循環しない無限小数

$\sqrt{2}$ は、$2$ 乗して $2$ になる正の数である。$1^2=1$、$2^2=4$ であるから $\sqrt{2}$ は $1$ と $2$ の間にある。ここで、$1.4^2=1.96\lt2$、$1.5^2=2.25\gt2$ であるから \[1.4\lt\sqrt{2}\lt1.5\] がいえる。さらに、$1.41^2=1.9881\lt2$、$1.42^2=2.0164\gt2$ であるから \[1.41\lt\sqrt{2}\lt1.42\] がいえる。同じようにして \[1.41421\lt\sqrt{2}\lt1.41422\] などがいえ、$\sqrt{2}$ にいくらでも近い有限小数を次々に求めることができる。

これを限りなく繰り返すとき、両辺に現れる無限小数 \[1.4142135623\cdots\] は $\sqrt{2}$ を表すと考えられ、この小数は循環することがない。もし、循環してしまうと $\sqrt{2}$ が有理数になってしまう。

なお、無理数の近似値を筆算によって求める方法については、『付録』を参照せよ。