数学A 第1章 場合の数 — 重複組合せ

重複組合せについて

重複組合せの定義

正三角形の中に数字の1が書かれたもの、2が書かれたもの、3が書かれたもの、4が書かれたものの4つが、カンマで区切られて横一列に並んでいる。

の目が描いてある正四面体のさいころを2回振って, 出た目の組(順番は考えない)をすべて書き出すと

1から4の数字が入った三角形のマークを使い、{1, 1}、{1, 2}、{1, 3}、{1, 4}、{2, 2}、{2, 3}、{2, 4}、{3, 3}、{3, 4}、{4, 4}の10通りの組が並んでいる。

の10通りとなる.これは,『同じものを含む順列』の考え方を利用し,次のように計算することができる.

まず,各組は

1、2、3、4の数字がそれぞれ中央に書かれた4つの三角形の枠が、左から1、2、3、4の順にカンマで区切られて横一列に並んでいる。

の順に並べて表すことにする.例えば,

中に数字の1が書かれた三角形のマーク。正四面体のさいころの1の目を表す。

を1個,

中に数字の2が書かれた三角形のマーク。正四面体のさいころの2の目を表す。

を1個使って作られる組は

中に1が書かれた三角形のマークと、中に2が書かれた三角形のマークが、左から順に横に並んでいる。

と表す.この組に対して,さいころの目を表す2個の と,異なる4文字の“しきり”を表す 個の からなる順列を,右図のように対応させる. つまり,3つの“しきり” で4つの場所ができるので,その場所にある の個数が,それぞれさいころの

文字の組と、2個の〇および3本の仕切り|の並びが対応して示されている。3本の仕切りによって区切られた4つの場所に〇が配置され、それぞれの場所にある〇の個数が表されている。

の個数を表すものとするのである.

1が入った△と2が入った△から、3本の仕切り | を挟んだ並びを経て、2個の○と3本の仕切り | の並びへの対応が矢印で描かれ、仕切りによる4つの領域がそれぞれ1から4が入った△の数を表している。 例えば,上の10組のうちの,

波括弧の中に、中に数字の1が書かれた三角形のマークが2つ、カンマで区切られて並んでいる。

波括弧の中に、中に数字の1が書かれた三角形と、中に数字の3が書かれた三角形の2つの記号が、カンマで区切られて並んでいる。

波括弧の中に、内部に2と書かれた三角形のマークと、内部に4と書かれた三角形のマークがカンマで区切られて並び、集合の形式で表されている。

などは, の順列で右図のように表すことができる.

こうすると,結局,区別しない2個の と区別しない3個の の計5個のものを並べたときの順列を計算すればよいから, 『同じものを含む順列』より

通り

と数えることができる.

ここで, 個のものから,繰り返し用いることを許して, 個とって作る組について定義しておこう.

数字の書かれた三角形2つの組が、丸と縦線の並びに対応付けられている。上から順に、1と1は〇〇|||、1と3は〇||〇|、2と4は|〇||〇と並んでいる。
§

定義1重複組合せ の定義

「区別する 個のものから,繰り返し用いることを許して, 個取り出して作った組」 のことを 重複組合せ(combination with repetitions)(ちょうふく)といい,その組の総数を と表す.

この例では

である.

重複組合せの計算

区別する 個のものから,繰り返し用いることを許して, 個取り出して作る組の総数 も,先程の例と同じように考えることができる.

まず,右図のように, 個の と,( 個の入る場所を作るための) 個の“しきり” を並べる. こうしておいてから,区別しない 個の と区別しない 個の の計 個のものを並べたときの 『同じものを含む順列』を計算すればよいので

となる.普通 を計算するには,このように の並べ方を考えて に帰着してから計算するとよい.

さて,ここでさらに の計算をすすめてみると

つまり

と計算することもできる.この式は, と比較すると覚えやすい.例えば

である.

以上,まとめると

§

定理2重複組合せ の計算

区別する 個のものから,繰り返し用いることを許して, 個取り出して作る組の総数 は,同じものを含む順列の考え方で計算でき

となる.

問題1重複組合せの計算練習

次の値を求めよ.

解答を見る

ボールと箱のモデル5

例えば, の定義は

「区別する5個のものから,繰り返し用いることを許して,3個とりだしてつくる組の総数」

であったが,これはボールと箱のモデルを使って

「区別しない3個のボールを,区別する5個の箱に配る(何個でもよい)場合の総数」

といいかえることができる.それには,次のように考えるとよい.

準備として,ボールは区別しないので,それを とし, 箱は区別するので番号をつけ,それを

横一列に並んだ5つの空の四角い枠がカンマで区切られており、それぞれの枠の下に、左から順に1から5までの番号が書かれている。

としておく.

例えば,区別しない3個のボールを,区別する5個の箱に,図のように配ったとする.

このときは,5−3重複組合せのうちの と対応すると考えることができる.

また逆に,5−3重複組合せのうちの は,図のようなボールの配り方に対応すると考えることができる.

これ以外の5−3重複組合せも,ボールの箱への配り方と1対1に対応するので, 結局,ボールの箱への配り方の総数は と一致するといえる.

一般に,次のようにまとめることができる.

3個のボールのうち2個が2の箱へ、1個が5の箱へ配られ、2の箱に2個、5の箱に1個のボールが入る様子と、それが組{2, 2, 5}に対応することが描かれている。
§

定理3重複組合せ のボールと箱のモデル

重複組合せ はボールと箱のモデルを用いて

「区別しない 個のボールを,区別する 個の箱に配る(何個でもよい)場合の総数」

と考えることができる.

問題2重複組合せ

  1. 3種類の果物,りんご,かき,なしを使って,7個入りの果物かごを作る.1つも入らない種類があってもよいとすると,何通りの果物かごができるか求めよ.
    1. で,3種類の果物を最低1個は入れるものとすると,何通りの果物かごができるか求めよ.
解答を見る
  1. 【解1:重複組合せで考える】
  2. 【解1:重複組合せで考える】

最終更新: 2026-08-10

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