定義域が限定された2次関数の最大・最小

2次関数の最大・最小〜その1〜

2次関数 $f(x)=x^2-2x-2$ において、定義域を次の1~5としたときの、最大値・最小値をそれぞれ求めよ。

  1. $-2\leqq{x}\leqq0$
  2. $-1\leqq{x}\leqq2$
  3. $0\leqq{x}\leqq2$
  4. $0\leqq{x}\leqq3$
  5. $3\leqq{x}\leqq4$

平方完成によって $f(x)=(x-1)^2-3$ と変形できる。

そこで $y=(x-1)^2-3$ のグラフを、与えられた定義域内で描いて考える。

  1. 1のグラフ
    定義域が $-2\leqq{x}\leqq0$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(-2)=\boldsymbol{6}$
    • 最小値 $f(0)=\boldsymbol{-2}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 放物線は下に凸、頂点は定義域内になく、$y$ の値は定義域内で常に減少している。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の左端であり、$y$ 座標が最も小さいのは定義域の右端である。
  2. 2のグラフ
    定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(-1)=\boldsymbol{1}$
    • 最小値 $f(1)=\boldsymbol{-3}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 頂点は定義域内の右半分にある。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の左端であり、$y$ 座標が最も小さいのは放物線の頂点である。
  3. 3のグラフ
    定義域が $0\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(2)=f(0)=\boldsymbol{-2}$
    • 最小値 $f(1)=\boldsymbol{-3}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 頂点は定義域内のまん中にある。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の両端であり、$y$ 座標が最も小さいのは放物線の頂点である。
  4. 4のグラフ
    定義域が $0\leqq{x}\leqq3$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(3)=\boldsymbol{1}$
    • 最小値 $f(1)=\boldsymbol{-3}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 頂点は定義域内の左半分にある。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の右端であり、$y$ 座標が最も小さいのは放物線の頂点である。
  5. 5のグラフ
    定義域が $3\leqq{x}\leqq4$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(4)=\boldsymbol{6}$
    • 最小値 $f(3)=\boldsymbol{1}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 頂点は定義域内になく、$y$ の値は定義域内で常に増加している。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の右端であり、$y$ 座標が最も小さいのは定義域の左端である。

2次関数の最大・最小〜その2〜

1~4の全ての2次関数について定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ であるとき、最大値・最小値をそれぞれ求めよ。

  1. $f(x)=x^2+4x-3$
  2. $f(x)=-x^2-x-2$
  3. $f(x)=\dfrac{1}{2}x^2-x-3$
  4. $f(x)=-3x^2+12x-5$

  1. 1のグラフ
    $f(x)$ を平方完成すると \[f(x)=(x+2)^2-7\] 定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(2)=\boldsymbol{9}$
    • 最小値 $f(-1)=\boldsymbol{-6}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 放物線は下に凸、頂点は定義域内になく、$y$ の値は定義域内で常に増加している。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の右端であり、$y$ 座標が最も小さいのは定義域の左端である。
  2. 2のグラフ
    $f(x)$ を平方完成すると \[f(x)=-\left(x+\dfrac{1}{2}\right)^2-\dfrac{7}{4}\] 定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f\left(-\dfrac{1}{2}\right)=\boldsymbol{-\dfrac{7}{4}}$
    • 最小値 $f(2)=\boldsymbol{-8}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 放物線は上に凸、頂点は定義域内の左半分にある。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは放物線の頂点であり、$y$ 座標が最も小さいのは定義域の右端である。
  3. 3のグラフ
    $f(x)$ を平方完成すると \[f(x)=\dfrac{1}{2}(x-1)^2-\dfrac{7}{2}\] 定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(-1)=\boldsymbol{-\dfrac{3}{2}}$
    • 最小値 $f(1)=\boldsymbol{-\dfrac{7}{2}}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 放物線は下に凸、頂点は定義域内の右半分にある。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の左端であり、$y$ 座標が最も小さいのは放物線の頂点である。
  4. 4のグラフ
    $f(x)$ を平方完成すると \[f(x)=-3(x-2)2+7\] 定義域が $-1\leqq{x}\leqq2$ の場合、$y=f(x)$ のグラフは右図の実線部分となるので
    • 最大値 $f(2)=\boldsymbol{7}$
    • 最小値 $f(-1)=\boldsymbol{-20}$
    となる。
    $\blacktriangleleft$ 放物線は上に凸、頂点は定義域の右端にあり、$y$ の値は定義域内で常に増加している。その結果 $y$ 座標が最も大きいのは定義域の右端であり、$y$ 座標が最も小さいのは定義域の左端である。

吹き出し無題

定義域が限定された放物線は、最大値・最小値を与えるグラフ上の点に着目すれば、以下の5種類にまとめられる($y$ 座標が最大になる点を $\blacktriangle$、最小になる点を $\bullet$ で表している)。

放物線の最大値と最小値の図

放物線の最大値と最小値の図