補集合での考え方

補集合の利用

1,2,3,4,5,6の数字が書いてあるさいころを1回振り,さらに1,2,3,4の数字が書いてある4枚のカードから1枚引くとする.

2つの数字の和が4の倍数とは"ならない"のは何通りか.

積の法則・和の法則の利用の例題(1)で求めた全体24通りのうち,「2つの数字の和が4の倍数となる」のは(2)より,6通りである.

よって,「2つの数字の和が4の倍数とは

ならない

」のは

$24-6=\boldsymbol{18}$ 通り.

《補足》 このことを,集合で表現すると以下のようになる.

全体集合 $U$ を $U=A\times{B}$ とおくと,求める場合の数は $n(\overline{P\cup{Q}})$ であるから

\begin{align} n(\overline{P\cup{Q}}) &= n(U)-n(P\cup{Q})\\ &= 24-6=\boldsymbol{18}通り \end{align}

この問題は,補集合の考え方を使わなくても,例えば和の法則で次のように解くこともできる.

$A_1$ :「カードの数字が1の場合で2つの数字の和が4の倍数になる」

$A_2$ :「カードの数字が2の場合で2つの数字の和が4の倍数になる」

$A_3$ :「カードの数字が3の場合で2つの数字の和が4の倍数になる」

$A_4$ :「カードの数字が4の場合で2つの数字の和が4の倍数になる」

とおくと,どの2つの事柄も同時におこることがないので

$5+4+4+5=\boldsymbol{18}$ 通り

となるが,補集合を考えたときに比べてかなり面倒である.

そこで,次のような原則を引き出すことができるだろう.

補集合で考えるときのポイント

全体集合 $U$ に対して, $n(X)$ を数えるよりも $n(\overline{X})$ を数えるほうが数えやすいとき

\[n(X)=n(U)-n(\overline{X})\]

として, $n(X)$ を計算するとよい.