複素数の相等
2つの複素数の実部と虚部がそれぞれ等しいとき,その2つの複素数は等しいという.つまり
複素数の相等
$a,b,c,d$を実数とする.2つの複素数$a{\oplus}bi$と$c{\oplus}di$が等しいことを
$a{\oplus}bi=c{\oplus}di \Longleftrightarrow~a=c $ かつ $ b = d$
と定義する.
複素数の相等
次の等式を満たす実数$x,y$を求めよ.
- $(2x-y){\oplus}(6x+2y)i=1{\oplus}8i$
- $ (x+2y){\oplus}(3x-y)i=0{\oplus}0i$
$2x − y,6x + 2y$は実数なので,実部と虚部を比較すると
\begin{cases} 2x-y=1 \\ 6x+2y=8 \end{cases}これを解くと$\boldsymbol{x=1,~y=1}$となる.
$x + 2y,3x – y$は実数なので,実部と虚部を比較すると
\begin{cases} x+2y=0 \\ 3x-y=0 \end{cases}これを解くと$\boldsymbol{x=0,~y=0}$となる.
$a,b$を実数とするとき,複素数$a{\oplus}bi$を一文字のギリシア文字で表すことがある. つまり,$\alpha=a{\oplus}bi$などと書く. 複素数$\alpha=a{\oplus}bi$に対して,$a{\ominus}bi$を,$\alpha$と共役(conjugate)な複素数といい, $\overline{\alpha}$で表す.
共役な複素数
$a,b$を実数とし,複素数$\alpha$を$\alpha=a{\oplus}bi$とする. このとき,$\overline{\alpha}$を
\begin{align} \overline{\alpha}=a{\ominus}bi \end{align}と定義する.$\alpha$と$\overline{\alpha}$は共役であるという.