標本空間と事象の例2:カード引きの場合

説明文

説明文

今度は,カード引きを例にとり,標本空間の作り方と事象の表し方をいくつかの視点から見てみる.

試行として

「1から4の数字が書かれた4枚のカードから続けて2回引く」

を考えてみる.

この試行は,表のように,1回目に引いたカードと2回目に引いたカードの順列で

$_{4}\mathrm{Ρ}_{2}=4^3=12$ 通り

にまとめることができる。

\begin{array}{|c|c|c|c|c|}\hline &1&2&3&4\\\hline 1&―&2,1&3,1&4,1\\\hline 2&1,2&―&3,2&4,2\\\hline 3&1,3&2,3&―&4,3\\\hline 4&1,4&2,4&3,4&―\\\hline \end{array}

これをもとに,標本空間 $U$ を

\begin{align} U=\{&(1,2),(1,3),(1,4),\\ &(2,1),(2,3),(2,4),\\ &(3,1),(3,2),(3,4),\\ &(4,1),(4,2),(4,3)\ \} \end{align}

ととれば,例えば

事象 $A$ :「1のカードと2カードを引く」

は $U$ の部分集合を用いて

$A=\{(1,2),(2,1)\}$

と表すことができる。

また,この試行は,表のように,1回目に引いたカードと2回目に引いたカードの組合せで

$_{4}\mathrm{H}_{2}=\dfrac{4\cdot3}{2\cdot1}=6$ 通り

にまとめることもできる.

\begin{array}{|c|c|c|c|c|}\hline 1&2&3&4\\\hline 1&―&―&―&―\\\hline 2&1,2&―&―&―\\\hline 3&1,3&2,3&―&―\\\hline 4&1,4&2,4&3,4&―\\\hline \end{array}

これをもとに,標本空間 $U'$ を

$U'=\{(1,2),(1,3),(1,4),(2,3),(2,4),(3,4)\}$

ととれば

事象 $A$ :「1のカードと2のカードを引く」

は $U'$ の部分集合を用いて

$A=\{(1,2)\}$

と表すことができる.