導関数の表し方

関数 $y=f(x)$ の導関数の表し方にはいくつかあり、$f'(x)$ の他にも $y'$ や $\dfrac{dy}{dx}$ や $\dfrac{d}{dx}f(x)$ で表すこともある。

$\dfrac{dy}{dx}$ は、$x$ の増分 $h$ を $\Delta{x}$、$y$ の増分 $f(x+h)-f(x)$ を $\Delta{y}$ としたとき \[f'(x)=\displaystyle\lim_{\Delta{x}\to0}\dfrac{\Delta{y}}{\Delta{x}}\] と書けることに由来する。$\dfrac{dy}{dx}$ は「ディーエックスぶんのディー・ワイ」ではなく「ディーワイ、ディーエックス」と読む。

たとえば、$y=x^2$ の導関数は \[y'=2xや\dfrac{dy}{dx}=2x\] などと表す。

また、$x$ の関数 $f(x)$ から導関数 $f'(x)$ を求めることを、$f(x)$ を $\boldsymbol{x}$ について微分 (differential) するという。関数を微分した結果を示すのに \[(x^2)'=2x\] と書くこともある。

導関数を求める

次の関数の導関数 $f'(x)$ を求めよ。

  1. $f(x)=x$
  2. $f(x)=x^2$
  3. $f(x)=x^3$
  4. $f(x)=2x^3-x^2$

  1. 導関数 $f'(x)$ の定義より \begin{align} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}&=\dfrac{(x+h)-x}{h}\\ &=1\\ &\to1~(h\to0) \end{align} よって、$\boldsymbol{f'(x)=1}$ となる。
  2. 導関数 $f'(x)$ の定義より \begin{align} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}&=\dfrac{(x+h)^2-x^2}{h}\\ &=\dfrac{2xh+h^2}{h}\\ &=2x+h\\ &\to2x~(h\to0) \end{align} よって、$\boldsymbol{f'(x)=2x}$ となる。
  3. 導関数 $f'(x)$ の定義より \begin{align} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}&=\dfrac{(x+h)^3-x^3}{h}\\ &=\dfrac{3x^2h+3xh^2+h^3}{h}\\ &=3x^2+3xh+h^2\\ &\to3x^2~(h\to0) \end{align} よって、$\boldsymbol{f'(x)=3x^2}$ となる。
  4. 導関数 $f'(x)$ の定義より \begin{align} &\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ =&\dfrac{2(x+h)^3-(x+h)^2-(2x^3-x^2)}{h}\\ =&\dfrac{2(3x^2h+3xh^2+h^3)-(2xh+h^2)}{h}\\ =&\dfrac{(6x^2-2x)h+(3x-1)h^2+h^3}{h}\\ =&6x^2-2x+(3x-1)h+h^2\\ &\to6x^2-2x~(h\to0) \end{align} よって、$\boldsymbol{f'(x)=6x^2-2x}$ となる。