導関数の符号と関数の増加・減少の関係

関数 $y=f(x)$ のグラフ上の点 $(a,~f(a))$ に近い部分では、この関数のグラフはこの点における接線とほぼ一致しているとみなしてよい。接線の傾きは $f'(a)$ で与えることができるので、関数 $f(x)$ の増減は、$f'(x)$ の符号の正負と結びつけて考えることができる。

増加する関数のグラフ

増加する関数のグラフ

増加する関数 $f(x)$ では、$y=f(x)$ のグラフは右図のようになる。このとき、このグラフ上の各点での接線は右上がりとなるので、その傾きは常に正の値をとることがわかる。逆に、グラフ上の各点における接線の傾きが正であるならば、その関数は増加していることがわかる。

つまり、ある区間での関数 $f(x)$ とその導関数 $f'(x)$ について \[f'(x)\gt0~{\Longleftrightarrow}f(x)\] は単調増加がいえる。

減少する関数のグラフ

減少する関数のグラフ

また、右図のように、グラフ上の各点における接線の傾きが負であるならば、その関数は減少していることがわかる。

つまり、ある区間での関数 $f(x)$ とその導関数 $f'(x)$ について \[f'(x)\lt0~{\Longleftrightarrow}f(x)\] は単調減少がいえる。

さらにまた、ある区間で常に $f'(x)=0$ のとき、$y=f(x)$ のグラフの接線は常に $x$ 軸と平行となる。このとき、グラフ自体も $x$ 軸と平行となり、その区間では $f(x)$ は一定の値をとる。