多項式の相等

$2 + 3 = 5$ という等式は, $2 + 3$ という数が $5$ という数と等しいという,関係を表したものである. この例は数の関係を表したものであるが, 関係はなにも数に限ったことではなく,多項式についても同様に関係を表すことができる. 多項式と多項式の関係の1つである,多項式の相等を以下に定義しておこう.

多項式の相等

2つの$n$次多項式 $f(x),g(x)$

\[f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1x+a_0\] \[g(x)=b_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+b_1x+b_0\]

において,すべての係数が等しい,すなわち

\[a_n=b_n,~a_{n-1}=b_{n-1},~\cdots\] \[\qquad\qquad,~a_1=b_1,~a_0=b_0\]

が成り立つとき, $f(x)$ と $g(x)$ は多項式として等しいという.

たとえば,多項式 $f(x) = 3x^2 − 4x + 7$ と多項式 $g(x) = 3x^2 − 4x + 7$ は, すべての係数が等しいので,多項式として等しいといえる. しかし,多項式 $h(x) = 3x^2 − 5x + 7$ は,すべての係数が等しいわけではないので, 多項式として等しいとはいえない.