2次方程式の解の公式の拡張について
実数a,b,cを係数にもつ2次方程式
ax2+bx+c=0を解くことを考える. \FTEXT 数学Iで学んだときには,解を実数の範囲でしか考えていなかったが,ここではより広く複素数の範囲で 解を考えることにする.
(1)を変形していくと
ax2+bx+c=0⇔ x2+bax+ca=0⇔ (x+b2a)2−b24a2+ca=0⇔ (x+b2a)2=b2−4ac4a2複素数の範囲では負の数の平方根も求められるので,b2−4acの符号が何であっても
x+b2a=±√b2−4ac2aと表せ,x=−b±√b2−4ac2aとなる.
2次方程式の解の公式の拡張
実数a,b,cを係数にもつ2次方程式ax2+bx+c=0の解は (b2−4acの値の符号が何であっても)
x=−b±√b2−4ac2aと表せる.
2次方程式の複素数の範囲での解
次の2次方程式を解け.
- 2x2+5x+1=0
- 3x2−2x+2=0
- √2x2+4x+3√2=0
- (√3−1)x2−2x+3√3+3=0
2次方程式の解の公式より
x=−5±√52−4⋅2⋅12⋅2=−5±√1742次方程式の解の公式より
x=1±√(−1)2−3⋅23=1±√5i3両辺に√2を掛けると
⇔ 2x2+4√2x+6=0⇔ x2+2√2x+3=0であるから,2次方程式の解の公式より
x=−√2±√(√2)2−1⋅31=−√2±i両辺に(√3+1)を掛けると
⇔ (√3−1)(√3+1)x2−2(√3+1)x(√3−1)(√3+1)x2+(3+3√3)(√3+1)=0⇔ 2x2−2(√3+1)x+3(√3+1)2=0であるから,2次方程式の解の公式より
x= (√3+1)2±√(√3+1)2−2⋅3(√3+1)22= (√3+1)2(1±√5i)