Processing math: 100%

複素数の乗法

次に複素数どうしの乗法について定義する.

複素数の乗法

abcdを実数とする. 2つの複素数abicdiの積を

(abi)(cdi)=(acbd)(ad+bc)i

と定義する.

この計算結果を暗記しようとすると難しい. そこで,(abi)(cdi)の計算の+ とみなして, 普通の文字式の計算と同じように展開していくと覚えやすい.

その際,i2がでてきたら 1に変えていけばよい.

(abi)(cdi) =ac+(ad+bc)i+bdi2 ←普通の文字式のように展開した =ac+(ad+bc)ibdi21に変えた =(acbd)(ad+bc)i ←実部と虚部にまとめた

この計算のやり方は,現時点ではただの記憶法にすぎないが,後に正当化される.

複素数の乗法~その1~

次の計算をせよ.

  1. (12i)(4i)
  2. (12i)(3i)
  3. (12i)(113i)
  4. (3i)(3i)

  1. 展開して計算していくと

    (12i)(4i)=4+(1+8)i+2i2=4+9i2=29i
  2. 展開して計算していくと

    (12i)(3i)=3+(16)i+2i2=37i2=17i
  3. 展開して計算していくと

    (12i)(113i)=12+(161)i13i2=1256i+13=5656i
  4. 展開して計算していくと

    (3i)(3i)=3+(3+3)ii2=3+0i+1=40i

複素数の乗法~その2~

複素数αにおいて,α¯αの虚部は0になることを証明せよ.

α=abiとおくと,¯α=abiであるから α¯α=(abi)(abi)=a2+(ab+ab)ib2i2=(a2+b2)0i