のグラフを平行移動してできる。それぞれ、$x$ 軸方向、$y$ 軸方向にいくつ平行移動が行われたのか、式の形から読み取れ。

また、それぞれのグラフを座標平面上に描け。

  1. $y=2(x+2)$
  2. $y=2(x+3)-1$

  1. 1の図
    $y=2\left\{x-(-2)\right\}$ であるので、$y=2x$ のグラフを $x$ 軸方向に $-2$ 平行移動したグラフである。座標平面上に表すと右図のようになる。
  2. 2の図
    $y=2\left\{x-(-3)\right\}-1$ であるので、$y=2x$ のグラフを $x$ 軸方向に $-3$ 平行移動し、$y$ 軸方向に $-1$ 平行移動したグラフである。座標平面上に表すと右図のようになる。