数学A 第2章 確率 — 加法定理と排反事象
和事象と積事象
和事象と積事象について
さいころを1回投げる試行を考えよう.この試行において,標本空間
とすると,「偶数の目が出る」という事象
と表すことができる.
いま,「偶数の目が出るか,または,2以下の目が出る」という事象は,
と表すことができる.
また,「偶数の目が出て,かつ,2以下の目が出る」という事象は,
と表すことができる.
標本空間
和事象(sum event)
という.和事象は和集合

また「
積事象(product event)
という.積事象は共通部分

加法定理と排反事象について
加法定理
ある試行の標本空間
事象
が成り立つ.この両辺を標本空間
が成り立つ.
この

ある試行における事象
が成り立つ.
を求めるのに, と を加えたのでは, を2回加えたことになる.そこで,余分な1回分の を引くのだと考えると覚えやすい.イメージは下の図のようになる.
2個のさいころ
解答を見る
とすると,求める確率は
いま,
である.
また,2つのさいころの目の出方は
となる.
以上より
排反事象
さいころを1回投げる試行において,偶数の目が出る事象
一般に,2つの事象

事象
が成り立つとき,
また,このとき
が成り立つ.
3つ以上の事象でも,どの2つも互いに排反であるとき,それらの事象は排反であるという.
ジョーカーを含まない52枚のトランプの中から1枚のカードを引く.
事象
とする.次のうち,排反事象となるものをすべて選べ.
と と と と
解答を見る
であり, であるトランプ存在しない,つまり同時に起こりえないので, と は排反である. であり,3であるカードは存在する( の3),つまり同時に起こりえるので, と は排反ではない. - 3であり,10以上であるカードは存在しない,つまり同時に起こりえないので,
と は排反である. - 10以上であり,
であるカードは存在する(例えば の11),つまり同時に起こりえるので, と は排反ではない.
以上より,排反事象となるのは1. と3. である.
10本のくじの中に当りくじが3本ある.この中から4本のくじを同時に引くとき, 少なくとも2本の当りくじを引く確率を求めよ.
解答を見る
少なくとも2本の当りくじを引くのは,2本の当りくじを引く場合と,3本の当りくじを引く場合があり,
これらは排反な事象である.
まず,10本のくじの中から4本のくじを引く組合せの
このうち,2本の当りくじと2本のはずれくじを引く場合は
あり,3本の当りくじと1本のはずれくじを引く場合は
ある.
よって,求める確率は
余事象とその確率
余事象
事象
余事象
事象
余事象の確率
補集合の要素の個数より
が成り立つ.この両辺を,
が成り立つ.

事象
が成り立つ.
このことは,ある事象
の確率を求めるのが大変な場合, むしろ の余事象 の要素の個数に着目すべきである, ということを教えてくれる.
3つのさいころを同時に振るとき,少なくとも1つのさいころで3の倍数の目が出る確率を求めよ.
解答を見る
事象
とおくと,求める確率は
3つのさいころの目の重複順列
このうち,3の倍数の目がまったく出ないのは(3の倍数でない目が1,2,4,5と4つあるので)
よって,3の倍数の目が出ない確率
求める確率は
となる.
元記事: http://www.ftext.org/text/section/98(取得日 2026-08-07)
最終更新: 2026-08-08
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