等比数列の一般項
この等比数列の第 n 項つまり一般項 an は
「初項から第 n 項までには r を n−1 個かける」
と考えて
an=arn−1となるのはすぐにわかるだろう.
また,漸化式 (1) から一般項 an を求める方法もみておこう.
STEP1
漸化式 (1) の n に 1,2,3,⋯,n−2,n−1 を代入し,得られる式を縦に並べておく.
a2=a1ra3=a2r⋮an−1=an−2ran=an−1rSTEP2
すべての式の辺々を掛け合わせると, a2,a3,⋯,an−1 が打ち消される.
a2=a1ra3=a2r⋮an−1=an−2ran=an−1ran=a1rn−1よって, a1=a に注意して,次式を得る.
an=arn−1等比数列の漸化式と一般項
初項 a ,公比 r の等比数列の漸化式は
{a1=aan+1=anr(n=1,2,3,⋯)初項 a ,公比 r の等比数列の一般項 an は
an=arn−1(n=1,2,3,⋯)等比数列の一般項~その1~
次の等比数列 {an} の一般項 an を求めよ.また,第10項を求めよ.
- 2,6,18,54,162,⋯
- 81,−27,9,−3,1,⋯
- 初項が2,公比が3の等比数列であり,第 n 項(一般項)は初項 a1 に公比 r を n−1 回かけることによって求められるので
- 初項が81,公比が −13 の等比数列だから

また,第10項は a10=2⋅39=39366 である.

また,第10項は a10=81(−13)9=−1243 である.
等比数列の一般項~その2~
次の条件を満たす等比数列 {an} の一般項を求めよ.
- 初項が 2 ,第4項が −54
- 第3項が 34 ,第7項が 364
- 等比数列は公比が一定であるので,条件からまず公比を求めよう.初項から第4項までは,公比が(4-1=)3回掛けられるので,公比を r とすると
- 第3項から第7項までは,公比が(7-3=)4回かけられるので,公比を r とすると \begin{align} &a_3r^4=a_7\\ \Leftrightarrow\ &r^4=\frac{a_7}{a_3}=\frac{3}{64}\div\frac{3}{4}=\frac{1}{16}\\ \therefore\ &r=\pm\frac{1}{2} \end{align}

よって, a_n=\boldsymbol{2(-3)^{n-1}} となる.
【別解】
等比数列の一般項は a_n=a_1r^{n-1} として与えられるので,問題の条件から a_1 と r の連立方程式を立てることができる.初項を a ,公比を r とすると
\begin{align} a_1&=a=2\\ a_4&=ar^3=-54 \end{align}となる.これらを連立させて解くと
a=2,r=-3よって, a_n=\boldsymbol{2(-3)^{n-1}} となる.
第3項から第 n 項までは,公比の n-3 乗がかかるので,
\begin{align} a_n&=a_3r^{n-3}\\ &=\frac{3}{4}\left(\pm\frac{1}{2}\right)^{n-3}\\ &=\boldsymbol{3\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1},3\left(-\frac{1}{2}\right)^{n-1}} \end{align}【別解】
初項を a ,公比を r とすると
第3項が \dfrac{3}{4} であるから ar^2=\dfrac{3}{4}
第7項が \dfrac{3}{64} であるから ar^6=\dfrac{3}{64}
となる.これらを連立させて解くと
a=3,r=\pm\frac{1}{2}よって, a_n=\boldsymbol{3\left(\pm\dfrac{1}{2}\right)^{n-1}} となる.