川を渡らずに川幅を知る方法

川の図

川の図

次の図において、川を渡ることなく、C点から対岸のB点までの距離BCを求めるにはどうしたらよいだろうか。

まず、C点から見て、直線CBと直角の方向にA点を適当に定め、C点からA点までの距離を測る。

たとえば、これは40mであったとする。次に、A点から見て、直線ABと直線ACのつくる角の大きさを測る。たとえば、これは $35^\circ$ であったとする。

$\triangle\text{ABC}$ の縮図

$\triangle\text{ABC}$ の縮図

$\triangle\text{ABC}$ は $\angle\text{C}$ が直角の直角三角形であるから、この縮図 $\triangle\text{A'B'C'}$ を、たとえば、$\text{A'C'}=3\text{cm}$ として描くと図のようになる。

そこで、辺$\text{B'C'}$ の長さを測ると約 $\fbox{ア}\text{cm}$ になっている(実際に定規じょうぎで測ってみよう)。

ここで、$\triangle\text{ABC}$ と $\triangle\text{A'B'C'}$ は相似であるから \[\dfrac{\text{CB}}{\text{AC}}=\dfrac{\text{C'B'}}{\text{A'C'}}\fallingdotseq\dfrac{\fbox{ア}}{3}=\fbox{イ}\] が成り立つ。この値は、いわばACに対するCBの倍率であることに注意しよう。

実際には、$\text{AC}=40\text{m}$ であったから \[\text{BC}\fallingdotseq\text{AC}\times\fbox{イ}=40\text{m}\times\fbox{イ}=\fbox{ウ}\text{m}\] と計算できる。

このように、実際に川を渡らずとも距離BCが求められたのは、適当な縮図 $\triangle\text{A'B'C'}$ を使い、ACに対するCBの倍率(比)を計算したためである。この値は縮図の大きさによらない、$35^\circ$ という角度に関する固有の値である。

$\fbox{ア},~\fbox{イ},~\fbox{ウ}$ の答え \[\fbox{ア}=2.1,~\fbox{イ}=0.70,~\fbox{ウ}=28\]