命題と真・偽について

式や文章で表された事柄で、“正しい”か“正しくない”かのどちらか一方に定まるものを命題めいだい (proposition) という。「カレーライスはおいしい」のように、“正しい”か“正しくない”かの判断が人によって異なるものや、「今何時?」のように、“正しい”か“正しくない”がそもそも決定できないものは、命題として扱わない。

命題が“正しい”とき、その命題はしん (true) であるといい、命題が“正しくない”とき、その命題は (false) であるという。

(注)

数を $a,b,c,\cdots$ などのアルファベットで表すように、命題もアルファベットの $p,q$ などで表す。

命題と真・偽

式や文章で表された事柄で、“正しい”か“正しくない”かのどちらか一方に定まるものを命題めいだい (proposition) という。命題が“正しい”とき、その命題はしん (true) であるといい、命題が“正しくない”とき、その命題は (false) であるという。

真・偽の判断

次の命題の真偽をいえ。

  1. $\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{2}{5}$
  2. $2^{16}=65536$
  3. $x^2=9$ ならば $x=3$
  4. $x=3$ ならば $x^2=9$
  5. 整数$a$、$b$の積が偶数ならば、$a$または$b$は偶数である。
  6. 整数$a$、$b$の積が奇数ならば、$a$と$b$はともに奇数である。

  1. $\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{3}=\dfrac{3}{6}+\dfrac{2}{6}=\dfrac{5}{6}$ なので、この命題は

    である。
  2. 計算すれば正しいとわかる。よって、この命題は

    である。
  3. $x^2=9$ のとき、$x=-3,~3$ である。
    $\blacktriangleleft$ $x=-3,~3$ の「$~,~$」は「または」の意味である
    よって、$x=3$ とはいいきれないので、この命題は
    である。
  4. $x=3$ のときは、例外なく $x^2=9$ となるので、この命題は

    である。
  5. $a$ と $b$ の偶奇には、(偶数,遇数)、(偶数,奇数)、(奇数,遇数)、(奇数,奇数)の4つの場合があるが、$ab$ が偶数になるのは、(偶数,遇数)、(偶数,奇数)、(奇数,遇数)の3つの場合、つまり $a$ または $b$ が偶数の場合である。よって、この命題は
    $\blacktriangleleft$ 「$a$ または $b$ は偶数」には、「$a,b$どちらか一方が偶数」だけでなく「$a,b$両方とも偶数」の場合も含まれる

    である。
  6. 5と同様に考え、$ab$が奇数であるとき、$a$ と $b$ はともに奇数である。よって、この命題は

    である。