数学I 第3章 集合の基礎 — 集合の要素の個数
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集合の表し方より、有限集合の要素の個数は数えることができる。ここでは、集合の要素の個数の表し方や、集合の要素の個数についてに成り立つ関係式を見ていこう。
集合の要素の個数の表し方
集合の要素の個数の表し方
集合 A の要素の個数を n(A) で表す。
例えば、集合 A を1桁の奇数、すなわち
A={1,3,5,7,9}
とすると、 n(A)=5 となる。空集合 ∅ には要素がないので、 n(∅)=0 とする。
集合 A と B が等しいとき、A と B の要素の個数も当然等しい、すなわち
A=Bならばn(A)=n(B)
が成り立つ。これより、集合の性質~その1~、集合の性質~その2~ でみた集合に関する等式は、集合の要素の個数の場合にもそのまま成り立ち、次のようにまとめられる。
§
定理1要素の個数の基本
n((A∪B)∪C) =n(A∪(B∪C)) =n(A∪B∪C)
n((A∩B)∩C) =n(A∩(B∩C)) =n(A∩B∩C)
n(A∪(B∩C)) =n((A∪B)∩(A∪C))
n(A∩(B∪C)) =n((A∩B)∪(A∩C))
n(A)=n(A)
n(A∪A)=n(U)、 n(A∩A)=0
ド・モルガンの法則
n(A∪B)=n(A∩B)、 n(A∩B)=n(A∪B)
直積の要素の個数
直積の要素の個数
集合 A の要素の個数 n(A)=l、集合 B の要素の個数 n(B)=m とする。
A と B の直積 A×B は、A の要素 l 個それぞれに対して B の要素 m 個を対応させることによって作られるので、 n(A×B)=l×m が成り立つ。
§
定理2直積の要素の個数
集合 A、B と、その直積 A×B の要素の個数に関して
n(A×B)=n(A)・n(B)
が成り立つ。
和集合の要素の個数(包含と排除の原理)
和集合の要素の個数(包含と排除の原理)
全体集合を U とする、2つの集合 A、B について
n(A)=a , n(B)=b , n(A∩B)=p
であるとすると図のようになるので
n(A∩B)=a-p , n(A∩B)=b-p
となるのがわかる。これより
n(A∪B) = (a-p)+p+(b-p) =a+b-p = n(A)+n(B)-n(A∩B)
が成り立ち、これを包含(ほうがん)と排除(はいじょ)の原理 (principle of inclusion and exclusion) という。
§
定理3包含と排除の原理(2集合版)
2つの集合 A、B に関して
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
が成り立つ。
特に、 A∩B=∅ のときには、 n(A∪B)=n(A)+n(B) となる。
問題1包含と排除の原理(2集合版)
は以下の自然数U={x|xは100以下の自然数} を全体集合とし、 はの倍数A={x|xは3の倍数}、 はの倍数B={x|xは5の倍数} とするとき、次の値を求めよ。
- n(A)
- n(B)
- n(A∩B)
- n(A∪B)
解答を見る
100÷3=33 あまり 1 より
A={3×1, 3×2, …, 3×33}
となるのがわかる。よって、 n(A)=33 である。
100÷5=20 より
B={5×1, 5×2, …, 5×20}
となるのがわかる。よって、 n(B)=20 である。
A∩B は、3 の倍数でかつ 5 の倍数の集合だから、結局 15 の倍数の集合である。
100÷15=6 あまり 10 より
A∩B={15×1, 15×2, …, 15×6}
となるのがわかる。よって、 n(A∩B)=6 である。
和集合の要素の個数に関して
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
が成り立つから、1~3より
n(A∪B)=33+20-6=47
暗記1包含と排除の原理(3集合版)の導出
2つの集合に関する包含と排除の原理
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
を使い、3つの集合に関する包含と排除の原理
n(A∪B∪C) = n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C)-n(C∩A) +n(A∩B∩C)
が成り立つのを証明せよ。
解答を見る
をかたまりとして、『包含と排除の原理(集合版)』を使ったの部分は『包含と排除の原理(集合版)』を、の部分は『要素の個数の基本』を使ったさらにに『包含と排除の原理(集合版)』を使ったをかたまりとして、要素の個数の基本を使った『共通部分』n(A∪B∪C) =n{(A∪B)∪C} =n(A∪B)+n(C)-n{(A∪B)∩C} △A∪Bを1かたまりとして、 『包含と排除の原理(2集合版)』を使った =n(A∪B)○-n{(A∪B)∩C}+n(C) =n(A)+n(B)-n(A∩B)○ -n{(A∩C)∪(B∩C)}+n(C) △○の部分は『包含と排除の原理 (2集合版)』を、の部分は 『要素の個数の基本 2』を使った =n(A)+n(B)-n(A∩B) -n(A∩C)-n(B∩C) +n{(A∩C)∩(B∩C)}+n(C) △さらにに 『包含と排除の原理(2集合版)』を使った =n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C)-n(C∩A) +n{(A∩C)∩(B∩C)} =n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C)-n(C∩A) +n{A∩(C∩B∩C)} △B∩Cを1かたまりとして、 要素の個数の基本を使った =n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C)-n(C∩A) +n(A∩B∩C) △C∩C=C 『共通部分』
§
定理4包含と排除の原理(3集合版)
3つの集合A、B、C に関して
n(A∪B∪C) =n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C) -n(C∩A)+n(A∩B∩C)
が成り立つ。
補集合の要素の個数
“着目しないもの”に着目する
図の中にある白丸(○)の個数を数えるには、実際に白丸の個数を数えるのではなく、丸が横に12個、縦に10個、計120個並んでいるのを確認し、そこから黒丸(●)の個数を引くのが よい。つまり
白丸の個数個(白丸の個数)=12×10-8=112 ∴112個
と数えるのがよい。
このように、着目しないもの(●)の個数を全体の個数から引くことによって、着目するもの(○)の個数を数えることができ、集合では次のようにまとめられる。
補集合の要素の個数について
全体集合を U とする。集合 A と、その補集合 A について
A∪A=U , A∩A=∅
であるから、包含と排除の原理(2集合版)より
n(U)=n(A)+n(A)
となる。
§
定理5補集合の要素の個数
全体集合を U とする集合 A と、その補集合 A に関して
n(A)=n(U)-n(A)
が成り立つ。
問題2補集合の要素の個数と包含と排除の原理
総世帯数が 191 のある地区では、新聞をとっている世帯が 170 ある。このうちA新聞をとっている世帯は 89、B新聞をとっている世帯は 108 ある。その他の新聞はこの地区には無いものとして、以下の問に答えよ。
- この地区では新聞をとっていない世帯はいくつか。
- A、B両方の新聞をとっている世帯はいくつか。
解答を見る
- U:「ある地区の総世帯」
- A:「A新聞をとっている世帯」
- B:「B新聞をとっている世帯」
とおく。
新聞をとっている世帯は A∪B と表せるので、新聞をとっていない世帯は A∪B となる。
n(A∪B) =n(U)-n(A∪B) =191-170 =21
A、B両方の新聞をとっている世帯は A∩B と表される。和集合の要素の個数に関して
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
が成り立つから
n(A∩B)= n(A)+n(B)-n(A∪B) = 89+108-170=27
問題3補集合の要素の個数と包含と排除の原理(3集合版)
300 人の高校生にA、B、Cの3種のテストを行った。Aテストに 102 人、Bテストに 152 人、Cテストに 160 人が合格したが、これらの中で、A、B両テストに 42 人、B、C両テストに 62 人、C、A両テストに 32 人が合格している。3種のテストのどれにも合格しなかった人は 10 人であった。このとき、3種のテストにすべて合格した人は何人か。
解答を見る
- U:「テストを受けた高校生全員」
- A:「Aテストに合格した人」
- B:「Bテストに合格した人」
- C:「Cテストに合格した人」
とおくと、3種のテストのどれにも合格しなかった人は A∩B∩C と表され、3種のテストにすべて合格した人は A∩B∩C で表せる。
3つの集合の和集合に関して
n(A∪B∪C) = n(A)+n(B)+n(C) -n(A∩B)-n(B∩C) -n(C∩A) +n(A∩B∩C) ①
が成り立ち、また補集合に関して
n(A∪B∪C) =n(U)-n(A∪B∪C) =n(U)-n(A∩B∩C) ②
が成り立つ。①と②より
人n(A∩B∩C) =n(A∪B∪C) -n(A)-n(B)-n(C) +n(A∩B)+n(B∩C)+n(C∩A) ={n(U)-n(A∩B∩C)} -n(A)-n(B)-n(C) +n(A∩B)+n(B∩C)+n(C∩A) =300-10-102-152 -160+42+62+32 =12 ∴12人
最終更新: 2026-08-12
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