1変数に帰着させる方法
2変数関数の最大値や最小値を求めるときには,まず片方の変数をとりあえず定数として固定し, 1変数の問題として最大値と最小値を求めておき,次に固定していた変数を動かし全体の最大値と最小値を求める, という方法もある.
それを次の例題で確認しよう.
2変数関数の最大最小〜その2〜
2変数関数
\begin{align} f(x,~y)=x^2-2xy+2y^2-2x+4y+7 \end{align}の最小値を求めよ.
まず,$k$を定数として$y = k$の場合について考える.
\begin{align} f(x,~k)&=x^2-2xk+2k^2-2x+4k+7\\ &=x^2-2(k+1)x+2k^2+4k+7\\ &=\left\{x-(k+1)\right\}^2-(k+1)^2\\ &\qquad\qquad\quad\qquad+2k^2+4k+7\\ &=\left\{x-(k+1)\right\}^2+k^2+2k+6\\ \end{align}となるから,$x=k+1$のとき,最小値$k^2+2k+6$をとる.
←「予選」
次に,$k$を変数$y$とするとき,$y^2 + 2y + 6 = (y + 1)^2 + 5$であるから $y=-1~(x=0)$で最小値$\boldsymbol{5}$となる.
←「決勝」
吹き出し1変数に帰着させる方法
$y$を定数と考えるということがわかっていれば,$y = k$と書き換える必要はなく
\begin{align} f(x,~y)&=x^2-2xy+2y^2-2x+4y+7\\ &=x^2-2(y+1)x+2y^2+4y+7\\ &=\left\{x-(y+1)\right\}^2\\ &\qquad-(y+1)^2+2y^2+4y+7\\ &=\left\{x-(y+1)\right\}^2+y^2+2y+6\\ &=\left\{x-(y+1)\right\}^2+(y+1)^2+5 \end{align}として最小値$5$を求めてもよい.